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召喚師(?)さんが召喚されました。  作者: 平野 笹介
第二部 生存 認識 旅立
9/106

♯08 魔物

 文目さんに補助をお願いして、[周囲広範囲敵性体感知][周囲生体探知]と[存在希薄化(隠蔽魔法みたい)]を発動して、川沿いに移動を開始した。


視界は良好、鼻も耳も、元の世界にいた頃よりずっと利くようで、やさしく流れる水の音や、動物の声。

体を撫でる夜風の香りを堪能しながら、頭の中に浮かぶ動体レーダー的な物を頼りに、進んでいく。


 どうやら、敵性感知は、自分よりも強い存在を赤、同じくらいの強さを黄、自分より弱い存在を緑と、それぞれの進行方向が分かる矢印で示してくれるらしく、矢印の大きさが体のサイズを表しているようだった。


生体探知は、生き物すべてを探知するらしく、取り敢えずは動物だけを指定してもらった。これで食べられるかもしれない動物の位置を特定しながら、敵を回避出来るという算段である。


『便利でしょ?感謝なさい!』


文目さんは、人間味が出てきてお嬢様っぽい口調になってきた。


勿論、感謝は惜しまないけどね。



 赤い矢印を避けに避けつつ、川沿いに進む。


周りは、ほとんど赤一色だけどね。


木の実や野草なんかは、目に付く端から[毒性調査]を行い、[状態転化]で作った木の皮の繊維由来の袋に詰めていく。


味はともかく、長靴いっぱい食べたいのだ。


疲労については溢れ出る野性味からか、空腹とは関係なく動けるようで、取り急ぎの目標は、移動と捕食になりそうだ。


現状、特に問題なく行動できているのは、幸先のよいスタートと言える気がする。



▼ルゴナ大森林最深部


 『どうしてこうなった!!』


矢印を避けつつ、川下に進んでいた僕の周りは、真っ赤に染まっていた。


視界的な意味ではなく、矢印的な意味で。


『[存在希薄化]が無ければ死んでたわね』


とは、文目さんの言。


実際、その通りだった。


道中、自分よりも弱い動物や魚を捕まえて([これに四編結界]が使えたのは正しく僥倖)は、文目さん協力の下[下位現象隠蔽][下位火炎発生]で、加工して食べた。


[現象隠蔽]は、たとえば焚き火の光や煙の臭いなんかを見つかりにくくする魔法で、[火炎発生]は、文字通り火を起こす魔法だ。


[現象隠蔽]で火が見えなくなった時は、慌てて文目さんに確認した。

なまじ赤外線ぽいものも見える目で、火が付いているように見えなかったのだから、仕方ないと思う。


 で、頭痛の回避に重点を置いて、自分の事を思い出しつつ、文目さんの事を聞きながら集落なんかを探して歩いていたら、いつの間にか光も届かない樹海か密林に迷い込んでいた。という訳だ



 で、目の前にいるのは大きなカメレオン。


明らかに此方を窺っているように見える。


ルゴナ・デナ・フィーグル Lv,10

HP 800/940 MP 150/250

攻撃力 300

防御力 220

素早さ  98

耐久力  59

知力   98

魔力  102


体長4~5m、体高1,3mほどの大きなカメレオンのステータスは、僕のステータスを軽く上回っていた。

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