ドレイの解放
異能者ショーカイのフネが、島のミナトにたいして着いたとき、もはや島は、カンゼンに、キリガクレとエルヒーたちの制圧下に置かれていた。
「ご苦労さまです、キリガクレさん。いちおう、ショーカイのニンゲンとはわからないように、一般のフネを借りて、ここまできたんですが。そのひつようはなさそうですね」
「ええ、もうそのひつようはありません。大っぴらにしていただいて、大丈夫ですよ」
「ワタシは、ササキといいますが、コレはなんというか、すさまじいですな。ミナトにあるフネは、すべてハカイされており、しかも、島にいるニンゲンが、勢ぞろいしている」
「かれらは、この島のなかに監禁されて、違法な強制労働をさせられ、ドレイのような状態だったヒトたちです。
そして、この島にいた、違法行為をしていたニンゲンは、全員拘束してありますので、あんしんしてください」
「そうですか。というか、チョット待ってもらってよろしいですか。アナタにたいして依頼したのは、あくまでも、島の調査だったはずですが」
「たしかに。ですが、キケンが伴うために、どうしても、戦闘行為が発生してしまいました。そして、その結果として、この違法な施設を、カイメツすることになったんですよ」
「カイメツ、ですか」
「そうです、カイメツです。ヤマのなかに施設があったんですが、もはやカンゼンにハカイされております。かつ、ヤマがくずれて、土砂のなかに埋まっています」
「すると、アナタひとりで、この施設をつぶしたんですか?」
「いえ、ワタシがどうこうした。というよりは、ワタシが潜入捜査をしているあいだに、ドレイたちの反乱がおきましてね。ソレに巻きこまれて、結果的に、この施設をつぶすカタチになりました」
「ちなみに、この施設の主犯格は、どうなりましたか?」
「死にました」
「死んだ?」
「ええ」
こういうと、キリガクレはササキを、ミナトにある広場にたいして案内した。
「アレは、なんですか?」
「この施設の主犯格のニンゲンです」
「ハリツケにされてますが、カンゼンに死んでますよね?アナタがコロシたんですか?」
「ワタシがコロシたワケじゃないですよ。反乱がおきたときに、ワタシもアイツとたたかいましたがね。反乱が成功したあとに、ドレイたちの怒りが収まらず、かれらによって、処刑されました」
「処刑ですか」
「とまあ、こういう次第なんですが。ササキさんにひとつ、おねがいがあるんですが」
「なんでしょうか?」
「見てのとおり、たくさんのドレイが、この島では、強制労働をさせられ、監禁されていました。かれらを、この島から解放すべきだとおもうんですが、どうでしょうか?」
「そりゃまあ、違法なドレイ労働がおこなわれていた以上、解放されたドレイを自由にするのは、アタリマエとはおもうんですが」
「ですよね?ですから、かれらをこの島からだすためのフネを、ショーカイで用意していただけないでしょうか?
そして、これからのかれらのじんせいが、どうなるのかは各々でしょうが。できればシゴトやせいかつの点で、援助をしていただけないでしょうか?」
「ソレはまあ、こういう事態とわかった以上、異能者ショーカイとしても、協力はしたいとおもいますよ」
「アリガトウございます。できれば、はやくドレイたちを島からだしてあげてください。長年の過酷な強制労働で、カラダのケンコウを害しているニンゲンもいます。ソレに、この場所にたいして留まっていると、イヤなこともおもいだすでしょうし」
「ソレは、ごもっともですね。わかりました、いそぎましょう。いそいでドレイたちをはこぶフネを、この島にたいして、持ってくるようにつたえます」
「それでは、ワタシが調査して手にいれた、この島でおこなわれていた悪事や、犯罪行為をしめす証拠書類を確保してありますので、ソレをお見せしますね」
こういうと、キリガクレはササキを、ミナトにあるタテモノにつれていった。




