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レグルスの優しさ

【お知らせ】

2月14日『バレンタイン』に特別番外編を投稿します。

是非ご覧ください

「すいません。なんか湿っぽい話になって。」


アルケナは少し申し訳なさそうにレグルスたちに浅く頭を下げる。

レグルスたちは真剣な眼差しで、真剣に聞く耳を立てて話を聞いていた。「いや…」とレグルスは顎に手を当てながらそう言葉をこぼし、


「お前はお前のなりたい自分になればいいんじゃん。個性を大事にしてさ。」


『個性』。今まで自分の個性を大事にしてきたことがあるだろうか。少なくともレグルスには無かった。今まで何となく学校に行って、何となく人間関係を築いて、何となく生きてきた。亜人ミラたちに出会ってからは少しは個性を大事にしてきたかもしれない。しかし、目の前の彼女、アルケナ・エリダヌスには到底及ばない。


「俺はまだ生まれて16年しか経ってねぇし個性もなにもわからねぇ。だから個性を大事にしてるお前はすげぇよ。」


と、レグルスは率直な感想を口にした。この娘はすごいと心の底から思った。こんな小さい娘の心の中には大きな覚悟と、大きな夢が詰まっているとレグルスは、いやこの場にいたミラや、凜、カンナもそう思った。古い習慣に囚われて、新たな時代を作り出そうとする者達を蹴落とす一部の亜人。

ミラや凜、カンナはその被害にあっているためアルケナの意見には深く共感できるのかもしれない。


「僕の意見を肯定してくれるんですか?」


「当たり前だ。お前はお前の人生みちを歩けばいい。」


アルケナは初めて自分の意見に肯定してくれる人がいて、嬉しさを表情に表さずにはいられない様子だ。それと同時に、自分の意見を否定され続けた日々を耐えてきた苦痛から一気に解放された。アルケナはその場に崩れ落ち、彼女の頬にはたくさんの感情が詰まった雫が伝っていた。

───────────────────

「すいません。お見苦しい所をお見せして。」


「いいのよ。私たちだってレグルスに救われてきたからあなたの気持ちはよくわかるわ。」


未だに涙が止まらないアルケナに凜が手を差し伸べ立ち上がらせる。ここにいるミラや凜、カンナもアルケナと同じように自分の意見を否定され続けた日々からレグルスに解放してもらった。そのおかげで今もこうして自分の夢を叶えるために一生懸命生きている。だから、


「あなたもあなたの夢を叶えるために自分の意見を強く持ってね。いつか必ず悠貴みたいなあなたの意見をわかってくれる人が現れるから。」


と、凜はそう優しくアルケナに言い聞かせた。しかし、その言葉は優しさだけではなく、「決して夢を諦めるな」という厳しさも含まれたものだった。

アルケナは凜の言葉を深く心に刻んで目を閉じて、深呼吸をし、目を見開いた。

その双眸にはアルケナの強い意思が込められている気がした。

そして、アルケナはレグルスたちを背に一歩一歩強く歩き始めた。が、「あっ。」と何かを思い出したかの様な声を出し、レグルスたちの方を向き、


「そういえば、まだお名前を聞いていませんでしたね?」


「そう言われてみればそうだな。俺の名前はレグルス・カノープス。傍観軍の描人族だ。」


「私の名前はミラ・シリウス。魔王軍のサキュバス族。」


「私の名前は奥山 凜。聖龍軍のエルフ族。」


「私はカンナ・カムイ。聖龍軍の竜人族。」


「しっかり覚えておきました。なにからなにまでありがとうございました。あなたたちは私の命の恩人です。私はこの人間界に来た目的を果たすために港の方へ行ってきます。」


そう言い残してアルケナ・エリダヌスは元気よく走っていった。


───────────────────

「お前の本名はアークト・ウルスだろ。何で名乗らなかったんだ?」


「アークトって姓はあっちの世界じゃ偉大な名前なの。あの娘との関係が変になってもめんどくさいから凜を名乗っただけ。」


「もう会わないかもしれないのに?」


「私、あの娘とまた会う気がするの。根拠はないけどね。」

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