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グランディ王国物語(旧タイトル 思いこんだらの後のあと。(三作目)  作者: 雷鳥文庫


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25/44

宴のあとで

華麗で美麗な結婚式とパレードが行われた。


青空の中、天気も良く絵に描いたような、

物語から抜け出したような御二方に

国民は、熱狂した。

素敵な衣装は煌めき、

飛び散る花びら、花吹雪。

(掃除が大変だ。)


私はエリーフワラー様の研究所の

ベランダから見た。

王宮の敷地内という事で

そこで馬車は少し停止してくれた。


はい、シャッターチャンスです!!

ヴィヴィアンナ様が私に目線をくれての投げキッス!

ありがとう、良いもの見せてくれて。


王国の意地と威信と

頑張るワンチャンたちの誇りをかけて無事に滞りなく行われた。



「ああー、燃え尽きたわ。」

「いきなりジョーにならないで下さいよ。」


結婚式がおわり、あらかた要人を送り出して 

王妃様はお疲れだ。


「鯖の味噌煮が食べたい。付け合わせは

大根と茄子でお願い。」

「はい。」

王子様夫妻は新婚旅行で。

エリーフラワー様はつわりで在宅。

エドワード様は付きっきりで護衛。

(これが本当の自宅警備員だ。)


ここにいるのは、

セバスチャンとジークとフリードである。


「失礼します」  


お城の侍女長が現れた。


「アメリアナ様がお目にかかりたい。」と。


そうだよなあ、普通こうやって先ぶれするよな。

「わかったわ。食事の途中だから30分くらい待ってもらって。」


「スケさん!カクさん!」

もうダイレクトに呼んでる。

「ははっ。」

「レイカを連れていって。」

「はっ。こちらに。」


「?」


「あの子は、いえ、あの子たちは面倒くさいのよ。」


「「しからばこれでドロンさせていただきます。」」


ドロン。


昭和の飲み会のオッサンみたいな事をいって、指をたてるポーズつきのスケカク。

煙幕。

あら、モノホン?と思ったら

外にいた。


それから扉を開けて、謎の通路を通った。

ついたのは離宮の一角。


「これを。」

糸電話みたいなのを耳にあてる。

「エリーフラワー様の発明です。」


おお、良く聞こえるぞ。

やはりすごいわ、あの人。


「…帰国の、ご挨拶に伺いました。」


これがアメリアナ様か。


「あら、もう少しゆっくりしていったら?

アランはちゃんと貴女のお相手はしたかしら。」 


「はい。ご親切にしていただきました。」


「それで、カレーヌさんはどうするの?

また、そちらに?」


「一度自宅へ戻ろうかと。」


「ところで、王妃様。

エリーフラワー様にお会いしたいのですが。」


「カレーヌさんから聞いてると思ったわ。

つわりがひどくて。

貴女がえーと??ちょうど698日後だっけ?

嫁いでくればいくらでも会えるから。」


あー、カレーヌ様がウチでカウントダウンまで

していたのが筒抜けかあ。


受話器を待つ手に汗がにじむ。

怖いよう。


「落ち着かれたら、お食事係も連れて

是非いらしていただきたいわ。そしたら体調管理も。」


げっ、私かよ??


「カレーヌ様とその方は大親友とか?

お二人で滞在なさって。」


大親友、違う、違う。


「レイカさんはどちらに?お部屋に行ったらいなくて。」


 部屋に行ったのか!カレーヌ様!


「アメリアナ様。

貴女がそちらの国王様に何をいい含められてるかは、わからないけども。

妊婦を動かすなんて。

エリーフラワーさんに何かあったら、大損失よ。」


損失って。まあそうか。


「御気分を害したら申し訳ありません。」



「それにね、エリーフラワーさんには

リードの子の乳母になっていただくの。」

「「ええっ。」」


私とカレーヌ様の声が揃った。


「まだ、リードも結婚したばかりだし、

不確定なことは言いたくなかったけども、

彼女から言い出したことなのよ。

勿論、研究が最優先よ。」


それは流石に大変では。

 

「ちゃんと、メインの乳母は押さえておりますゆえ。」

「時々お乳を与え下さって、

お育ちになってからはお勉強を見ていただく事になっております。」


私の顔色を見たのか

スケさん、カクさんがフォローを入れてくる。


「だからね、カレーヌさん。

もう、貴女が乳母にならなくて、いいのよ。

安心して戻ってらして。」


「…はい。」


「アメリアナ様。

生まれた国を離れて嫁ぐのは、心細いわよね。

私もそうだった。

だからね、出来るだけ私は貴女の味方でいたいのよ。」


「では。ごぎげんよう。」


二人は退出した。

どっと疲れた。





「王妃様。小さめのホットケーキの上にアンコを乗せました。

なんちゃってどら焼きです、生クリームはお好みで。」


「美味しいわ、うっうっ、美味しいわ。」


むせびなく王妃様。


「うう、日本の味だわ、甘味だわっ。」


おお、王妃様の顔色がどんどん良くなっていく。

あの後王妃様によびもどされた。


「気分転換したいの。」

だそうだ。



「本当に、露骨なのよね。

多分、リード達が人気があるから焦ってるのよ。」


ぷりぷりしながらアンコを食べる王妃様。



「アメリアナ様が?」

「と、いうよりあちらの王様よ。自分の娘が嫁ぐなら、土台を盤石にしておきたいのでしょ。」


「エリーフラワー様は

リード様派の筆頭と思われておりますから。

それをアラン様派にできれば、影響力が半端ありません。」


あれだけ好き好き言ってたからなあ。


「エドワードはリード様の側近ですしね。

少なくとも彼が寝返ることはありません。


とりあえずカレーヌ様はあちらに取り込まれた形になっております。」


セバスチャンさんが難しい顔をしている。


「これで帰ってくればいいんだけどね。

問題はアランがカレーヌさんをあちらへ紹介したことね。」


ええ?いずれ、第一王子アラン様派と

第二王子リード様派が対立することになるの?


「そうならないように、色々気をつけてるのに。

世継ぎの王子はアランで決まりよ。」



母上ラブのリード様が王妃様に逆らうことはないだろう。

それにアラン様もそこそこ、マザコンとみたね。


王妃様がお元気のうちは心配ないとは思う。



セバスチャンさんが、私を部屋の隅に連れていき、

ヒソヒソとささやいてくる。


「レイカ嬢、アンディ殿は

アラン王子派です。

ゆめゆめ、お気を許しなさいませんように。

それにアイツはロクなもんじゃありません。

卑しい馬番の子で貴族では無いんですから。

それに。あいつの血統はハニートラップ専門、、。」


だだん!!


私とセバスチャンさんの間のかべをキックしてからの、割り込む足。

デジャヴ。

どこから現れた、アンディ様。



「ふざけんじゃねえよ。

この腹黒野郎、、!!」


おや、オネエキャラ封印バージョンだ。


 …怖いんですけど。

ドロンさせていただきます、

忘れていたフレーズがこの作品を書いていると

いきなり思いだされてきました。


前々回のグンバツもです。不思議ですね。


さて、次回急展開?

お楽しみに。

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― 新着の感想 ―
三十年近く前に、出産時長女を取り上げてくださった助産師さんが、私の産後の後始末をしながら同僚の看護師さんと「後産終わったらドロンします」と、手のポーズ付きで仰ったのが忘れられません。多分雷鳥文庫様と同…
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