第7話
<第7話☆>
ーここはどこだっけ?
疲れ切った感覚が抜けないまま、うつ伏せになっている体をゆっくりと起こす。
ああ、そうだ
僕は異世界に来たんだ
それで…
視界を上げると、あるのは大きな汚れた毛。
しっかりと思い出した途端、ぞわぞわとした背筋に悪寒が走った。
手には真っ赤な血が まだ固まってはいないものの、こびりついている。
「うわあぁぁぁぁっ!」
反射的に服で手を拭く。
ゴシゴシと拭くうちに、自分の服が変わっているのに気づいた。
どうして今まで気づかなかったんだ。
服はよくあるPRGの初期の装備のような布のポロシャツとズボン、それに柔らかい革の靴を履いていた。
「なんで服が変わって…?」
オドオドと戸惑いを隠せずにいると、何処からか クスクス と笑い声に、傀の動きが固まる。
「だ、だ、誰かいるんですか?」
「あんた、なかなか無茶苦茶な戦い方するわね〜」
そこには、茶色の髪についているオレンジ色の花のピンがよく似合う、少女。否、手のひらぐらいの大きさの妖精だった。
オレンジ色の花弁のような羽が背中から生えていて、妖精か精霊だというのは一目瞭然だった。
「どちら様、ですか?」
「そうね、まずは自己紹介よね」
妖精は胸に手を当てながら続けた。
「私はティラミス・ティン・フール。みんなはティラって呼んでたわ」
ティラは、ニッと歯を見せて笑った。
それにつられるように傀の緊張も緩む。
「僕は傀です、道永傀。」
ティラは少し不思議な顔をして言った。
「あれ?あんた、さっきとちょっと雰囲気が違うわね」
「な、何がですか?」
傀は首を傾げた。