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駄菓子屋から始まる異世界レベリング  作者: 八 五月 / 戯歌 飛龍
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第20話


「武器は揃えたし、早速実践ね!」


真新しい防具を身につけ、腰につけられた使い慣れた包丁よりも大きいナイフの鞘をグッと握る。

前とは違くどことなく自信に溢れ、不安なんてない。


そうして、まずはここら辺に多いと言うウサギかネズミを狩ることにした。



「っ全然捕まらないっ!」


まずウサギの影すら見えないのだ。


それもそうだろう、狩の方法すら知らない初心者にはウサギを見つけるのは至難の技だ。

それに例え、偶々ウサギが近くにいたとしても、ガサガサと音を立て、目の前の草を避けるので一所懸命な人間の視界なんかに捉えられる前に逃げるに決まっている。


加えて、元々体力のない傀が体が重たく感じられるこの世界で軽々と走り回れるわけもなく、すでに息が切れ、疲弊しきっていた。


「全然ウサギもネズミもいないわね…、一回休憩にしましょう!」


日当たりの良い木の麓に座り、一息つく。


ただ森の中を走り回るだけで終わってしまった。

やっぱり体力も足りないし、今の自分ではなし得ないことが明白になった。

うーん…、トレーニング?


「やっぱり、始めはトレーニングから始めるべきだったかな?」

「そうよねぇ、ちょっと急ぎ過ぎてたみたい…。

まずは、トレーニングをからね!

5の朝はまだ始まったばかりだからいーっぱい頑張って、BRW団を驚かせてやりましょ!」


気合いを入れるように拳をギュッと握るティラだが、傀は聞き慣れない言葉に首を傾げる。


「”5の朝”って?」

「あ、時間の概念も違うから混乱しちゃうわよね!」


この世界の時間はね、傀の世界とは時間が違うの


噛み砕いて言えば、傀の世界の1時間がこっちの世界の1朝分だし、しかも日付も違うのよ!

傀の世界が12時間を終えればこっちの世界は1~12の朝が終わるってことなの

そう計算していくと、大体 傀の世界の1年がこっちの世界の2年分になるのよ


ね、頭が痛くなっちゃうでしょ?

私もそれを教えてもらった時、びっくりしちゃったし、訳がわからなくなったわ!



「そう言う時に役立つのがこれ!」


ティラが肩から下げていたポシェットから取り出したティラの手には大き過ぎる懐中時計。



「それを使えばわかるの?」


「ええそうよ!正確にこっちの世界の月日と時間が記されているのよ!

しかもねこれ、傀の世界の時間や、日にち まで出るの!

…ただ、流石に年数までは表示されないけどね?」


手の時計を傀の目の前に差し出される。


精巧に彫られた見事な鶴の柄の蓋がパカッと開かれると、鮮やかな青が使われた まるで宇宙のようなレトロな時計だった。

それには見たこともない文字がたくさん彫られている。

パッと見るだけでわかるほど精密な機械のようだ。


時計には時間を示す針がたくさん付いていた。

ティラは順に説明していく。

「この普通の針がこっちの世界の時間ね。

そして、右斜め下のは傀の世界の日にち。

んで、左下の方は傀の世界の時間ね」



「へぇ、そうなんだね」

と、傀は納得したように頷いた。

だが、傀には細かい装飾がされている様にしか見えなかった。


「にしてもティラ、よくそんな凄いもの持ってるね。」

「んー、確か魔女から貰ったんだけど、名前なんて言ってたっけ...」


「え、覚えてないの?」

「えーとね。ちょっと昔のこと過ぎて記憶にないだけよ。」


「昔…?ティラって…」

「レ、レディーに歳を聞くなんて!…まぁ、確実に傀よりかは歳上よ」


ティラは、頬を膨らましてソッポをむいた。



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