第弐幕 翼葉の楯 序章 昨日を見送る場所で
本宮から離れ、蒼琳院の街外れに着くと街をよく知っているサキミヤが朱雀まで走ってくれる馬車を探しに別行動をし、その間ノゾミとタクレイアは彼女が指定した宿を取りにいく事となった。さほど込み合っておらず宿はすぐに取れたのでサキミヤが来るのを二人は待つだけだったので宿の部屋で自由にしていた。
ノゾミは今までの事を思い出していた。蒼龍管轄区に入ってからは様々な事があったが恐らく彼女との再会が今までと違う流れに踏み込んだ、そんな気がする。確かなのはレエスとは違う考えを持っているという事だけで他は曖昧で珍しく迷っていた。
「二人とも、馬車が明日に出てくれるそうよ !」
ドアを勢いよく開けて、明るく声を発したのはサキミヤであった。
「そうか… !思ったより早く着きそうだ、急いで支度をしなければ。」
普段はあまり感情を出さないタクレイアだが、安堵した様子で次の行動を起こす。あの出来事は数時間前の事で未だに緊張が 解けないままであったが、微かな光を見つけようと二人は積極的だった。
「…留守をしてやるから行ってこい。」
相変わらず上から目線の言い方だったがノゾミの気の利いた意外な一言に驚きを隠せない。
「え、いいの?別に時間はかかる程の事じゃないし…。」
「俺は特に用事がないだけだ。」
「なら、遠慮なくそうさせて貰おう。私は文を出さねばならないしな。」
「…ノゾミがいいなら構わないけど。」
そう言って二人は部屋から出て行った。しばらくして頬杖をついて窓の外をぼんやり見ると陽は傾き始めており夕刻に近かった その薄い赤色に思考はまた悪循環を繰り返すが、人が往来する中に見知った人影がちらつく。
「あれは…。」
再度目を凝らして見たが、その影は人の流れにまぎれたのかいなくなっていた。見覚えのある姿に一瞬、動揺したのと同時に嬉しさと不安が押し寄せ影に語るように思わず言葉が漏れる。
「なぜ、こんな所にいる ?お前は…。」
今、この顔を見たら二人はなんと言うだろうか?いつも愛想がない表情が多い彼の感情のまま動いていた。隠しきれないほどに影の存在は彼にとって予想外なものだったのだが、サキミヤとタクレイアその二人が帰って来る頃にはいつもと変わらぬ無愛想なノゾミに戻っていた。
盆休みの間に少し進めれました。
クーラー壊れてたので扇風機常時運転でやってます。元よりクーラー使うより扇風機派ですので無問題。室温平均32℃・・・意外と慣れますよね、水分だけは欠かせませんが。




