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グランディ王国物語(旧タイトル 思いこんだらの後のあと。(三作目)  作者: 雷鳥文庫


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3人模様の絶体絶命

誤字報告ありがとうございます

「アンタって。

アンタに寄ってくる男ってさ、

思いこみの激しい奴しかいないわけ?カス野郎とかさ。」


心底あきれたオネエ様ことアンちゃん・アンディ様。

私にはオネエ言葉なのね。


「一応言っておく。

レイカ・モルドールへの

その意にそまぬ接触は王家により排除される。


また、

リード王子の乳母になるのは間違った情報である。

彼女と婚姻を結んでも王家への出仕はありえない。

「私は!そんなつもりはありません!

第一、リード王子様に仕えるのは

私にとって役不足です!!」


あちゃーここにもいたか。

役不足の意味を間違えてる人。


「良くぞ言った!」


うわぁ。アンちゃん怒ってるぞ。


「一応聞くけどさ、アンタこいつのこと好きじゃないよね?」

「アッ、ハイ」


ほとんど知らないしなあ。


「で、結婚もしたくないよね、もちろん。」


「ハイ。」


「ヨシヨシヨシ!!

…じゃア処すかあぁぁ!!」


アンちゃんはどこからともなくナイフをだして

図書委員さんの首にピタリとつけた。

目がランランと輝いて舌なめずりしてる。


流石はお庭番という暗部だな、じゃなくて!!


「ひいいいっ、お助け…。」

「処すのは、ちょっと。」

ハッキリ片はつけてほしくても、そう言うんじゃない。


「アンタ振られたんだよ、もう行きな、

王家の手が守ってること忘れるんじゃないよ。」


くいっとアゴをしゃくって退出を促すアンちゃん。

私も何か言うべきか。


「さようなら。図書委員のお方。」


ぎょっ、と顔を見合わせるふたり。


「わ、私の名前も知らなかったんですか、、。」


ウン。だって名乗られてないし。


ガックリと、肩を落として去って行く。

図書委員の人。


図書館には私とアンディ様だけが残った。

こんな空気の中逃げだすよね。みんな。


「ケケケ。アイツも脈無しってわかったでしょ。」

「あー、あの、ありがとうございました。」

「仕事だからネ。一応まだ学園に籍のこってるし。

アラン様担当だったけど、

公務で出席日数がさ。……ダブリとか言ったら

グーでつわヨ!!」


言いません、言いません。


「初めはアンタのガードはオー・ギンのはずだったのよ。女同士だし。

だけどネ、いざ制服を着せてみたら、

無理があって。」


「年齢ですか?」


「それもある。けれどねー

なーんか、エロくなっちゃってさー。」


あー、ふーじこちゃーんみたいなボディだったからな。

「青少年にけしからん影響を与えそうというか、

忍びが、忍ばずにいるんじゃないよっていうか。」


ん?


「やだ。アタシはいいのよ、アラン様と

三年間通ってたから。堂々としたものよ。」


みんな、あー、アラン様のガードなんだな、と認識してるのだそうだ。オネエキャラもあり、

かえってみんな近づくことはなかったとか。


「ところでその、お顔の傷はあのときの。」

「そう。アンタも見てたでしょ。王妃様の

キツイお仕置き、


…でもね,嫌いじゃないかも。

こういうのも。ウフフ。」


おや?新しい扉を開いたようだ。


「でね、これを見たアラン様が憤慨なされて。


母上のなさりようはあんまりだ!!

厳重に抗議する、すまなかった!!


と、アタシを泣きながらギューっと抱きしめて下さったの。


ああーん。シ、ア、ワ、セ♡きゃっ。」


もともと扉は開いていたようだ。


「でもね。アンタのレシピを盗み見てた、

オー・ギンが作ったから揚げをアラン様が

召し上がって。」


「え?盗み見?」


「あーら、アタシだって潜んでいつも

アンタの料理食べてたのよ。

時々、数が合わなかったでしょ。ウフフ。」


「それじゃこないだ最後に残してたピザがなかったのは、、、。」


後で食べようと思ったのに。

しょぼんとしてたら、王妃様が

エドワードをめちゃくちゃ怒ったのだ。


「せ、拙者ではありもはん。」

「貴方以外に誰かいるの!そんな図体しちゃって。」

真っ赤な冤罪だったのだ。


「そう。アタシ。から揚げもアツアツのを

いただいたわ。

だから、レモンかけた方が美味しいと思ったわけ。」


「……。」


「だけどねオー・ギンのから揚げを召し上がった

アラン様は


すん、とした顔で


「今わかった。勝手にかけたお前が悪い。」と


おっしゃったのよーー!

うわああーん!!」


それで抗議はなくなったのか。


「でも、冷たいアラン様も、す、き♡」


聞こえなかったことにしよう。 

理解を超えた存在だ。

さっきから冷たいものが

つーーーーーー。と、

背中を落ちていくのを感じる。



王家に対する忠義心はとてもあるみたいだけど、

それ以外は。


「やだーん。刺しちゃったワ。」


と言って流すタイプだ。




「あとね、この傷はまあ、もう少しあとが残らないようにできるけどあえてこのままよ。


忘れないようにね、若さゆえのあやまちを。」


だからそれ止めろ。

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