表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
14/26

―――銀色、届かない憎悪



―――エイジ機体

 「……殺してやる、殺してやる、殺してやるっ」

 エイジが低く重みのある声でボソボソとそう呟いていた。

 鋭く尖った目はギラリと恐ろしく光っており、顔には憤怒と憎悪が張り付いている。およそ、いつも冗談を抜かし馬鹿を言う者の顔とは思えなかった。

 次々と現れ眼中に入るPGに、なり振り構わず光線を連射しては撃破してゆく。複数体目下に現れると、ミサイル弾を撃ち込みまとめて撃破してゆく。理性のとんだ状態である今のエイジは、弾切れを恐れることなく所構わず弾を連射し続け、前へ前へと前進していった。しかしどんなに前進しても、銀色に弾が届くことはなく、目の前のPGのみが撃沈してゆく。

 「……クソッ!死ねよっ!」

 撃っても撃っても、銀の前に群がるノイズが消えなくて、苛つきばかりが募ってゆく。

 その状況に、突然悲しみが込み上げてきて、エイジは瞳に涙を浮かばせた。

 「……クソ、死ねよ、死んじゃえよ……。俺が、俺が殺してやるんだ……。母さんと、妹の仇を取って……俺が……」

 涙を零しながらもなお、エイジは弾を撃ち続け、PGを撃破してゆく。しかしその弾は、何度撃っても銀色を掠めることはなかった。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ