4-ステータス
咲哉のステータスを見てみよう。
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【ステータス】
名前:サクヤ・カンバヤシ
種族:人間
種別:転生人
年齢:18才
称号:外道
ジョブ:神の使徒
セカンドジョブ:モンスターハンター
LV:1
HP:14000/14000
MP:12400/28000
STR(筋力):250
INT(知性):500
DEX(器用):100
AGI(俊敏):149
INT系スキル:世界構築(機能制限版)・モンスターイート・モンスターサモン・モンスターリリース
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咲哉が激怒した理由は『称号』だった。
「称号が外道って……。思い当たるふしとしてはポムポムだな」
咲哉は、『ポムポムって、ポムポム跳ねるからポムポムなんだろ? そのまんまじゃねえか』とおちょくったことを思い出していた。
ポムポム跳ねるからポムポムという安直なネーミングは、実はポムポム本人が物凄く気にしていることだったりする。
だからこそ咲哉にバカにされたポムポムは、『うきー! 失礼を通り越して、お前は外道だな!』と怒りをあらわにしたわけである。
仮にも神から右腕のような存在といわれているポムポムの言葉には、称号を付けるに価する力があったのだ。
「ポムポムの野郎! 今度会ったらダンクシュートをぶちかまして粉砕してやる!!」
ぶちギレる咲哉だが、いやがらせすることで今度も変な称号をつけられ兼ねないので、やめたほうがいいと思われる。
「称号はムカつくが……イライラしても仕方がない。頭を切り替えるか」
イライラした気持ちを半ば強引に切り替え、称号以外の見慣れないステータス項目に目を向ける。
「スキルのモンスターイートにモンスターサモン、モンスターリリースってのはモンスターイーターのスキルだよな」
ニュアンス的に何となくどんなスキルか想像することはできるが、説明書があるわけではない。
そこで咲哉はアナライズスコープにさらなる機能を追加することにした。
追加機能は、知りたい項目を指定することで、説明文が表示されるというものだ。
手早く機能を追加した咲哉は気になる項目の説明を見ていく。
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【神の使徒】
ジョブランク:ゴッド
神から使命を与えられた者のみが獲得できる名誉あるジョブ。
神の使徒となった者は、神から特別なスキルが授けられる。
【モンスターイーター】
ジョブランク:レジェンド
モンスターを自身の体に取り込むことのできる非常に特殊なジョブ。
取り込んだモンスターの力を吸収し、自身の力とすることができる。
また、取り込んだモンスターを自在に召還し使役することもできる。
【INT系スキル】
INTが上昇することで修得できるスキル。
INT値が大きいほどスキルの威力が増加する傾向にある。
【モンスターイート】
スキルランク:レジェンド
モンスターを体に取り込み能力をアップすることのできるスキル。
取り込んだモンスターのステータス値、最低10から最大50パーセントが自身のステータスに増加される。
ステータスの増加率はINTの大きさに左右される。
モンスターがスキルを所持していた場合は、取り込んでいる間に限りそのスキルを使用することができる。
戦意喪失、瀕死状態にあるモンスターしか取り込むことはできず、取り込むことのできるモンスターの上限は10体までである。
10体のモンスターを取り込んだ後に新たなモンスターを取り込むためには、モンスターリリースを使用し、モンスターを解放しなくてはならない。
【モンスターサモン】
スキルランク:レジェンド
モンスターイートで取り込んだモンスターを召喚するスキル。
召還されたモンスターはスキル使用者に逆らうことはできない。
召喚時間は最短1時間から最長で無期限。
召喚時間が経過したあとは自動的にスキル使用者の体へと戻り、1時間経過するまでは同じモンスターを再召還することはできない。
召喚時間はINTの大きさに左右される。
召還されたモンスターのHPが0になると自動的にスキル使用者の肉体に戻り、24時間経過するまでは同じモンスターを再召還することはできない。
【モンスターリリース】
スキルランク:レジェンド
取り込んだモンスターを解放するスキル。
モンスターを解放すると、モンスターから得ていたステータス値とスキルは消失される。
解放されたモンスターは自由になるが、解放後も従属モンスターとして従う場合もある。
従属モンスターになるかどうかは、INTの大きさに左右される。
【外道】
称号ランク:イレギュラー
神の眷属から外道といわれたことで得た不名誉な称号。
モンスターとの遭遇率が30パーセント増加される効果を持つ。
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「モンスターとの遭遇率が30パーセント増加ってなんだよ! ポムポムの野郎! とんだ置き土産をしてくれたな! くそっ!!」
外道の称号を得たのは自業自得でしかないのだが、その結果としてポムポムは咲哉から相当恨みを買ってしまったのだから可哀想な話である。
「ふぅー、もう、ポムポムのことを考えるのはやめよう……。島を散策する前に、装備品のテストもしないといけないしな」
思考を強引に装備品のテストへと転換する咲哉。
アナライズスコープを使って自ら作った装備品を解析してみようと考えていたのだ。
この後すぐに新しいレジェンドスキルを手に入れることになるのだが、咲哉はまだ知る由もない。