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第壱幕 火傷の劔 序章 白けゆくとき

初心者ですのでつたないところがあると思いますがよろしくお願いいたします。


追記 表記の仕方が違っていたので訂正していますが、内容に変更はありません。

まだ、東の空は薄白く完全に夜が明けきれぬ頃。

人の手が付けられていないせいか昼でも暗い森に影が一つ、奥へと進む。

その手には鈍い白銀の光を鞘に納めた刀が握られていた。


ザザ…ザ…と微かに吹く風が木の葉を揺らす。


木々が人為的に切られ開けた場所で影は動きを止め、納めていた刀を抜きその澄んだ光を解き放つ。

背後に向けて一振りすれば柄に付いている飾りが遅れて同じく空を舞う。

「出てこい。」  

低めの声で影が言うと草が何かに擦れる音が段々大きくなり、木々の間からもうひとつ影が現れた。 「…。」

沈黙を保ったまま出て来た影の姿が薄明かりではあったがはっきりとする。

深い紺髪で碧眼の女…その中でも印象的なのは目で二十歳前後なのだが同年代の者に比べ何か鋭さを持っていた。 ここ最近は部族間の抗争は治まっていたはずだ。

「何… ?」  

困惑した表情で聞いてきたので何かと思ったが彼女をじっと見ていた事に気付く。

「あ、いや…何でもない。」

しばらくして彼女は自分に向けらている刀に目線を向け、

「何もしないわ…それ、しまってくれる ?」

少し躊躇したが、特に悪い感情も感じられなかったので刀はしまうことにした。

あたりを見渡したが気配も音もなくいたって静かな朝だ。

ただ、彼女との遭遇・・・いや確実に後を付けて来ていたのが気になる。

「―――…俺はお前につけられる覚えがないのだが ?」

こちらの隙は見せない様にして、「お前に」の部分を少し強調して問いかける。

「その必要があると思ったから、それだけよ。」

「…理由としては不十分だな。」

ま、自分も普段の行動がいいとは言い切れないのでそこは聞き流すことにしても、どうする ?今までの動きからして撒こうと しても追いつかれるかもしれない。

かといって尾行され続けるのも気分が悪い…この際面倒だから気絶させてしまおうか ?

「貴方、妖族について…特に赤髪の妖族について何か知っていることはないかしら ?」

俺が考えていると彼女は先ほどとは違った様子で聞いてきた。

尋ねるなら情報屋に聞けばいいものを…と思うが何よりその内容が問題だった。いつかの部族の中で妖族は異質な存在。少数ながら最大部族である龍族と対等しうる契約獣を従えている。

〈帝〉と名が付く異名で呼ばれ、薄い色素の髪を持ち、強いと有名だが実際に見たものは 他部族では無いに等しいと言う…〈噂〉だ。妖族の長である外的特徴の一つの髪の色は異名別に違うのだが 赤髪ということは…。

「妖族…なぜそんな事を聞く?」

「……。」

彼女は視線をそらし、それ以上話そうとはしない。深刻な事情があるようだが

「知らないな。」

そう答えると、短く

「…そう。ならいいわ。」

大体の返答が同じ様なもので特に残念な素振りは見せず彼女がそれ以上聞く事はなく多くの情報を探すためだろうか 足早にその場を後にした。





彼女を見送ると彼は呟いた。

「…一人で来て正解だったな。」

近くにあった木にもたれかかり、薄く色づいた空を眺めながら彼女の言葉を思い出す。

今になって妖族を探す人物が出てきた…部族間の抗争は治まったとは言えない… ?

むしろ部族内部の方か ? どちらにしても、火種は小さいうちに消した方が良い。

ようやく薄暗い森の中にも朝日が差し込み、木々の隙間からこぼれた光が彼にも当たる。

「さて、行くか。」


歩き出した彼の髪に朝日が照らされ燃える様に煌めいた。

名前一切なしって…序章ですので。

区切りがつけば人物紹介をつくります~。

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