入学
あれから色々とあり今日は冒険者学校の入学式だ。
今は馬車に揺られて学校に行く途中だ。
「にしても、結構面倒だったな。手続き。
やっと終わって後は入学すればいいだけだ。」
ギルが面倒そうに言いながらため息をつく。
「貴方は何もしてないでしょうに。私が色々としたんですよ?」
マックスが困った顔をしながらギルに言うと
「俺は筆記試験とかのことを言ってんだよ。
もちろんマックスには感謝してるけどよー。
頭使うのは向いてねぇわ。」
「あー、確かクラス分けとかで筆記試験があったっけ?
僕も受けたよ。お祖父さんの研究の本とかの知識で答えたけど。」
試験の内容を思い出す。
確かモンスターの知識や、魔術などの知識。
冒険者の仕事などについてだった。
「まぁ、ほとんど一般知識でしたからね。」
「俺は狩りの知識とかしか知らないつーの。
あとお前の一般知識はずれてるからな。」
「そうでしょうか?
でも、逆に私は実技が無理でしたね、どうも体動かすのが苦手ですし。」
「実技もあったね、たしか教官と模擬戦闘だっけ?」
僕の結果は察してください。
「ん?あれ教官かよ。弱かったから先輩かと思ったぞ?」
「貴方基準に考えないでください。
貴方モンスターと戦っても一人で勝つでしょう?」
ギルは剣一本で弱いモンスターの群れと戦って勝つほどの腕前だ。
「まぁな。んで?マックスは筆記でOK俺は実技、アランは?」
「僕は平均じゃないかな。実技はボロボロだったけど。」
祖父の知識は色々な知識だけど試験では一部でしかなかった。
むしろマックスに教えてもらったほうが出たぐらいだ。
「まぁ、しゃあねーよ。お前のハンデはすげーからな。」
「『魔力』『気力』がないでしたっけ?僕らは一つしか欠けてないですが。」
そうなのだ。
二人とも『欠落者』でギルは『魔力』をマックスは『気力』がない。
「僕は戦闘では魔術も身体強化も使えないからね。
誘導トラップとか使えればいいんだけど。」
「まぁ、お前の強みはそこじゃないし、気にすんな。」
「そうですね。乱戦とかになったら私やギルじゃかなわないですね。」
「いやいや、誰と戦っても勝てないよ。」
「んなことは・・・って見えてきたな。冒険者学校だ。」
馬車の先を見てみると一つの町みたいなところにお城みたいな建物があった。
これが僕らが目指していた冒険者学校『エスペラント』だ。