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学園の中の懲りない面々。

誤字報告ありがとうございます

さて、

リード様とヴィヴィアンナ様のご婚約が発表されてから次の週末。


お二人揃っての顔見せが行われた。


三日間ベランダで朝昼晩の三回、お手振りが行われた。

厳重な警備だ。

キリッとした警備犬もたくさんいて、

ワンワンクンクンしていた。


えらい、えらいぞ、頑張れ。

私中身おばちゃんだから頑張る犬を見ると

胸がジーンとするのよ。


私は城勤め一応王妃様のお付きなので、お城の中庭の結構いい位置でお披露目を見た。


ちょっと仰ぎ見るとバッチリ見える。

宝塚ならSS席よりのS席ってとこだ。

オペラグラス要らずである。


「あー、俺も近くで見たい。警備員でいいからさ?

役にたつとおもうぜ、ダメ??」


実家を通じてカス野郎が接触してきた。


馬鹿野郎、お前なんかあのお犬様たちの足元にも及ぶものか。

と、いうか、もう寄ってくんな。


友達でもないんだぜっ、けっ。


「ダーリンも警備大変そうねえ。」

エリーフラワー様である。

あれから付きものが落ちたように、リード王子様には見向きもしない。


この場合のダーリンはエドワード様である。

王子様を肉の壁で守りながら、

エリーフラワー様にウインクしてる。


めっちゃラブラブである。


エドワード様の視線の先のエリーフラワー様に

気がついたリード様の笑顔が引き攣っているけども、

彼女の関心はもうリード様に1ミリもない。


女性の割りきり方はすごいのだ。


結局彼女は王妃様の姪ということとになった。

王妃さまの妹夫婦のブルブォン家と縁を結んだ。

あちらには娘さんと、息子さんがいるようだ。

形だけでも、鬼畜御実家と縁切りできて、メデタシである。

(でもすぐにエドワード様と結婚して籍を抜けること前提だが。)


「ああ、疲れたわー。」


翌日お食事を久々に作ることになった。


「鯛の雑炊です。連日のお祝いの会食で、胃がお疲れかと。」

「めでたいだから? ふふふっ。定番ね。」


「ハイ、ソウデス。めで鯛だからです。」


アラで出汁をとって

さっと火を通した、

鯛の切り身とあさつきをのせて出す。


「こういうのでいいのよー、こういうので。」


「炊き合わせです、こちらもどうぞ。」


「煮物のことを炊き合わせっていうの?

あら、綺麗にお芋も面取りされていて、

ザ・和食!だわ。」


「煮物と言えば煮物ですけども、

一個一個別に炊いて、味つけも違って盛り合わせしてますよ。」 


「え!ではこの海老も人参も、しいたけも、お芋も、さやいんげんも、蓮根もごぼうも、

別々に煮てるの?!」


「あっハイ。」


「で、エビは腰が曲がるまで一緒の縁起物?」


「そうです。共白髪ってかんじですね。」


「母上はレイカ殿の料理とおしゃべりで、

半年前より随分とお元気になられたと思う。

お痩せすぎでいらして心配したが、お顔もふっくらしてこられで安心だ。

礼を言う。」


あら、王子様、ちゃんとお礼もいえるのね。


「もったいないことでございます。」


「あなたたちには雑炊と煮物では物足りないでしょ?」


「いえ、鯛の塩焼きを頂いてます。お酒がすすみます。」

「私も。」

「拙者も。」


おい。エドワードは護衛だろ。

昼間っから飲んでどうするよ。


「ワタクシも。」

「私も。」


何故か、ヴィヴィアンナ様と、エリーフラワー様もいる。


「離れていると心配で。」

「ごわす。」


「まー♡ダーリンたらっ。」


エリーフラワー様の声にぴくりとする、

麗しのリード様。

だんだん自分に危害?を加えないことを理解してきたみたいだ。


しかし、ヴィヴィアンナ様は本当に綺麗だな。

女の私から見ても

惚れ惚れするわ。

お二人でいるとビスクドールのようだ。


「婚約披露秒読みだというに、先週末まで

しつっこい男生徒がいましたね。」


「ふっ。私が後ろから現れて、

私のヴィヴィアンナに何か用か?って言ったときのことか?」

「ええ、リード様が目をこう、細めてね。

そいつを上から下から斜めから眺めまわして、ふんって言ったら、


きゃん。


って言って逃げて行きましたね。」


うわー、美形王子様容赦ねえ。

 

「ほほほ。アタクシのリードに眼力がんりきで勝とうなんて。

十四万八千光年早くてっよ。」


それどこのイスカンダル。

あと、眼力がんりき顔力がんりき

聞こえるのだが。


「セバスチャンさん。」


おや、麗人は声も涼やかだ。


「その後のことなんだけどね。

王子様とあなたが高らかな勝利の雄叫びをあげて出て行ったあと。」


雄叫び。


「その人また戻ってきてね。」


「何だとっ!!まさか無体なことを働かれたのでは

あるまいな!」


青筋を立てるリード様。



「いいえ。

ただ、あなたを幸せに出来なくてごめんなさい。

許してくださいって。」


何それ?なんでヴィヴィアンナ様が振られたみたいになってんの?


「「あア⁈ 」」


王妃様とリード様の声が揃った。


「「どこの馬鹿じゃア、ボケエ!!」」


「そしてね、「私はこれから隣の領地の

娘と愛なき結婚をしなくてはなりません。

しかし、心はいつまでも貴女のものですっ!!」


って泣きながら走って行ったの。」



キモい野郎がいるものだ。


しかし、この心に墨汁のように広がる不安は、なんだ、!?




「うわ、あああっ。」


セバスチャンが頭を抱えてる。人の顔がこんなに色を無くすのを初めてみた。


ガクガクふるえてる。

床に汗が滴り落ちて、プリティな池が出来てる。




「お、王子様は面識無かったですけどね、

そいつがカスティン・パーツ。


はい、勘違いカス野郎です。


多分、、婚約者云々って、、


レイカ嬢のことか、と。」






きっ、




きええええええええええーっ!!!!!

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