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真祖の森  作者: Lika
1章 
5/53

双子の家に幽霊を配置

 探偵派遣会社の事務、橘 茜です。そんなこんなで行方不明の女の子の実家へとやってまいりました。


「結構……いい家ですね……」


その家はいわゆる高級住宅地の中に建っていて……見るからに、お金持ちっぽい……


「私もこんな家に住みたかったなー」


シアさんが呟く……いや、今城みたいな洋館に住んでるじゃないですか……


「じゃあ私先に……入ってるね……」


そういうとルイさんが壁をすり抜けて家の中に……(見えないけど) 叫び声とかしないだろうか

しばらく待ってみる。大丈夫のようだ


「じゃあ私達も……」  


ピンポーン……とインターホンを押す。


「……………」


あれ……留守かな……


「誰も居ないのかなー」


シアさんが言いながら庭の方に不法侵入……


「ぁ、ぁの……シアさん、勝手にダメですよー……」


小声で講義しながらシアさんは家族でバーベキューとか出来そうな庭から家の中を覗いている。

するとさっき入っていったルイさんが……


「女の子……一人居る……」


いきなり話しかけられてビクっとする……見えないから余計に……。



きっと紗弥ちゃんだろう……まあ、居留守か……でも仕方ないか……


「どうします? 出直しますか?」


「んー……ルイちゃんに任せて……私達はホテル行く?」


ルイさんがちょっと寂しそうな顔に……(見えないけど)


そのとき「ガチャ」と鍵が開いて……


「あの……どちらさまですか……?」


恐らく紗弥ちゃんだと思われる子供が出てきた……騒がしくしすぎただろうか……


「ぁ、えっと……漆原……紗弥ちゃん?」


恐る恐る名前を聞いてみる。コクンと頷く紗弥ちゃん


「えっと……私達、紗弥ちゃんのお父さんとお母さんに頼まれて来た……探偵派遣会社の者です……」


と、団長に作ってもらった名刺を手渡す。


「お父さんとお母さんが帰ってきたら渡して貰えるかな? 電話番号も載ってるから、あとで出来たらお電話くださいって伝えてもらえるかな……」


コクンと頷いて……ドアを全開にする紗弥ちゃ……え、なんで……


「どうぞ……」


シアさんと顔を見合わせる。いいんだろうか……子供だけの家に入っても……まあ、私達は怪しいのじゃないけど……


「おじゃましまーす……」とシアさんと二人で……ルイさんは何処かに居るだろう……たぶん……鏡ないと私見えないし……


そのまま紗弥ちゃんの部屋らしき所に……双子で一緒の部屋だったのか、色々なものが二つずつ揃っている。


何か手がかりになる物があればいいが……とアルバムを見つけて……


「これ……見てもいい?」


一応断って中を開く……アルバムの中は仲よさげな双子とその両親達が仲良く映っている……。


「こっちが紗弥……で、こっちが由良……」


と解説してくれる……が、正直分からん……ここまでソックリだと見分けが……


「紗弥ちゃんはどっちがどっちって分かるんだね~」


シアさんがニコニコしながら後ろからアルバムを眺める。


「青い髪飾りしてるのが由良で……赤い髪飾りが紗弥……」


ふむぅ……なるほど、髪飾りで判別してるのか……


アルバムのページをめくっていく、確かに服のデザインも青と赤で別れてる……ここまで分けてるってことは……おそらく父親も母親も素の状態だと見分けが付かないのか……なんか凄いな……


「ん……? でもその髪飾り今してないんだね、写真では結構いつでもしてるみたいだけど……」


紗弥ちゃんが口ごもる、もじもじしながら……


「由良が……私の髪飾りを壊して……だから私も由良のも仕返しに壊しちゃったから……由良……家出しちゃった……」


と、ポロポロ泣き出してしまう、やばい……どうしよう……


「大丈夫、大丈夫……お姉さん達が見つけてあげるから……すぐに見つけてきてあげる」


シアさんがいいながら抱っこする……でもそんな無責任な事いっても……今何一つ手かがりないんですけど……


「とりあえず……シアさん、どうしますか? ご両親にお話聞いてみないことには……」


「そうだねー……でも紗弥ちゃんいつも一人でお留守番してるの? 怖くない?」


頭を振って否定する紗弥ちゃん。


まあ……一人、今日からしばらく一緒に滞在してもらうわけだが……とルイさんが鏡に一瞬映った……なんか指さしてる……


ルイさんが指をさしてる引き出しを、そっと開けてみると……壊れた髪飾りが……。

これか、と眺める。青いのと赤いの……細かい装飾がしてある蝶の髪飾り……今はボロボロに折れてしまっているが……





そのままご両親が帰ってくるまで待とうとも思ったが、正直何時に帰ってくるか分からない為、何かあってもいいように幽霊を配置。そのまま私達はホテルへ向かう。


「ルイさん大丈夫ですよね……脅かしたりしませんよね……」


「そんなことしないよー、茜ちゃんの時だって脅かしたわけじゃないんだからー」


いや、まじで驚いたから……あの時は……


チェックインして部屋に。二人一部屋の……ダブルベット……


「まあ……私もうシアさんに抱き付いて寝ましたからね……」


「そうそう、茜ちゃんは甘えんぼなんだからー」


と、頭をつついて来る……その拍子に胸ポケットに刺していたボールペンが落ちて……


「ぁ、ボールペン……」


拾い上げる……が…………あれ、そういえば……


「あの……髪飾り壊すってどういう状況ですかね……あの二人……それが原因で喧嘩したって事は……別に殴り合ってたわけじゃないですよね……」


「ん? そりゃ、落としちゃったとかじゃない?」


落とした……たしか、紗弥ちゃんは言ってた、お互いの髪飾りを壊したと……でもあの髪飾りは見分ける為に……


「あれ……? 交換……してたのか……ん?!」


なんか……嫌な予感がする。もしかして……いや、でも……警察がそんなこと調べてるはずだし……


「どうしたのー? なんか怖い顔して……」


「ぁ、いえ……ちょっと……団長に電話で一応報告します……」


団長に電話を掛ける……


もし私の考えてる事が本当だったら……


あの双子は、今も……入れ替わっている……?






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