✿プロローグ
とある一世界、魔法が存在して科学がこれでもかというほど発展していない世界、そこでは日夜争いが繰り広げられていました。
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東の国と北の国は領土問題、南の国と西の国は食料問題、東の国と南の国は技術問題、北の国と西の国は資源問題。
仲が良いのは東西の国と南北の国だけでした。
「私たち、東の国は西の国と協定を結ぶ!!」
「我ら、南の国は北の国と協定を結ぶ!!」
東の国と南の国の宣言で、東西の国と南北の国は、小競り合いを行うことになったのです。
東の国と北の国の領土問題は西の国と南の国がお互いに土地を分け与えたので解決しました。
南の国と西の国の食料問題は、北の国と東の国に食料があったので分け与えました。
そのようにして、うまく成り立っていました。しかし、一人の魔女は言いました。
東西の国には
「南北の国が弱っている、今が攻め時だ」―――と
南北の国には
「東西の国は気が緩んでいる、攻めるなら今だ」―――と
その言葉を聞き、双方の国同氏はお互い兵力を高めました、そして、ほぼ同時期にお互いの国を攻めました。
お互いの兵士たちが途中でぶつかり、潰し合い、お互い、全滅しました。
魔女は笑いました
「これで、世界は私の物――――」
そこから、魔女の時代が始まりました。
魔女は横暴で、民をぼろぼろになるまで使い、使えなくなったら捨てました
「もう嫌だ」
誰かがそう言い放ちました
「魔女狩りだ」
誰かの呟きは伝染病のようにじわじわと人々の間に広まりました。
そして、魔女狩りが行われました。
魔女と戦い、もう戦力などなくなり、お互い疲弊した後、一人の男が、魔女の手下のふりをして魔女の首を―――――
そして、次に彼が王になり、新時代が来ました。
しかしそこでも、争いが起き、今までの二の舞にならないようにしましたが、結局人間の本質など変わらないのでしょう。
争いが起きました。
アフィ・ベン
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「……んー、面倒くさい歴史だ」
寝ころびながら呼んでいた本をパンッ!と思い切り閉じて言う、自分からしたらこんな歴史は今になるまでの積み重ねだと思うし、過去の事なんてどうでもいいと思ってる、過ぎたことだし。
争いをされるのはいい迷惑だけど、自分に被害がないならそれでもいいかな~と思っている。
起き上るのすら億劫なのでとりあえず寝ころんでおく、天井を見ればシャンデリアが見える、あれが落ちてきたらどうなるんだろうなー、と考えながらボーッとする。
誰もいない部屋なはずなのに、人の気配がした気がして、そちらに顔だけ向ける。
当然、誰もいない部屋だから誰もいるわけないのだが……
気になって仕方ない、長い間放置してあった邪魔な長い髪を弄りながら、んー、と考え込む。
「なー、誰かいたりするか?」
静かな部屋に自分の声だけが響く、その後の沈黙がなぜか嫌なものに感じて、身動ぎをする。
これほどまでに痛い奴はいただろうか、いや、いないな
ふぅ、とため息をついて目を閉じる……事は出来なかった。
自分の部屋の扉は開けっ放しになっているのだが、そこから、金髪の女性が出ていくのが見えた、しかも足が透けてる
「勘弁してくれよ………幽霊だけは勘弁してくれ」
俺はその幽霊の後をついていった