いつもと違う朝
朝の日の光がレグルスの部屋のカーテンの隙間から差し込み、朝が来たことを告げる。ホムラの1件から数週間と数日。季節はすっかり冬になり、辺りは冷たい空気が澄み渡っている。目覚めたレグルスはふといつの日常と違うことに気づいた。現在の時刻は9時過ぎ。いつもなら日課である散歩に出かける時間だ。普段は毎朝8時にミラが起こしに来てくれる。それでも起きない場合は凛やカンナが魔法を使って強引に起こしに来るのだが、今朝のレグルスの部屋にはそんな形跡はない。つまり、今朝レグルスは起こされていないのだ。と、脳を覚醒に近づけながらレグルスは推測する。その証拠に、毎朝ミラがレグルスを起こす際に部屋のカーテンを開けてくれるのだ。しかし今朝はカーテンが閉まっている。
「やはり、俺の推理は正しかったようだな」
と、レグルスが一言。
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とりあえず寝室を後にしたレグルスは廊下に出た瞬間、今朝が一段と寒いことに気づく。
「うぅぅぅ…。寒ぃ…。最近寒いと思ってたが今日は特に寒いなぁ…。」
吐く息が白いのがはっきりと分かるほど寒く、身に染みるような寒さに文句を言いながら廊下を歩く。
みんなの寝室は2階にあり、リビングに行くにはこの階段を降りなければいけない。
しかし、この寒さによって冷やされた階段というのは、
「ひゃっん!?冷てぇ。」
一段降りただけで極寒であることがわかる。今朝の寒さと、階段の冷たさに悶えながら、いつもの倍ほどの時間をかけて階段を降りなんとか1階にたどり着いた。
すると、リビングのドアが開いて、
「あっ、悠貴ごめん起こすの忘れてた。おはよう。」
「起こすの忘れてたって1時間も遅れてるけど何かあったのか?おはよう。」
とりあえず暖房の効いたリビングに入る。
凛とカンナも「おはよう」と言って、すぐにテレビの方に体を向ける。
「昨日都会の方で殺人事件があったらしいの。ニュースに夢中になるあまり悠貴を起こすの忘れてた。」
「殺人事件?どんな?」
朝の新聞の一面を占め、朝のニュース番組もこの話題で持ち切り。
そんな大きな事件について知ろうと、疑問を投げかけたが、
「それがテレビで放送出来ないぐらいに惨殺されてたんだって。警察でも事件を調査してる人と上層部の人しか詳しいことを知らないらしいの。」
と、凛がレグルスに事件のことについて説明する。するとミラが重ねて、
「ある記事によると、原型を留めていない程に殺されたって記載されていた。」
と、補足説明。
詳しいことはわからないが、とにかくやばいということだけは誰でもわかる。
しかも、この事件がレグルスたちが住んでいる所の近くで起こっているのだ。レグルスは警戒心を強めて、もしも事件に巻き込まれることがあっても彼女たちだけは守ってみせると、そう決意した。




