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鬼の愛し歌   作者: 雪国竜
第2章 覚醒
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ひょん所で再び会う

 石段を上がり、鳥居を越えると大きな社が目に入った。

「でっかい、社だな~、こんなに大きい社は初めて見たぜ」

「地元では有名な神社ですもの。これくらいの大きさがあっても不思議じゃないわ」

 そう言って、小松の婆さんは持ってきたぺっとぼとるを持った。

「わたしはこれから水を貰いに行きますから、あなたは好きにしていてくださいね」

「俺も手伝うか?」

「いえいえ、ここまで持って来てくれた上に、帰りも持ってくれるのですから貰うくらいは、わたしがしますから」

「そうか、ならいいが」

「申し訳ないけど、すこし待っていてくださいね」

「おう、すこし、この神社の中を適当に歩いて時間を潰すわ」

 婆さんが社務所に向かった。俺は社の中を適当に歩き回った。

 神社の中を歩き回って、何か面白いものはないかと探した。

 すると、なかなかお目に掛かれないものが見つけた。

 屋根がを四本の柱で支えて、四方の壁が取り払われている。

「これは、初めて見る建物だな・・・・・・」

 何をする為の建物なのか気になった。

「ここは神楽殿と言って、神楽を奉納する為の場所です」

 後ろから声が聞こえたので、振り向くと先程助けた巫女服の女が居た。

「お前、さっきの」

「先程はありがとうございました」

「確か、紅葉とか言ってたな」

「はい、そうです」

「ここの巫女か?」

「ええ、母がここの神主をしていまして、わたしも母の手伝いをしています」

「そうか」

「十河さんは、何故ここにいるのですか?」

「ちょっとした縁でな、そう言えば、あの二人は如何した?」

「華怜達の事ですか? 二人でしたら、もう少ししたらここに来ますよ」

「はぁ? 何でだ?」

「今日は遊ぶ約束をしているのです」

「あんな騒ぎがあって、よく遊べるな」

「違いますよ、あんな騒ぎがあったから、その鬱憤を晴らすために遊ぶのですよ」

「そうか。そう言えばあの後どうなった?」

「ちょっかい掛けた人達が警察官に連れられて、わたし達は事情を説明したら、直ぐに解放されました」

「なら、良い」

 俺が黙ると、紅葉は何も言わず俺を見る。

(なんか、楓と話していると、こんな事が良くあったな)

 竜胆に会いに行って、本人に会えず、仕方がなく楓に会って暇つぶしにの相手をしてもらった。

 楓からしたら、竜胆の代わりに相手をしてもらっているのに、嫌な顔一つせず相手をしてくれた。

 相手をしてもらって悪いなと言うと、楓はいつもこう言った。

『気にしないで下さい。わたしも覇吐鬼様の相手をするのは楽しいですから』

 笑顔で言うので、思わず頭を撫でてしまう。

 何で、楓は俺の相手をするのが楽しいのだろうなと、竜胆に訊ねた事があった。

『わたしが知る訳なかろう。この女たらしがっ‼」

 何故か怒られた。

 

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