海の覇者、聖龍軍の裏切り者、魔王軍の英雄
突如現れ、『ジャック・シャーク』と名乗ったこの魚人。一体何者なのか。見た感じ悪そうな感じしかしないが。
「悠貴気をつけて!やつは危険よ!」
ミラがそう言った。となるとこいつは敵。しかもヤバイやつ。
「やつは海の覇者にして聖龍軍の裏切り者、魔王軍の英雄と言われている魚人なの。」
凛がそう言った。つまりは魔王軍のとてつもなく強い魚人ってことだな。ヤバイやつだな。
「やつは魔王軍幹部No,4なの。」
カンナがそう言った。魔王軍幹部ねぇ。これは相当ヤバイやつだな。
凛に聞くところによると、ジャックは海に住む邪悪な魚『狂魚』を1人で殲滅したことで海の覇者と呼ばれるようになった。
魔王軍の亜人である魚人族のジャックだが、その昔聖龍軍として聖龍軍大将の青龍に仕えていた。が、ある日ジャックは青龍の主戦力とも言える腕を1つ切り落とした。そのことから聖龍軍の裏切り者と、それと同時に魔王軍では魔王軍の英雄とそう呼ばれるようになった。
「要するにややこしいやつってことだな。」
「まぁ間違ってはないけど。」
「誰がややこしいやつや。お前ら全員がまとめてかかってきても勝てるぐらいの力はあるわ!」
さすが魔王軍幹部だ。力には絶対の自信があるらしい。ふと思ったがこいつも関西弁だ。魚人ってそういうもんなのか?
「で?何しに来たんだ?」
「なにが何しに来たんだや!!白々しい!!俺の部下がお前らに殺された!!その仇討ちに来ただけや!!」
「はぁ?俺らはそんなことやってねぇよ!?なんなら俺が魚人たちに殺されたんだ!!人違いも大概にしろ!!」
レグルスたちにそんなことした覚えはない。悠貴が死んでレグルスとして転生するまでの間にミラたちが殺ったとも思えない。現に今魚人を探して決着をつけようとしているところだ。ミラたちが殺ったというのは選択肢からなくなる。となると、他の誰かが殺った魚人がこいつの部下というわけだ。まぁしかし今会った人のことをこの魚人が信じてくれるはずもなく。
「そんな嘘は通用せぇへんで。お前死んだって言ったけど生きとるやないか。」
「死んで転生したんだよ!って言っても信じてくれねぇよな。」
瞬間、ジャックが飛びかかってきた。しかしそれがゆっくりに見える。それ程遅くはないがまだ避けられるほどのスピードに感じる。これも転生して得た力なのだろうか。
軽々とジャックの攻撃を躱し、ジャックの右頬に鋭い鉄拳をお見舞いする。
「痛ってぇ!!」
しかし声をあげたのはレグルスの方だった。ジャックの肌は鉄のように硬く、転生したとはいえレグルスの拳を砕いた。
「乱槍」
カンナが魔法で作り出した無数の雷の槍はジャックに向かってものすごいスピードで放たれるも、
「水術拳法!『水弾』」
その瞬間ジャックの周りに幾つもの水の弾が出現し、放たれる。それによりカンナの雷の槍は弾かれ、おまけに水の弾が1発カンナの肩に直撃した。
カンナの肩からは血が吹き溢れ、地面に鮮血をばらまいた。




