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UMAハンターHIKARU  作者: バーニー
5/6

【第3話】 決戦! 大蚓!! その①

これは10年前の物語。

1


「行くぜ! UMAハントだ!!」


地面を突き破って姿を現したモンゴリアン・デスワームを、ヒカル、風鬼、平泉が取り囲む。


これが、最近世間を騒がせている、「連続怪死事件」の犯人。


「先手必勝!!」


風鬼は右手に力を込め、能力の【氷】を発動させた。


空気中の水分が氷結して、風鬼の右手を氷漬けにする。


バキバキと乾いた音を立てて、風鬼の右手から氷の槍が浮き出した。


「【氷槍(アイスランス)】!!」


槍がロケットのような勢いで、巨大ミミズモンゴリアン・デスワームに目掛けて発射された。


モンゴリアン・デスワームは、「キュルルルル・・・」とひと鳴きすると、ギザギザに尖った口から、直径十センチ程の岩を吐き出した。


「っ!!」


岩と氷が衝突する。


砕けたのは、氷だった。


「風鬼さん! モンゴリアン・デスワームは、体内に砂を蓄積して、岩に変換する能力を持っています!」


「りょうかい!!」


つまり、投擲攻撃ができるということだ。


「ヒカル!!」


「わわわわ、わかったわよ!!」


ヒカルは、先程の風鬼と同じように、手のひらをモンゴリアン・デスワームに向けた。


「能力、発動!!」


ヒカルの両手が黄金に輝き、バチバチと閃光が弾けた。


ヒカルの能力、【雷撃】。


「はあっ!!」


ヒカルの手のひらから発せられた電撃は、空中に亀裂のような起動を描いて、モンゴリアン・デスワームに迫った。


地面から二メートル程むき出しになったデスワームの胴体に直撃する。


バチンッ!!


デスワームの体が大きく仰け反った。


「勝機!!」


風鬼が畳み掛ける。


右手に力を込め、氷の範囲を拡大させた。


「【氷剣(アイスソード)】!」


風鬼の手刀から伸びたのは、氷で作られた刃だった。


氷剣を中段に構え、隙を見せたモンゴリアン・デスワームに切り込む。


その瞬間、デスワームの口から、黄色の煙が吹き出した。


「っ!」


ビクンっ!!と風鬼の危険予知本能が作動する。


「あぶねっ!!」


直ぐに地面を蹴って、デスワームから距離を取った。


平泉が手を叩く。


「ナイスです。あれは硫黄系の毒ガスですね。あれで、人を殺していたようです」


「りょ、りょうかい」


少しずつだが、わかってきた。モンゴリアン・デスワームの攻撃パターンを。


砂を吸い込み、岩にする。


岩にした砂を吐き出す。


毒ガスを噴出させる。


(あんまり、近寄りにくいUMAか・・・)


風鬼は、半歩下がり、右手の氷剣の形状を変換させた。


「氷槍・・・」


氷は鋭く伸び、二メートルの槍に変形した。


氷の能力を使い慣れている風鬼は、凍傷になることは無い。躊躇なくその槍を掴んだ。


「さて・・・」


どうやって責めるか。


まともに攻撃しても、毒ガスを出されたら終わりだ。あれは神経に効く毒。一口吸えば、肺が麻痺して、呼吸困難に陥るのだ。


その時だ。


「風鬼さん!!」


「何っ!?」


モンゴリアン・デスワームが、一瞬で視界から消えたのだ。


「逃げた!?」


「いや、違う!!」


風鬼は感じ取った。この運動靴のソールを通して伝わる微弱な振動。


地面で、モンゴリアン・デスワームが動いている証拠だ。


(どこへ向かっている?)


風鬼は軽く地団駄を踏んだ。


感覚で捉える。モンゴリアン・デスワームの居場所を。


そして、奴が向かった先は。


「跳べ!! ヒカル!!」


ヒカルの足元。


「っ!?」


ヒカルは反射的に上へと跳んだ。


その瞬間、地面が粉砕して、モンゴリアン・デスワームが飛び出す。


「いやあああああ!!」


気持ち悪い。とにかく気持ち悪い。カウンターくらい仕掛けたらいいものを、ヒカルは悲鳴をあげるだけだった。


「ちっ!」


風鬼は直ぐに援護に回る。


「【氷槍】!!」


二メートルの氷の槍をさらに伸ばして、デスワームの筋肉質の身体を貫いた。


その瞬間、氷の槍が折れる。


「っ!!」


(なんて高密度の筋肉!!)


圧迫されただけで、粉砕した。


「クソ・・・」


風鬼は地面を蹴って跳ぶと、直ぐに空中のヒカルを回収した。


次の瞬間には、デスワームが毒ガスを吐く。


「少し厄介だぞ!!」










その②に続く




その②に続く

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