こんぶをぎょうさん、使(つこ)てるの。
昆布はめでたく王家御用達となって、
定期的に生産されて、納められることとなった。
ダシをとった昆布を佃煮にしてる。
グツグツ。
昆布の細切りの天ぷらもつくった。
さっくり、もっちり。
何しろ昆布があると、鍋もできる。
寄せ鍋、水たき。
「あら、水たきにも出汁は必要なの?」
「確かに要らないって人もいますけどね。
ウチはつかってます。」
そして、しゃぶしゃぶ。
ごまだれとポン酢でどうぞ。
「あー、美味しい。」
「しゃぶしゃぶはブリもいけますよ。」
「豚肉も良いですよね。甘みがあって。」
王妃様たちは、お毒見の時間がかかるので、
冷やししゃぶしゃぶになってしまうのが
ツラいところだ。
「煮物もいいですよ。」
「あら、そういえばもうすぐ新年よね、
お節作ってもらえる?」
「材料の入手にもよりますけども、
出来るだけ寄せますね。」
「きゃー嬉しい!!」
そういえば、セバスチャンさんがいないな。
「セバスチャンは今実家に呼ばれているの。」
「そうですか。」
「セバスチャンと結婚する気は、ないんだよね?」
「ハイ、リード様。」
「そうか、多分男爵令嬢の君と結婚したいと言ったから、呼び出されたんだと思うが。」
「ハイ?」
「一応伯爵家だからね。」
いや、勝手に結婚するなんていうな。
でも、まあいいか。
選民思考強そうなご家庭だ。
却下されるだろう。
アンちゃんを馬番の子呼ばわりだしね。
「「それで愚兄の代わりに今日から私たちが馳せ参じました。」」
壁にそって、立っていた二人の少年が口をひらいた。
新しいお毒見役だなーと思ってたんだけど。
「トーマです。」
「トーマスです。」
「双子なんだよ。ま、研修もかねて。
妻帯したから人手も必要なんだ。」
「二人ともセバスチャンに似ているね。」
麗しのヴィヴィアンナ様が微笑むと、
「「ここ、光栄です!」」
「似てることが、嬉しいのか?」
いや、リード様それ違う。
「レイカ様のことは有名です。ご存じありませんでしたか?同じ学校だったんですよ。」
「辞めてしまわれて残念でした。」
半年しかいってなかったけど、しかもあまり行って
ない。
(ちなみに、エリーフラワー様も退学された。
結婚して妊婦ではね。
逆に教授としてのオファーがあったそうだ。)
「ウチの親が頭が固くてすみません。
こんなに王妃様や王子妃様からのご信頼もお厚くていらっしゃるのに。」
うん、リード様を外した?
「それに、お鍋美味しいです。」
「それに、なかなかご本人もお可愛らしい。
栗色の髪と緑の目。兄ともお似合いです。」
ひそひそ。
王妃様が私を手招きされた。
そして口元を扇で隠してささやかれる。
多分他からは、
この二人の感想(きっと好感触)を言ってると思われているだろう。
実際には
「ねえーん、あの子達を
マーズとマーグに改名したいんだけど。」
だからね。
ごっ、ごっ、ま、うちゅうをかーけーるー♬
一週間後。
セバスチャンさんが帰ってきた。
おや?少し日に焼けて引き締まってるぞ。
「おうちでしぼられてたのでは?」
「いえ?それよりも先々月、リード様が
海の方に行かれたと聞いて。」
あの昆布の件か。
「母の実家の領内にも海ぞいの街がありましてね、
まさかの灯台もとくらしかと。」
それで海辺を探したそうだ。
「昆布が取れれば隣のウチの領内も潤います。」
特にご実家には寄ってないそうだ。
呼びだしも知らなかったとか。
「ございました!
私も自ら連日漁に出ました!!」
「それで兄上、日焼けなさってるんですね!」
「引き締まってステキです!」
(※結局2人はマーズとマーグに改名された。)
それは、すごい。
あれ?でも時期が?
昆布はだいたい九月くらいまででは。
(リード様は10月だった。)
今は12月だ。
まあ、日本と気候もちがうしな。
ドヤァ!と出してきた。
「こちらが干したものです。」
生もございます、というのを見てみれば。
セバスチャン、これ、昆布ちがう。
ワカメや。




