2. 一次試験はグループ試験のようです
もう一話連投します。ストックとか存在しないので不定期なのはご勘弁をm(_ _)m
あの後、同じように女性で組もうとしていた人たちと組もうとした私だったが、考えてみて欲しい。これから転生をかけたテスト。倍率125倍。こんな状況で見知らぬただの女子高生と組んでくれる人などいるだろうか?
結論!組んでくれるわけありませんでしたはい!結局組めた人たちはおっとりしたアラブっぽい女の人と、やたらとテンションの高い見ててちょっとこれ大丈夫かと心配になるような一つ年下の日本人の女の子と、小学生ぐらいのヨーロッパ系の女の子。まあそんな性格悪そうな人もいないし平和かな…?とりあえず私でも分かったのはこのメンバーは明らかに周りから浮いてるっていうか正直周りの人たちが怖かった。自分を売り込む人も、残りのメンバーを募集する人も剣幕がすごいんだけど。私のような一般ピーポォーは近寄ることさえできませんでした。ハイ。
まあそんなわけであっさりと集団からはじき飛ばされた私は同じような境遇の人に声かけて行った結果こうなったんだけど、地味にこの面子濃いよ…!みんな我が道を生きているというかとりあえずまともな自己紹介すら間に合わなかった…言葉が通じるからってコミュニケーションが取れるわけじゃ無いんだね!
そんな感じでどうにか集団行動が取れるようにと四苦八苦してたんだけど、どうやら他の人たちも組み終わったみたいで、
『みなさん組み終わったみたいなので送りますね〜good luck!』
何て声とともに、あっさりと第一試験の会場とやらに転送されてしまった…というか転送なんてよくわからんことを受け入れ始めてる自分が嫌だな…
『はい、起きてくださいねーチーム場違いの皆さん!』
「何そのチーム名⁉︎」
寝てたっていうか意識飛んでたっていうかなんか動けない感じだったけどあんまりなチーム名なおかげでいろいろ吹っ飛んだよ!というか誰が決めたのそれ⁉︎
『識別を楽にするために私が勝手に決めました』
あんたか!というか神様にすら場違いって思われてたのか私たち…
「っていうかここどこ?」
控えめに言っても森っていうか、どっちかっていうとー
『富士山麓に広がる樹海ですよ〜』
「あ、やっぱり?」
まるで昔テレビで見た樹海みたいって思ったけどまさか日本だとは…
『皆さんひとりひとりに私が一人付いてるので気になったことがあったらそれぞれドンドン聞いちゃってくださいね!』
言われて周りを見たら誰もお互いを見てないし終いには一人はもうどっか行こうとしてるし!
『早く引き止めたほうがいいんじゃ無いですかー?ここはー』
「わかってるよ!ねえちょっと待って!何処へ行こ「ガサッ」うとしてるの?」
とりあえずどっか行こうとする人を止めようとしたら何か物音が聞こえて、ほとんど同時に神様の声が耳に飛び込んできて
『貴方の思ってるような森じゃ無いんですから』
「なんか聞こえるので取り敢えず行ってみるつボッ」
振り向いた一つ下の子が何かに首に噛み付かれて引き倒された。
「え」
ちょっと待ってまだ来たばっかで 首はあらぬ方へ曲がっていて まだ試験の内容すら聞いてなくて 噛まれてる場所からプシュッ、プシュッと噴水のよう そもそも命の危険があるなんて思ってなくて まっかなちがふきだして まだなにもしてないのにこんなにあっさり死
『だから言ったのに、ここは貴方が生きていた時よりざっと150年ほど前。そりゃあ野犬ぐらいいますよ』
もっとも、あれらは少し特殊ですけど。なんていってるかみさまのこえにかさなるようにまわりからもひめいがきこえてみなくてもなにがおきたのかはよくわかってでもわたしはからだがぜんぜんうごかなくて
グチュ、ザリッガリッブチブチブチッ
他の人たちに噛み付いた野犬が喉を噛みちぎるのを見ていつの間にか逃げ出していた。逃げながらぼんやりとみんな死んでしまったのだと理解し、安全だと思い込んでいた自分の間抜けさを思い知った。