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十代のお金入門 ~ お金持ちになる最初の一歩 ~  作者: 凪野 晴
第6章 お金を得るには?

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第19話 仕事とは?

 休日の家族団らんの夕食が終わり、パパ、ハル、カノの三人は食べ終わったお皿をキッチンへと運ぶ。ママはこれから洗い物だ。パパは家族みんなのお茶を用意して、リビングのテーブルへと運ぶ。氷の入った麦茶よりも、温かいお茶が美味しい季節になってきた。三人は、リビングでくつろぐ。テレビをつけようとしたパパに、二人が話しかけた。


「ねぇ、パパ。またお金のお話、お願い」


 そう言って、カノは両手を顔の前で合わせて、ニコッと微笑んだ。


「パパは、毎日、会社に行ってお仕事をして、それで給料をもらってくるよね。その……『仕事をしてお金を手に入れる』ってことを、もうちょっと詳しく知りたい。ぼくらも大人になったら、働かないといけない。いままでは大人になってからの話だから、正直あまり興味がなかった。だけど、お金の話をいろいろ聞いてからは、知りたくなったんだ。仕事って何だろうって」


 ハルは、パパの顔を見ながら言ったのだった。


「わたしも。お金がないと生活するのも難しいってことは、教わったもん。パパたちはどうやってお金をもらってくるのか興味があるよ。それから、どうやったらたくさんお金がもらえるのかもね!」


 カノの目が、キラキラと光る。


「仕事のことに興味が出てきたのか。それは、とても良いことだね。今回は仕事とお金についての話をしようか」


 そう言うとパパは、お茶を一口すすった。


「うん!」


「おねがいします」


「じゃ、まずパパはサラリーマンだけど……それって、どんな人かわかるかな?」


「えーっと、会社に毎日行って、お仕事をして、お金をもらってくる人のこと」


 カノは、自分がわかっていることを答える。


「お金は毎月もらえるよね。でも、仕事って何かと聞かれたら、よくわからない」


 ハルは、素直に言った。


「そうだよね。パパは仕事が大変だって、グチを言ったりするけど……わたしたちだって勉強が大変だよって思うの」


 カノはそう言って、お兄ちゃんに同意の眼差しを向ける。


「仕事が忙しくて、パパの帰宅が遅いこともあるけれど、そんなに遅くまでがんばらないといけないのかなぁ。仕事ってよくわからないけど、大変そうだなぁって」


「まず、サラリーって言葉は、英語で『給料』って意味だね。なので、サラリーマンというのは、日本語だと会社員というのがちょうどいいかな。会社からあたえられた仕事をする。その報酬として、お金を毎月もらうのが会社員。その仕事の中身はいろいろだ」


「うーん。仕事っていろいろあるって言われても、働いたことがないわたしには、なんだか想像つかないなぁ……」


「例えば、どんな仕事があるの?」


「そうだなぁ。まず営業という役割がある。この人たちの仕事は、自分たちの会社の製品やサービスをお客様に売ることだね。買ってくれそうな人たちに、自分たちの会社が開発して、売っている商品やサービスを買ってもらうように説明するのが仕事。買ってもらうことになったら契約けいやくの手続きもするね」


 パパは、一口お茶を飲むと続けた。


「他には、何かものを作っている会社であれば、その商品を開発する人たちもいる。この人たちは、自分たちの製品をより良くしたり、今までにない商品を作り上げたりするのが仕事だ。研究開発とも呼ばれるかな。会社の中でお金の管理をする経理なんて仕事もあるね。他にも総務とか購買とか人事とかも」


「会社の中でも、いろいろな役割の人たちが働いているんだね」


 ハルは、確認するように言った。


「パパ、そもそも仕事って何なのー?」


「仕事をした結果としてお金がもらえるのだから、何かしら価値を生み出すってことだよね?」


 ハルは、お金の基本を意識して尋ねる。


「そう。『仕事というのは、社会や人に役立つ行為』のことだ。その結果として、お金を得ることができる。例えば、大工さんは家を建てるよね。家を建てることで、誰かに住むところを提供できる。住むところは生きていく上で必要だから、大工さんの仕事は人の役に立つ行為だね。だから、家を建てるという仕事の結果として、お金がもらえるんだ」


「なるほどー。人の役に立つことをして、お礼にお金がもらえるのね」


「世の中には数え切れないくらい様々な仕事がある。ものを作るにしても、身の回りにはたくさんのものがあるだろう? それらは全て誰かの仕事の結果だ。車やコンピュータの中に様々な部品がある。これなんかも、誰かが作っているわけだね。それから、ものを運ぶ仕事も大切。作ったものを、必要としている人たちに届けなくては、買ってもらえないからね」


「ねぇねぇ、例えば、社会や人の役に立たないけど、お金がもらえるなんてことはあるのかなー? 変な話かもしれないけど」


「お、それは、なかなか面白い質問だ。ハルくんはどう思う?」


「えっ……、うーん。お金は……物々交換をするためのツールだから、誰かがやってくれたこととか、作ってくれたものとかに、お金を払ってもいいよって思ってもらう必要があるよね……。あ、そっか、役に立たないとお金を払ってもらえない。お金が手に入らない。つまり、社会や人の役に立たないけど、お金がもらえるなんてことは、無いじゃないかな」


「素晴らしい。そのとおり。『人の役に立つ仕事がしたいんです』なんていう人がたまにいるけれど、それはとてもおかしい。誰かに価値を提供しないと、お金という価値はもらえないんだからね。お金は何かしら価値あるものと交換するために使うツールだということ。これは重要だね。お金が欲しかったら、代わりに何かしらの価値を提供するんだ」


「お仕事というのは、何か価値あるものを提供することなのね」


「そして、その価値が交換されることで、お金がもらえるんだ。面白いなぁ」


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