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「僕」

「えっ、お前今なんて?」


「いや、だから私は女ですし既に20歳を超えているので坊主ではないと。」


「ええぇぇぇぇぇ!!!?お前男じゃねぇの!?」


目の前の聖騎士さん、名をアルケナと言ったか。アルケナの発言に困惑するレグルスたち。レグルスの目の前に座っているのは身長が130cmぐらいの年齢でいうと7~8歳ぐらいの男の子にしか見えないのだが。でも亜人と出会ってからの数ヶ月の経験としてこの見た目で年齢が20歳というのはいくらか信じることが出来る。現に、ミラやカンナも年齢だけを見れば既に40歳を超えているのだ。が、この少年が女の子というのはまだ疑い深い。


「確かにケフェウス聖騎士団には女性もいるけど…。」


「よし、お前脱げ。脱いで見せてみろ。」


レグルスの問題発言に一瞬理解するのにタイムラグが発生し、その言葉を整理したアルケナは顔を赤くして、


「ばっ、バカじゃないですか!?初対面の女性に公の場で服を脱げなんて!!非常識にも程がありますよぉ!?///」


「確かにそうね。」


「悠貴の変態。」


「発情期。」


「すみません…。」


みんなに批評されながら自分の言った問題発言に反省し、その場で縮こまる。

あの恥じらい様といい、ここまで頑なに「女性だ」と言い張っているんだもしかしたら本当にこの少年は…


「あの~お客様ぁ」


レグルスたちの鼓膜をそんな言葉が刺激した。何事かと声が放たれた方に目を向ける。そこには笑顔を浮かべた店員さんがいた。しかしその笑顔には喜びなどといった意味は無く、憤りや怒りを意味する笑顔である。


「周りのお客様のご迷惑になるので静かにして頂けませんか?」


「はっ、はい。すみません…。」


レグルスは深く一礼して謝罪したのち、お会計を済ませてそそくさと店を後にした。

───────────────────

「お前本当に女の子なんだな。」


「だからさっきから言ってるじゃないですか。僕は女だって。」


「じゃあなんで一人称に『僕』なんて使ってるんだ?」


そうなのだ。アルケナはさっきから自分のことを『僕』と言っている。元々そういう種族なのか?それともケフェウス聖騎士団ってみんなこうなのか?それともやはり男なのか。


「やっぱり変ですか?」


レグルスが軽い気持ちで聞いたのだが、アルケナは暗い顔をしてそう答えた。


「いや、変ではないけど。ごめん無神経だったかな?」


「いえ、そんな。これは私の意思で言っているんです。」


そういうと、アルケナは自分の一人称に『僕』と名乗った理由を話してくれた。

───────────────────

「私、ケフェウス聖騎士団の人たちが嫌いなんです。所属している本人が言うのもなんですが、でも彼らのことが嫌いなんです。私の母は個性を大切にする人でした。一人ひとりが違う十人十色なんです。それぞれの個性を活かして生きて行かなければいけないと母は僕にいつもそう言っていました。ケフェウス聖騎士団はみんな団長に全てを捧げるのです。無駄なもので捧げる気持ちを削がないように、自分の個性や感情なども全て抑えるんです。そしてみんなが礼儀正しくするために一人称に『私』を使い、団長の命令に従順に従い団体行動をします。だから僕は彼らが嫌いなんです。個性がない、生きているのにまるでロボットの様な彼らが嫌いなんです。自分も彼らと同じようなロボットにならないように、単独行動をするようになったんです。一人称に『僕』を使うようになったんです。」

───────────────────

と、複雑な感情を顔に出して一人称に『僕』を使うようになった経緯を話してくれた。

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