あさやけ
三題噺もどき―にひゃくさんじゅうきゅう。
身体の節々がいたい。
関節に針でも刺されている気分だ。
「……」
首の後ろのあたりが、ずきりと痛む。
肩がギシと、嫌な音を立てる。
股関節のあたりは、痺れている。
「……」
ベッドの上とはいえ。
こんな姿勢で長時間いたんだから、そりゃ全身悲鳴を上げる。
「……」
背中を丸めていたせいで、背骨の一部がずっと壁に当たっている。
元々猫背のせいで、そこは常日頃、痛むのに。
冷えた壁に当たっているせいで、尚更痛む。
「……」
膝を曲げて。
腕で抱えて。
全身を丸めて。
「……」
どれくらい、こうしていたんだろう。
もしかしたら、少し眠っていたのかもしれない。
分からないけれど。
「……」
何せ。
何で、こんなになっているのかも。
あまり分かっていないし。
「……」
いや、わかっては、いるんだけど。
毎日のように、こんなになっているから。
もう。
なんで、こんな風になっているのかが。
分からなくなってきている。
「……」
私の事だから。
どうせ。
色々と悩みすぎていて。溜まりすぎていて。考えすぎていて。
しょうもないことで、こんなになっているんだろう。
「……」
あぁ。
そう気づくと。
よくない。
「……」
さっきまでは。
ただ、ぼうっとしていただけだったから。
何も考えていなかったけど。
気づいた瞬間に、思考は回り始める。
「……」
あぁ。
ああぁ。
どうしよう。
「……」
息が。
できなくなってきた。
身体が。
小さく震え始めた。
「……」
服の袖を、握っていた手に。
無意識に力が入っていく。
指先から、血の気が引いていく。
「……」
鼻の奥が、じんと痛む。
「……」
目の奥が、じくりと、熱を持ち始める。
「……」
はらはらと。
ぽつぽつと。
ぱらぱらと。
「……」
こぼれるそれは。
ジワリと太ももを濡らしていく。
「……」
あぁ。
ああぁ。
鬱陶しい。
「……」
なんでこんなにも。
上手くいかないんだろう。
なんでこんなにも。
悲しくなるんだろう。
なんでこんなにも。
息がしづらいのだろう。
なんでこんなにも。
なんで。
こんなにも。
「……」
生きづらいんだろう。
「……」
生きたくないわけじゃない。
死にたいわけじゃない。
「……」
息ができなくなるだけで。
少し苦しくなるだけで。
「……」
涙があふれてくるだけで。
言葉がこぼれてくるだけで。
「……」
「……」
「……」
「……」
「……」
ゆがむ視界の隅に。
真白な花が入り込む。
―あれは、いつだったか。
誰かにもらった、小さな百合の花だ。
「……」
朝焼けに照らされたその花は。
凛としたその美しい姿は。
お題:百合・朝焼け・ぽつぽつ