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勝負

《何を考えてんだよ俺!らしくねェ!》


アクセルは自分の胸のざわめきを頭を強く掻くことで抑えようとする。

自分の夢の実現の1歩である『魔王軍と聖龍軍の両軍の幹部の討伐』

そのうちの1人を倒した相手が今自分の目の前にいるのだ。

以前の自分は力が無くて、ジャック・シャークにボコボコにやられてしまった。

そのジャックを討ち取ったやつらが目の前にいるのだ。

いくらアクセルだとはいえ、動揺しないはずがない。

しかし、昔のことと今この瞬間の現実リアルとは別だ。いつも通りの冷静な態度で振る舞う。


「じャあ勝負の内容を説明するぜェ。もし俺がお前らを全員ぶッ殺したら俺の勝ち。俺が本気でッたら一瞬で終わるからよォ、俺は1歩も動かねぇからお前らがもし俺を1歩でも動かしたらお前らの勝ち。さァどうだァ?」


これを聞いただけでは圧倒的にアクセルが不利過ぎるように思われる。が、アクセルは勝負を捨てた訳ではない。1歩も動かずとも勝てるという自信があるから、余裕があるからこういう条件で勝負を挑んだ。

もちろん、レグルスたちもすぐに「じゃあやるか」と答えるほど馬鹿じゃない。

今のアクセルを見るとわかるように有り余る余裕からか辺りを恐怖で支配するかのような不気味な笑みがこぼれている。

そのため不必要に勝負の条件を警戒する。

この勝負本当に受けないといけないのか?もしかしたら話し合って解決することができないだろうか?そんな思考がレグルスの頭を過ぎった時、アクセルの声がレグルスたちの頭に割り込んできた。


「もし、『はい』と答えられねェなら、その瞬間俺は即時にお前らをぶッ殺し、このガキの始末をした後、俺の夢の実現のためにこの世界を支配することになるんだけどォ。」


つまり、ここで断ればまずレグルスたちの命も、アルケナの命も助かることは無いらしい。

まぁそんなこと言われなくともレグルスたちの決意は既に決まっていて、


「もちろん、受けて立つぜ!」


「ヘヘッ、まァお互い正々堂々と#戦__や__#ろうじャねェか」


そうしてレグルスたちの志とアクセルの志が衝突した。

───────────────────

「どうぞかかッてこい」


余裕の風格で手招きをする。

一歩も動けないという大きなリスクを背負っているというのに全く動じず、頭を掻いて気だるげにため息をつく。

そもそも一歩も動かずどうやって戦うのか?特に遠距離攻撃をするための武器を持っているわけでもなく、特別筋肉がある体型なわけでもない。なんなら細身ですぐに倒されてしまいそうな体型だ。


「じゃあ遠慮なく行かせてもらうぜ!!」


警戒心が解けないままだが、いつまでも突っ立ってるわけにもいかないので、とりあえず突っ走ってみる。

右拳を強く握り、風を切るかのような速さでどんどんアクセルとの差を詰めて、アクセルに飛びかかる。

すると、アクセルはポケットに突っ込んでた左手を出して、レグルスの拳の方に向ける。


「───ッ!!」


と、その瞬間レグルスは即座に右手を引き、アクセルの左手との接触を避ける。

そして、左手に力を込めてアクセルのみぞおちを殴った。

アクセルはよろけそうになったがなんとかその場で踏ん張って持ちこたえた。


「なんかその左手嫌な予感がした。」


「さすがだな。お前の判断は正しかッたぜェ。もしあのまま俺の手に触れていれば、お前の右手は木っ端微塵に吹ッ飛んでたからなァ。即座に左手で殴ッたのはすごかッたが、左手だッたから大したダメージにはなッてねェぜ。」


今の一瞬の出来事を冷静に説明するアクセル。敵の隙を突いたレグルスの攻撃も大して効いていないらしい。

アクセルが放った「右手が木っ端微塵になる」という言葉。それにはどこか聞き覚えがある様な気がした。

つい最近知ったような気がするが思い出せない。頭の中でモヤモヤが増幅する。やはりどこかで聞いたことがあるのだ。別に見たわけではないが、それに似た状況をどこかで。


「あっ!!」


レグルスが頭を悩ましている中、レグルスの背後から凛が何かを思い出したような声を出した。


「悠貴気をつけて!!そいつは亜人界傍観軍の中で最強の男。それでいて今朝の『路地裏殺人事件』の犯人でもある!その男の名前は『力点反射鏡アクセル・ミラー』!!」

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