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UMAハンターHIKARU  作者: バーニー
6/6

決戦 大蚓!! その②

これは、10年前の物語

2


「こいつは少し厄介だぜ!!」


ヒカルを抱きかかえた風鬼は、モンゴリアンデスワームから離れた地面に着地した。


振り向くと、デスワームが消えている。


「地面に潜ったか!!」


「僕が探知します!!


平泉が地面に目を向けて、能力を発動させる


平泉の能力、【眼力】は、視覚を通して、あらゆるものを解析することが出来る。射程距離は約50メートル。


つまり、地中でも難なく透視することが可能なのだ。


「地面を掘り進んでいる・・・」


逃げたのか?


いや、そんな素振りは見せていない。


我々が立つ地面の周りを、まるで魚のように旋回している。


「っ!! 来ます!! 三秒後!!」


平泉の合図で、風鬼、ヒカルは飛び退いた。


土柱が上がり、モンゴリアンデスワームが飛び出した。


口から、サッカーボール程の岩を吐き出して飛ばす。


「氷槍!!」


風鬼が右手から氷の槍を放ち、飛んでくる岩を相殺した。


「くそ、地面に潜られたら厄介だ!!」


平泉の眼力があれば、飛び出してくる位置を予測できるが、それでもタイミングが合わせにくい。


「ヒカル!! 合わせろ!!」


「う、うん!!」


ここはやはり、攻撃特化能力を有するヒカルとの連携が必要。


風鬼の能力は、万能型だ。氷を槍のようにして放つことできるし、盾として利用することも出来る。


つまり、モンゴリアンデスワームの足止めだってできるのだ。


「まずは距離を詰める!!」


風鬼は地面を蹴って、地中から顔を出すモンゴリアンデスワームに接近した。


デスワームが口から黄色の煙を吐き出す。


「風鬼さん!! 毒煙です!!」


「ちっ!!」


風鬼は煙が届くギリギリのところで立ち止まり、能力を発動させた。


「【氷牢】!!」


その瞬間、モンゴリアンデスワームの胴体が凍りつき、身動きを封じる。


(何とか射程距離に入ったな!!)


動きを封じれば、あとはこっちのものだ。


「ヒカル!!」


風鬼は毒煙を吸わないようにその場から飛び退いた。


その後ろでヒカルは、手を翳して、能力を発動していた。


「能力【電撃】!!」










バチンッ!!









ヒカルの手が眩く光り、白い雷撃が放たれた。


枝葉を広げるようにおり曲がりながら、拘束されたモンゴリアンデスワームに迫る。


「殺った!」


そう確信した時、モンゴリアンデスワームが何かを吐き出す。


黄色では無い。つまり、毒煙ではなかった。


それは、砂煙だった。


「っ!?」


ヒカルの雷撃が、モンゴリアンデスワームに届く前に、空気に溶け込むようにして消え去った。


「どうして!?」


「あいつ!! 非伝導体の砂を吐いて、ヒカルの電撃の能力を緩衝しやがった!!」


ヒカルの決定打となるはずだった一撃が防がれた。


ならば、風鬼がトドメを刺すしかない。


「くそ、【氷槍】!!」


手を翳して、氷の槍を作り出す。


その瞬間、モンゴリアンデスワームが「キイイイイイイイイ!!!」と鳴いた。


デスワームを拘束していた氷が、粉々に砕け散る。


「っ! オレの氷が!!」


デスワームの胴体がプクッと膨らむ。


そして、黄色の毒煙を、ジェット噴射の勢いで吐き散らかした。


「うわっ!!」


「きゃあっ!」


「うひゃあっ!!」


三人は毒煙に触れないように、後ずさった。


だが、辺り一面には、モンゴリアンデスワームが放った硫黄系の毒煙に覆われる。


「くそ・・・」


風鬼は制服の袖で口を覆った。


目に煙が染みて、涙が溢れた。心做しか、肌もピリピリと痛む。


モンゴリアンデスワームは、満足そうに「キイイイイイイイイ!!」と鳴いた。


ギザギザの牙が生えた口を、地面に付ける。ちょうど、キスをしているような体勢だった。


(土を吸い込んでいる!?)


首をもたげると、先程のサッカーボールサイズの二倍はある岩を吐き出した。


岩は鈍重に空気を切りながら、こちらに進んでくる。


「くそ・・・」


風鬼は目の前に氷の壁を作った。


それすらも、土から作った岩の前に、いとも簡単に粉砕された。


「っ!!」


風鬼は咄嗟に腕を交差して、防御姿勢をとった。


ゴリッとした音を立てた、風鬼に岩が直撃する。


勢いを殺しきれず、風鬼は吹き飛んだ。


「くそ、強い!!」











その③に続く

その③に続く

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