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グランディ王国物語(旧タイトル 思いこんだらの後のあと。(三作目)  作者: 雷鳥文庫


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36/44

君だけに

アンディ様がいきなり平伏した。

「お願いします!しばらくカレーヌ様を匿ってください!

お願いします。」

その顔は泣きそうだ。


こんな必死なアンちゃん。初めてみたよ。


「お願いします。」


カレーヌ様も神妙だ。


「ええ、知ってるわ。

貴女が皆から責められてることも。

貴女の失言でアラン様とアメリアナ様の結婚がなくなったから。それで隣国ギガントとギスギスしたから。

だけど微笑みの姫として慕われているから、

いろんな人から手を差し伸べるという形で

婚姻の話が出てることも。」


そこでジッと見て、


「御両親が相手を決めたこと。」


「それでいきなり家を飛び出されたので、慌てて追いかけたんです。

ここが一番見つからない。」


「そうね。私と貴女の仲が悪いことはみんな知ってる。

アラン様派のあなたが、リード様派の私のところに来るはずがないとね。」


「そこまでわかっていて、

エドワードやら、騎士達に姫を追い返すな、と言ってくれたんでしょ。」


「ふん。私は何故か警備の薄いところを気づかない振りをしただけよ。」


仕方ない。


「カレーヌ様。とりあえず私の部屋へ。」


もちろんここにも私が寝泊まりしてる部屋がある。


「悪いわね、レイカ嬢。正直言って彼女の顔は

見たくないのよ、

あー、ここに来たことも、しーらーなーい。」


アンディ様はエリーフラワー様に手をあわせた。


本当に器が違う、と呟いた。



「あの人は何もかもわかっているのね。」


「私が今回こちらに呼ばれた時、いつもより広いお部屋を用意されたんですよ。」


どこまで頭が回るのか。

次の次の手まで考える棋士とかになっても

大成したのでは。


思いだされるのは学生時代。

リード様に対する気配りというか。

アタックというか、ストーカーというか。

すべて彼女の先を読む力と観察眼である。


ある日リード様が剣の稽古で汗をおかきになる。

絶妙なタイミングでハンカチが差し出される。


「お使いくださいませ。」

「あ、ありがとう。」


また別の日。


「ふう。 今日は暑いな。何か飲むものを。」

「こちらをどうぞ。特製のドリンクですの。」

「あ、ありがとう、才女殿。

申し訳ないが毒見すみのものでないと。」


「半刻ほど前に拙者が毒見を。」


「このタイミングで喉がお乾きになる、と思いましたの。

今日のリード様の服装、教室の温度、移動距離、

排泄の有無。回数からの計算ですわ。」


16歳女子からのトイレの回数チェックをされる、17歳男子。

どんな羞恥プレイであろうか。


「さ、才女殿。」


「うふふ♡

私はいつでもリード様を見つめているのですわ。」


きあーーーっ。

うずくまるリード様。


絹を裂くような悲鳴ってこんなんだよな、

とその時思ったものである。


それはさておき。


「姫さんのお父上が決めた婚姻がさ、ちょっと

懲罰的な、そりゃ無いだろってとこなのヨ。」

「アンディ、わかってはいるの。

王家から当初持ち込まれたのが、もっとひどいとこだったって。」

「アメリアナ様も迷惑な事をしたもんだ。」

「いいえ、今ならわかる。

私が軽率だった。

あちらでヴィヴィアンナ様や王妃様をこきおろしてるのを止めなかった。

積極的に自分から悪口を言ったことはないのよ。」



「でも、同意したか、相槌を売ったんですね。」

「ええ。ヴィヴィアンナ様は綺麗なだけで、

王子様に選ばれた。

王妃様は気鬱の病で閉じこもっておられる。

ずっとそう信じていたのよ。」


微笑みの姫は微笑んでいただけだ。

それを良くも悪くも利用された。


「とりあえず、今の縁談は酷すぎるという事で、

お兄上にあたる、ジャスティン様が

王家とお父上に抗議なさっておいでなんです。その間こちらにお願いしたい。」


次の日。

「それもお約束でしょ。」

私の報告を聞きながらオカメうどんをたべている、

エリーフラワー様。

しいたけで眉、目は卵焼き、口は半月の茹で人参。

髪の毛はワカメです。

セバスチャン、ワカメ使ってるよ。


「お約束?」


「初めの縁談は王様がキツイ怒りと共に出された、

60歳上の年寄りのほぼ寝たきりの伯爵。

微笑みの姫の慈愛の心で看病してくれれば、

寿命も伸びるであろう、だもん。」


それで、カレーヌ様のお父様が泣きついて、


「王家の縁談を潰した原因のひとつは

私の娘にもありましょう、

しかしアメリアナ様も多少短慮なところがおありになるお方。


娘はうちの一門の物に嫁がせます。


なに、40程は年上ですが。

前妻の産んだ後継ぎもおりまして。

娘が子をなさなくとも、その家は続きます。」


「というのがここまででしょ。」


それで、

今→ココ  

ジャスティン様が

その者は立派な人物ですが、

その息子が良くない。

ずっとカレーヌに仮想していた。

妻があるにも、かかわらずです。

醜聞はさけるべきです。

それにその家は財政的にも苦しいというではありませんか。


って、二人に進言してるはず。」


「まもなくそこそこの。

そうね、子爵か男爵あたりの

次男あたりに嫁がされるんじゃない??

それから、王都から離された場所だと思うわね。


多分、ローレン子爵の次男か、

アンドレイ男爵の三男かな。」


その2人なら知ってる。 

2人ともアラン様派でカレーヌ様好きを

公言していた。

歳は5つくらい上で穏やかな性格だし、

みかけもそんなに悪くない。

領地はそれぞれ王国の右端と左端。

住民より家畜が多い土地柄だ。


ローレン家が羊

アンドレイ家がヤギ。


どちらもメエメエだ。


「この段階を踏むことで彼女も

世間も多分隣国も納得するし、

落とし所でしょ。


アメリアナさまはとりあえず

意に沿わぬ結婚はしないみたいだしね。」




その夜。オカメうどんをカレーヌ様に

食べさせていたら、

アンちゃんが、現れた。


「ローレン子爵の次男との縁談が決まりそうです。」

やっぱりか。


「どうしますか?」

 

アンちゃんは硬い表情と声でカレーヌ様に

質問した。


「どうって?」

「他の縁談よりは、マシだ。

だけど王都には戻ってこれませんよ。

何より顔もろくに知らない相手でしょ?」


「だって仕方ないじゃないの。

これ以上は望めないわ。


それにあんな罰みたいな縁談じゃなくて、

ちゃんとしたところだし。」


うーん、最近のカレーヌさまは毒気を抜かれたようだ。

エリーフラワー様のところへ乗り込んで、

「結婚と腹ボテは本当だったの?」って言った

傍若無人さはカケラもない。

(あれは今でも許してなくてよ。だそうだ。)


「それに、リード様でなければ誰でも同じ。

…そりゃあそこまでひどければ

問題外だけど。」


「そうですか、それなら。」

アンちゃんは緊張した声で言った。

(ずっとオネエキャラは封印だ)


「俺と逃げますか?」

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