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パーティー当日

更新遅くなってしまってすみません!

パーティー当日。



 「きゃー!ルビア様とても綺麗ですっ!」「最高の仕上がりです!ルビア様の美しさにみんな圧倒されちゃいますよ!ルビア様のドレスアップのお手伝いができるなんて私はなんて幸せ者なんでしょうか」


 ドレスを着てメイクをした私を見て興奮気味にリヤが喋る。


 今日は帝国主催のパーティー当日。リヤをはじめとしたメイドたちが朝から私の身支度に熱を注いでいた。


 髪型は、「こんなに綺麗で絹のような髪は結ぶのはもったいない」と鼻息を荒くしたリヤに熱弁され下ろすことにし、花飾りを付けてもらうことになった。

 ドレスは淡く薄いピンク色がベースとなり柔らかい印象だ。また、ドレスの至る所に小さくて綺麗な装飾品が付いていて、上品な美しさを添えている。

 アクセサリーもドレスに合わせて可憐で上品なものが選ばれた。


 「そういえばルビア様、今日もその指輪付けるんですか?今回はやめておいた方がいいと思いますけど…」


 リヤは私が身に付けている指輪に気が付いてやめた方がいいと話す。


 そう、私はパーティーの時に必ず指輪を身に付けている。指輪は大切な人へ贈るものだ。だからといって必ずしも贈り贈られる相手は恋人というわけではない。でも、男性から贈られたものかもしれない指輪を付けることは、婚約者に選ばれるかもしれない今回のパーティーには相応しくないということをリヤは言いたいのだろう。

 しかし婚約者に選ばれたくない私にとっては好都合だし、それにこの指輪は他にも外せない理由がある。

 指輪は3年前の私の社交界デビューのお祝いにフィンからもらったもの。だから2年前にきたリヤは誰からもらったのか知らない。この指輪は、社交界で上手くやれるという願い、まじないとしてお守り感覚で身に付けているものだ。私の瞳と同じ青色の小さい複数のダイヤがリングに沿って埋め込まれているデザインとなっている。この指輪を見るとどんなことも大丈夫だとフィンに言われているような気がしている。

 そのため、今日もその指輪を身に付けパーティーに参加する。


 「うん、でもこの指輪は外せない。付けていきたいの。これだけは許して?お願い」


 リヤに抱き着いてねだるように問いかける。


 「もー、大好きなルビア様にそんな風に頼まれたらダメとは言えないです」


 リヤに許しをもらった私はついでにドレスで1番気になっているところを問う。


 「ねぇ、やっぱりこれ、ちょっと肌を見せすぎじゃない?恥ずかしいんだけど…」


 私が1番気になるところというのは胸元だ。花をあしらっているところは凄く綺麗だと思う……が、胸の辺りがガッと開かれていて、恥ずかしい。


 やっぱりドレスを変えてもらえないかという願いを込めて聞いてみたのだけれど…


 「何言ってるんですか!そんなの見せたうちに入りません!ルビア様は乙女の理想の体型なんですから、存分にドレスで美しさを引き立たせないといけません!皇太子殿下も悩殺確定です!ふふっ。私もこれだけは譲れませんよ?」


 それは困る。悩殺なんてしてしまったら私の夢が叶えられない。

 今度はリヤが私に譲れないと話す。リヤはドレスが好きだからなぁ。絶対に譲ってもらえなさそうだ。



 コンコン。


 リヤへの抗議を諦めたと同時に私の部屋のドアがノックされる。


 「失礼します」


 「あ、フィン!」


「ルビア様、そろそろ………っ!」


 フィンは私を見て何かを言いかけたところで突然黙った。


 「フィン…?」


 顔を横に背けて手で覆っている。指の隙間から見える頬が心なしか赤いような気がする。どうしたんだろ。風邪でも引いたのかな…。それともメイクもドレスも似合ってないとか…?それはそれでちょっと悲しい。


 「私の姿が変だった…?」


 「違いますよ、ルビア様。フィン様はルビア様の美しさに照れているんですよ!ほら!ドレスもこれでいいんです!自信を持ってください!」


 「そう…?………フィン?」


 「っ!あ…、大丈夫です。ルビア様はいつも綺麗ですけど今日は一段と美しいですよ」


 「ありがとう。…でも、あの時あなたがリヤに私の居場所教えたから、お陰で大量のドレスを試着しなきゃいけなくなっちゃったんだから」


 ジロリとフィンを見る。


 「あまりにもリヤの勢いが凄かったので。泣きつかれたんですよ。それにこんなに美しい姿が見られてよかったと思ってますよ?」


 あー、うん、リヤの勢いには負けるわ…。


 「っ…!ルビア様、それ…今回も身に付けてくれるんですか?」


 「当たり前!私のお守りみたいなものだもん」


 「それ、フィン様からのプレゼントだったんですね~。(これはやっぱりちょっと外せとは言いにくいけど男性からの贈り物だからなぁ…、でもさっき許してしまったし、それに嬉しそうなフィン様の前でやっぱり外せとは言えない…)」


 「うん。あ、そういえばフィン、さっき何か言おうとしてなかった?」


 「はい、馬車の用意ができたのでそろそろお城に向かった方がいいかと」


 「分かった」


 いよいよもうすぐね。この日まで何度も逃げ回ったり隠れたりしてその度に見つかって強制的に準備させられたけど、もうここまで来たからにはとにかく静かに目立たずにやり過ごすしかない。


(頑張れ、私っ!)


 こうして私はいざ戦場へと向かうのだった。

読んで頂きありがとうございます。

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