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すべて世はこともなし。

それからエリーフラワー様は昏倒された。


ごん、という何か頭をぶつけた音がした。

大丈夫かな。


「ははうえっ!今の奇声は!?

大丈夫ですか、何事ですかっ!!

ひ、ひっ!!才女どのっ!!


・・こ、怖いっ〜!!」


リード様は王妃様の危機かと駆けつけ、エリーフラワー様を見て、顔を青くしてなみだ目になって震え始めた。

忙しいことである。

彼女が怖くて逃げたけど王妃様のためなら、飛び込んでくるのである。


とてもえらいマザコンである。


震える姿も情け無くもお美しくもあるが、


「か、彼女を早く助けおこせ。

け、けいがやれ。」


泣き顔のラインハルトはアリかナシか。

ナシよりのありか。


ありの実はナシか。


エリーフラワー様は二日間意識がなかった。

動かすといけないので城内で看病された。

(私は同級生だからと付き添わされた。

特に仲良くはないのだが。)


枕元で彼女の鬼畜な両親は

やれ、王家の責任だの、賠償金だとうるさかった。


「黙らっしゃい。」


カッと目を見開いてエリーフラワー様は開口1番、ご自分のご両親に言い放った。

「な。」

「ふんっ、くだらんことを愚痴愚痴と。結局、カネかあ?カネが欲しいってかあ??」


頭を売ってキャラが変わった様だ。


「「ななななななな!」」


ジョイマンと化したご両親には目もくれず、


「王妃様。お願いがございます。」

「アッ、ハイ。」

王妃様、私の口癖が移ってますよ。


「まず、私専用の研究棟を建てていただきたい。」

「それは、もちろん。」


「それから、この家族と断絶したい。

出来れば王妃様の養子にしていただけますか。」


「えっ。そうね。前向きに検討させていただくわ。」

日本人的には玉虫色の表現だな。


「何を言うんだ!」

「そうよ、許しませんよ!!

だっ、第いち王妃様の養子になったら、

リード様と兄妹よっ!!

結婚できなくていいのっ!?」


「・・もう、それはないから。」


その時の彼女の表情程痛ましいものはなかった。

翳りゆく部屋の中で

彼女の顔になんとも言えない陰影がおちる。


「「・・。」」


王妃様もご両親も無言だ。

もちろん、私もだ。


「それから最後のお願いです。

勘違いから始まる恋でしたが、エドワード様。


私と、その、交際してみませんか??

貴方の蒼い目と、頭のターバンからちょろりとはみ出したブリーチされた後毛。

あの後毛が忘れられないのです。」


あら?エリーフラワー様の

指がのの字を書いているわ??


「アッ、ハイ。」


エドワードくん。

君も口ぐせが移ってるみたいだよ。

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