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十代のお金入門 ~ お金持ちになる最初の一歩 ~  作者: 凪野 晴
第6章 お金を得るには?

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第20話 時給

「ねぇ、パパ。お仕事は、なんとなくわかったわ。でも、もらえるお金の金額はどうやって決まっているのかしら?」


「そうだよね。商品の値段は、原価+利益って教えてもらったけど、お仕事の価値は、どうやってお金で数えるのかな?」


 ハルも尋ねる。


「どのような仕事をして、どれくらいのお金がもらえるのかというのは……働いた時間で決めるのが一番簡単だろうね。『時給』と呼ばれるものだ。その仕事は、一時間いくらですよと決めておくんだ。アルバイトやパートの募集をしているポスターには、時給○○○○円と書かれているね」


「あ、確かに、見たことある。コンビニやスーパーのポスターだね」


 ハルは、うなずく。


「アルバイトやパートは、働いた時間とこの時給をかけ算して、もらえるお金が決まるんだ。例えば、スーパーのレジ打ちと品出しの仕事が時給千円だったとする。四時間働くと、四千円ということになる」


「じゃ、長い時間働くほど、たくさんお金がもらえるのね。わかりやすいわ」


 カノは、理解できて嬉しいようだ。目をキラキラさせている。


「逆にいうと、たくさんお金が欲しかったら、長い時間働かないといけないんだね。長い時間、誰かの役に立つことをするわけかぁ。ところで、時給はみんな同じなの? 仕事の内容によって変わるのかな?」


 ハルは、疑問を示した。


「同じ仕事でも、人によって時給が変わる場合がある。コンビニのアルバイトをはじめたばかりの学生さんと、アルバイトを数年している学生さんでは時給が異なることが多い。どうしてだと思う?」


「……うーん。同じお仕事なのに、時給がちがうの? なんでだろうー」


 カノはそう言うと、頼るようにお兄ちゃんの顔を見た。


「きっと、数年間コンビニの仕事を経験して慣れているから、失敗が少ないだろうし、段取り良くできるからじゃないかなぁ。なんというか、効率よく仕事ができる人だから、時給が高くてもってことだと思う」


 ハルは、自分の意見を述べる。


「そのとおりだね。その仕事に慣れている。つまり、仕事の内容や段取りが良くわかっていると効率よくできるだろう。失敗は少ないだろうし、誰かが失敗をしてもフォローができるだろう。それに、他の新人に仕事の内容やコツを教えてあげられる面もある。そういう人に対しては、はじめたばかりの学生さんと同じ時給では、不公平だね」


「他にも、時給が変わるってことあるの?」


 カノは、パパに尋ねる。


「働く時間帯によって変わる場合がある。ハルくんもカノちゃんも、夜は家でゆっくりして、ぐっすり眠りたいだろ? 土日は、学校が休みだから思いっきり遊びたいでしょ?」


「そりゃ、もちろん!」

「どっちの時間も、楽しみな時間だよ」


「みんなが休みたい、自由に過ごしたいと思うような時間帯は……普段よりも時給が高く設定されていることが多いんだ。例えば、深夜や日曜日とかね」


「あ、働きたいって思う人が少ないからなのね」


「だから、時給を上げて、同じ仕事の内容でも通常よりお金がもらえるようにするんだね。そうすれば、休んだり遊んだりするよりも働いてもいいかなぁと思っている人が出てきそう」


 ハルは、自分の考えを述べた。


「働く人が集まらないと、お店などはできないからね。でも、時給というのは、公平に見えるけど、ちょっとした落とし穴があるんだ」


「……落とし穴?」


 カノは、首を傾げる。ハルは、湯呑みを持っていた手が止まった。


「簡単にいうと、仕事が忙しくてもヒマでも、決められた時給でしかお金がもらえないということ。例えば、コンビニの近くで学校の運動会があったとする。普段の土曜日はそんなに混まないコンビニだけど、その日は人手が足りないくらいにぎわう。でも、時給は同じ、もらえるお金が同じ。アルバイトをする学生さんは、すごく忙しかったけれど、いつもどおりの金額なのさ」


「それって、いつもよりがんばったのに……変わらない金額ってことだよね。うわー損した気分になるね」


 ハルは、驚く。


「それとは別に、そのコンビニの近くにライバル店ができたとする。お客さんはより近いところを利用しがちだから、来店するお客さんが半分になるかもしれない。そうすると、忙しさも半分くらいになる。でも、時給は変わらない。アルバイトの学生さんは楽できて、ちょっと得かもしれない。けど、コンビニのオーナーさんは、売り上げが半分になるだろうから、大変な事態になってしまうだろう」


「そっかぁ、一時間いくらって決まっているけど、お仕事の中身まではもらえるお金に反映されないのね」


 カノは、理解したようだ。


「でも、その時々の忙しさまで判断してお給料を決めるなんて、難しいよ」


 ハルの意見を聞き、カノは首を縦に振った。


「そうだね。それに、忙しくなかったから、この時間は時給が半分になりますなんて言われたら、働きたいと思うかな?」


 パパは、二人に問いかける。


「絶対イヤだよー。だって、コンビニのこの話だと、忙しいかどうかは自分に関係ないところもあるもん。それに自分がその時間働こうと思っているのは、いくらもらえるか分かっているからってこともあるわ。後から変えられるなんてイヤだよっ!」


「そうすると、時給は決まった時間帯で決まった金額になるんだ。そこはみんなが納得できるところだろう。もちろん、仕事の経験を評価されて、個人の時給を上げてもらうことはあるわけだけどね」


「なるほどね」


「それから、時給というのは、簡単にいうと、自分の時間をお金に替えるということだ。これを覚えておいてほしい。自分の時間は無限ではない。人間、いつかは死んでしまうからね。だから、時給という単位でお金を稼いでいる限りは、手に入るお金に上限があると知っておこう。もちろん、仕事になれて、時給を上げてもらうこともあるだろうけど、それでも倍になったりはしないだろうね」


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