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グランディ王国物語(旧タイトル 思いこんだらの後のあと。(三作目)  作者: 雷鳥文庫


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16/44

やだねったら、やだね

私がお料理を作るようになって、三ヶ月たった。

(ご成婚はあと4ヶ月後だ。)


そして私は今、五体投地というか、土下座というような格好で這いつくばっている。


さっきまでは、

「やはり、おでんは牛すじいりよね。」

「はい、それにやはりアキレスけんのところがいいんです。

透明でコラーゲン多めでぷりぷりで。

肉っぽいスジ肉もありますけど、私はこちらでやらしてもらってます。」


「あら、コラーゲンでお肌プリプリになっちゃうわ♡」


なんてきゃっきゃうふふと言ってたのだ。




すると、王妃様のお部屋の壁がカシャカシャカシャと動いて

えっ、寄木細工?これなら何回ひみつなの?

と目が釘づけになった。


で、ガチャリと開いて


「邪魔するぞ。」


金髪碧眼、ゴージャスな美形なイケオジが現れた。


こ、このかたは、もしや!



「あら、あなた。何の御用かしら。」


「父上、そんな秘密の扉をお使いにならなくても。

正面から入ってこられて下さいませ。」



…国王様でなければいいなあ、という淡い期待は

あっさりぶち切られた。



平気な顔をしてるのはこの2人のみ。

他は慌てるやら、

「わ、我が国のの、も、もっとも輝かしきお方に拝謁の…、」


どもりながらご挨拶の口上を述べたり混乱の渦に巻き込まれている。


めちゃくちゃ獣臭い牛すじ匂いのお部屋にこなくてもなあ。


 


私は口上は速攻で諦めた。

出来るだけ平伏してやり過ごそう、そうしよう。


「一同、面をあげい。」


ええー、あげるのーー。


でも、私は関係ないよね。

前方斜め下をじっとみて能面フェイスでいよう。


「そなた、ライカ・レンドオールと言ったか?」


まさかの私??

いえ、レイカ・モルドールです。。

なんて言えるかいっ!!


「ははーっ。」


「嫌ねえ。レイカ・モルドールよ。

人の名前を間違えるなんて、信じられない。」


王妃様、お願い、黙ってええええ。


王様が眉毛をへの字にして、

「そなたがこの離宮にばかり閉じこもって、全然コチラにこないではないか。

新しいお付き兼料理人が、気になっても

聞く機会がないではないか。」


「兄上や私からご報告しておりましたが。」


イヤーー!私のことを王家の話題にせんといて!!


「あの、五年前の事件から」


こほん。


「そなたは体調を崩しがちで食も進まないようであった。」


「誰のせいだと思ってますの。貴方が旅先で

あんな女を見初めて

側妃なんかにするからでしょ!!

きいーーーーーーーーーーーーーー!!」


「だからそれは100回謝ったではないか、、。」


「101回目も謝りなさいよ!!」


余計なことなどないよね、、


おなじみのフレーズを頭の中に流してこの修羅場から意識を飛ばす。


「ふふふ、、、

母上安心なさって??もうそいつとそいつの子はとっくに、、…。」


リード王子様。初めて貴方を怖いと思いました。




「で、そなたに久しぶりに会いにきたのだ。

いつもさきぶれをだしても、なんやかんやと

逃げ回るではないか。

でもまあ、顔色も良く、肉付きも良くなって来たので安心した。

半年前は本当に骨と皮ばかりであったからの。」


「確かに母上はご健勝になられました。」

「ええ、レイカ嬢とのおしゃべりとお食事でストレスが減りましたの。」


だぁかぁらぁ、こっち見ないでええ。


「勿体なきお言葉にございます。」


「それでだ。ひとつ褒美を取らそうと思う。」


「ま、貴方にしては気が効いてるじゃないの。」


「母上の機嫌をとろうとなさる、父上。

推せます。」


お願い。かまわないで。

リード様、親指立ててグッ!てやらないで。



「そなたの願いをひとつ叶えよう。」

バチン。


ウインクされたって怖いだけですう。


「おっと、願いを増やしてくれというのは

ダメだぞ。わははは。


あとは、もちろん、死んだ人を生き返らせてってのもダメ、出来る訳ないし怖いからね!


それから、

そなたに好意を持って無い人との結婚もダメだぞ。」


ジーニーなんですね、、。




腹をくくった。


「ではお願いします。」


「金かな?実家の名誉か?」




「私が、意に沿わない、結婚を、強いられないことを 保証して下さいませ。」


色々あるんだよ、色々ね。

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