プロローグ
「冒険者学校に入学して来い。」
朝一起きて父ウィル・アークライトから言われたセリフである。
あ、僕の名前はアラン・アークライト。
アークライト家の長男で生まれつきの『欠落者』である。
『欠落者』ってのは生まれつき『魔力』もしくは『気力』を欠落しているもの。
って意味みたいだ。ちなみに僕は『両方』ない。
アークライト家は先祖代々の武家。魔法も格闘も極めて国に貢献している。
でも、僕が生まれて後継ぎに困ったらしいけど、妹が生まれた。
妹は2歳下の天才だ。『魔力』も『気力』も人の2倍はあるらしい。
って今は妹の話はいいか。
冒険者学校に入るのは法で決まっている。
この世界にはモンスターがあふれている。
なので最低限の護身術などを身に着けるために冒険者学校には義務教育で入らないといけない。
ただ、『欠落者』は通わなくてもいいはずだ。本人が希望すれば。
ちなみに僕は断っている。なぜって?
「あの、父さん僕『欠落者』だし、自殺行為だよ?」
そう、欠落者は『戦闘力』が皆無に等しい。
モンスター達は基本的に『魔力』や『気力』の『身体強化』をしないと勝てない。
それが常識である。
「あぁ、わかっている。
が、毎日『森』へ行って平気なやつがついていけないとは思わない。」
「いや、あれは小さいころから行って『友達』もいるからだよ」
「だが、お前の『目的』には冒険者学校の資料などが必要だろう。
方法のヒントもあるかもわからん」
「そ、それは確かだけど、僕を行かせていいの?『アークライト』の僕を?」
「それについては心配するな。儂が認めれば他は黙る。」
「……。わかったよ。頑張るよ。」
「あぁ、春には入学だ。基本寮生活だからな。用意しておけ。」
「うん、それじゃ、今日も『森』に行ってくるよ。」
「うむ、気をつけてな。」
「うん。じゃ」
扉を開けて出て森に向かう。
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息子が出て行った扉を見つめる。
「・・・・よろしかったので?旦那様。」
そう声をかけてきたのは執事のセバス・アドルリッジだった。
代々この家に使える執事だ。
「構わん。あいつの『目的』にも必要だ。
・・・死なんよ。たとえ『魔力』がなかろうがあいつと儂の息子だ。」
机の上には家族4人の笑った写真があった。
幸せそうに。