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第29話
改めて腰のナイフに手を回し構える。
確か、あの辞典で見た酸らしきものを吐く奴は…
少しもせずにまた、ガサガサとどこかから草が踏まれる。
頭の中でカバンの中身を確認し、
この場をどう切り抜けるか考える。
予備の小ナイフ、ロープ、包帯、傷薬。
いや、考えている暇などない。本能に任せて…。
傀の頭に一つのアイデアが電気が流れる様に浮かんだ。
次の瞬間、酸が傀目掛け飛んくるが数歩のバックステップでかわし、代わりにカバンから予備のナイフをナイフホルダーから引き抜き酸が飛んできた方に投げる。
「ギューァァァーー」
耳を擘くような叫び声らしき音。
そしてそれは姿を現した。
それは予想通り、体長2m程あるラットだった。
さっき投げたナイフが目に命中したのか片目から血がダラダラと垂れ流しながら、歯をギリギリ鳴らしこっちを威嚇している。
傀はラットを恐れ逃げる様に後ろに後退りし走りだす。
ただ、これをラットが逃すわけもなく追いかけた。




