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迷惑だなんて思ってないから

『マナ欠乏症』

それは体内のマナが短時間で激減することによって起こる。主に魔法などを使用する際に、マナを大量に使うと発症しやすい。幼い頃からマナを使っている人はマナの排出量をコントロールできるため発症しにくいが、初めて魔法を使う人などはマナ欠乏症を発症しやすい。

現に今レグルスの体に力が入らないのはまさにマナ欠乏症を発症しているからである。しかもレグルスの場合、高等魔法である『超火焔(ギガフレイム)』を使ったため、重度のマナ欠乏症を発症している。


「でも…俺は…お前らを…助ける…ために……。」


「確かにその気持ちはうれしいけど、今はダメ。安静にしないと、マナ滅亡症で死んでしまうかもしれないから。」


「マナ滅亡症…?」


過度のマナ欠乏症のことを『マナ滅亡症』という。マナ滅亡症とは体内のマナが、つまり体力が完全に消滅することのこと。それは『生』としてこの世に存在する資格を失う。すなわち『死』を意味する。

今はまだ発症していないレグルスだが、無理して動こうとするとかえって悪化。最悪の場合マナ滅亡症を発症し、死んでしまう可能性もあるのだ。

女神ペルセウスも「無理をするな」と言っていたが、このことを心配してのことだ。

レグルスとしてもこんなことで死んでしまっては転生してきた意味がなくなる。が、ここで安静にしていてミラや凛、カンナに迷惑をかけてしまうのも、レグルスの決意に反することになる。


「ごめんな…。転生してきたのに…まだ迷惑をかけちまって…。こんなつもりじゃなかったんだけどな…。結局俺は……」


「迷惑なんて、思ってないわ。」


レグルスの言葉を断ち切り、ミラがそう言った。ジャックに対抗している凛とカンナも一瞬こちらを向き、頷いた。


「今更迷惑なんて思わないわ。迷惑だって思っているなら今頃こんな所でこんなことやっていないもの。」


ミラが続ける。


「転生してまで私たちの夢を叶えさせようとしてくれる。それだけでうれしいから。誰にも許してもらえなかった私の夢を初めて応援してくれた。私は悠貴の言動を全て肯定するわ。もちろん他のみんなもね。」


ミラたちの夢を叶えさせる。そのために彼女たちを守る。そのためにレグルスは転生してきた。けど、結局守ってもらっていたのは、支えてもらっていたのはレグルスの方だった。

自分の無力さに、自分の愚かさに、自分の弱さに、自分の脆さに呆れた。

そんな自分のことを信じてくれている仲間がいる。そのことを再確認した。

それと同時にレグルス自身が1番彼女たちのことを信じていなかったことを再確認した。


「だから、全部1人で解決しようとしないで。もっと私たちを頼って。別に持ちつ持たれつの関係でもいいじゃない。それでうまくいくんだったらそんな関係でも。」


「そう…だな…。もっとお前らを頼るべきだった。」


「だから今は私たちに任せて!」


今のレグルスがどう足掻こうと何の役にも立たない。だからミラたちに頼るのが1番の突破口だろう。正直、力を手に入れてもその力を活かすことができないのなら力が無いのと変わらないのだ。それに、ミラや凛、カンナの方が圧倒的にレグルスよりも強いはず。また彼女たちに助けてもらうことになるが、


「わかった。任せるよ。俺はちょっと休んどく。」


「うん。そうして。また死なれても困るからね。」

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