表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
47/61

全ては夢のために

昔から生き物を飼うのが好きだった。道端で弱っている雀を見つけては家に持って帰り世話をしたりしていた。夏になると友達とカブトムシやクワガタムシを取りに山に入ったり。そんな普通な小学生だった。

でも、中学生になってから性格が変わった。弱っている雀を見つけてもなんとも思わなくなった。小学生の頃に思ったんだ。命ははかないもの。命はいずれ絶えるもの。例え今この雀を助けたとしても長くは生きることができないんだってこと。

だから、動物を飼うことをやめた。本当は動物が大好きだったのに。そんな気持ちも押し殺して。

───────────────────

高校生になって1週間程で、登校中にトラックにかれて俺の人生は幕を閉じた。

俺はあの世でこの「力点人間アクセル」の能力ちからを手に入れて、異世界に転生した。

その街でギルドに加入、たくさんのクエストをクリアしていった。

その頃には心が崩壊していた。人間だったころの名前すらも忘れる程に。

大好きだった動物を狩ることに快感を覚えていた。

ある日、強力なモンスターの討伐クエストを受けている最中さいちゅうにある女の人に出会った。

そいつと俺は意気投合して、数多のクエストを一緒にこなしていった。

だが、そんな日々を壊す出来事が起こった。魔王軍の幹部にその子が攫われた。俺は聖龍軍の大将青龍と何度か会っていたため助けを求めた。が、何度言っても断られ、最終的に1人で魔王軍の領地に向かった。

そこで、その子は磔にされて傷つけられていた。俺は激しく激昴し、辺りにいた魔王軍を相殺した。が、そこに魔王軍の幹部4人が勢揃いし、圧倒的な力で俺はねじ伏せられた。虫の息で生きながらえた俺にその子が寄ってきて。


「あなたはこれからもっと強くなって、この世界を平和にして、魔王軍と聖龍軍の両方の城にある鐘に礼拝すると約束してください。」


と一言いって俺に手を差し伸べた。

俺は訳がわからなかったがとりあえずその手を取ろうとした。

が、その瞬間にその子は首を刎ねられ殺された。魔王軍の幹部によって。

俺は完全に精神を崩壊させ、能力を暴走させ、暴れ回った。

そして、その時見たんだ。

この幹部たちの黒幕が誰なのかを。

魔王サタンじゃねェんだ。

青龍なんだって。その時はっきり思った。黒幕が青龍やつなら、そりゃ助けを求めても拒まれるって。

───────────────────

その日を境に俺はギルドを退会した。

自分が力が無かったからあの子を死なせてしまった。攻めてもの報いとして、更に強くなって、あの子との約束を果たそうと。

そのために魔王軍と聖龍軍を倒さなければならない。やつらを倒して、俺が亜人界を支配すれば長年続いた龍王戦争も終わると。

そのためには軍隊が必要だ。でも、そのための人材がない。だったら、再びあの世界に戻って、そこから支配すればいい。





全てはあの子との約束のために。

亜人界の平和のために。

───────────────────

《くそッ!こんな時に昔のこと思い出すなんてどうかしてるな俺》


ふっとアクセルの過去が頭を過ぎった。

その事に自らを戒めて、今この場に意識を集中させる。

アクセルはたちはだかる4人のことを知っているのだ。

夢の実現のための一課題である『魔王軍幹部の討伐』。そのうちの1人、ジャック・シャークを討ち取ったことを。

だから、自分から勝負を挑んだことなど無かったアクセルがレグルスたちに勝負を挑んだ。

勝負を挑んだ理由など、もう言い飽きた。


全てはあの子との約束のために。

全てはあの日の自分に対する贖罪しょくざいのために。

全ては夢のために。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ