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召喚師(?)さんが召喚されました。  作者: 平野 笹介
第二部 生存 認識 旅立
21/106

♯20 恐怖

 脇腹に一度だけ視線を落とす。

血は止まったけど、見事に赤く染まっていた。

毛皮も相まって、なんだか紫色に見えなくもない。


取り敢えずの脅威は去ったと判断して、視線を戻す。


『慌てていたとは言え、相手の観察もしなかったとか‥‥』なんて思いながら何ちゃらードさんを見て、僕は固まった。


バル・エネス・ソルザード Lv,35

[冒険者 30]

HP 53/700(+500) MP 12/290(+10)

攻撃力  350(+25)

防御力  400(+50)

素早さ  80(+15)

耐久力  350(+60) 

知力   300(+10)

魔力   290(+20)

[救い出す者]


『思ってたより強い!こわい!!』

戦って感じた強さは、カメレオンの方が上だったと思った

しかしどうやら、そうとも言い切れなさそうな強さだ。


カメレオンの経験値で、僕のレベルも上がったのかも知れない。と、納得しておく。


っていうか、数値だけみたら、普通にカメレオン並じゃないですかー、やだー。


[絶望の声]が無かったら、カメレオンとこの人だと、この人が勝つかもしれない。

あの魔法の咆哮も、対抗手段が有れば普通に戦っても勝てるかも知れないけど。


物は序でとばかりに、自分にも意識を向ける。




ジュウゾウ ミシロ Lv, 9

[式術師  40]

HP 4/2900(+500) MP `€~p/t!$,(+l%\.a)

攻撃力  511(+300)

防御力  230(+350)

素早さ  800(+750)

耐久力  150(+550) 

知力   250(+300)

魔力   210(+920)

[喚び出す者]


‥‥‥‥‥‥‥。





『思ったより強くなってる!こわい!!!』


動揺を悟られない様に立ち上がり、相手を見据えつつ、助けを求める。


『文目さん!何か能力値がおかしい事になってるんですけど!?』

『知らないわよ、そんな事より、来るわよ?』


三歩半程しか離れていなかった距離が、一呼吸で縮まる。


冒険者が剣を上段に振り上げて、迫ってきている。


先刻の強烈な一撃と比べて、明らかに鈍い斬撃を、円月で受けようとして、相手の剣身の根元辺りに刃を向け


チュイン



 間の抜た音が聞こえた。


両刃の剣が柄だけになった。


「なっ!?」

「え"‥‥」

『あ~ぁ』


居たたまれない空気が生まれた。



■■■



 一瞬でついた決着に、お互いが一瞬、言葉を失う。


決着というか、何というか‥‥‥。


『早く止め、刺しちゃいなさいよ』


文目さん、不穏すぎます。


「え‥‥と、‥‥あ!投降していただけるのなら、貴方の命は保証します。抵抗せずに、此方の言う事に従って下さい」


『ちょっと!』

「‥‥承知した。其方の要求を全てのもう」


うん、これで良い。ビバ、ラブ&ピースだ。




▼ルゴナ大森林パゼロ山南ルノロア川付近



 その場で話を始めるのもなんだったので、遭遇・戦闘地点から少し山側に移動した、綺麗な川の近くに来ていた。


「先ずは、先ほどの礼を失した発言を撤回させていただく。本当に失礼した」


座るのに程良い倒木を見つけ、お互いが向かい合うように腰を掛ける。

一本だった巨木が、何が原因かは分からないけれど、ちょうど良く平行に近い形で横たわっていて助かった。


命を奪われかねない状況だった以上、隣り合って座るとか、余り気分の良い話では無い。


『勿論、相手が地べた、僕が木の上とかってのもイヤだし』


気持ち的な話。NOったらNOだ。



 話を聞くに、どうやら悪い人では無いらしい。

事情を説明して貰ったところ、ギルドからの依頼で、森の異変に対応する為に、魔物の討伐に来たらしい。


遭遇時の言動については、服も着ていない獣人=文化圏を知らない野生の獣であり、弱肉強食。

自然の摂理を以って対応するのがこの世界の常識らしく、止むに止まれず、といった感じ。


攻撃をしてきたのも、自衛の為。という事だった。


僕は話を聞かせてもらえるなら気にしない旨を相手に伝えて、言動についての諸々は無かった事にする。


面倒臭いし。


正直、日本人の御得意スキル[話せばわかる]が発動するなら、安心感は果てしないのだ。


そんな便利スキルが有ればだけれど‥‥。


ともかく、この世界の文明レベルとか、生活様式。冒険者制度に奴隷制度やらの、異世界特有の懸案事項を、知識として得られたのは大きい。



こうして、第一村人。もとい、王国生まれ、平民育ち、貴族生活満喫中の、現冒険者、バル・エネス・ソルザードさんとの対話は、夜近くまで続いた。


僕は特に問題無かったけど、文目さんは終始不機嫌そうに

『勝てる内に殺しておいた方が良いのに‥‥』

とか、危なっかしい事を、事あるごとにつぶやいていたので、その度に宥めつつ、この世界についての知識を、僕は吸収したのだった。

第二部の終りが近づいてきました。

チート成分の一端が出てしまいました。気に入って貰えるか、戦々恐々です(汗

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