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風のまにまに 〜異世界ぶらり旅〜  作者: 東雲 紫雲
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 眩しい…

 眩しすぎる…


 これじゃあ寝ることもできなだろうと泣きたくなる。


「えうっ、えぅ…」


 と思ったらもう泣いていた。こりゃやばい感情の制御が効かない。


「おぎゃーおぎゃー!」


 一旦泣き始めるともう…ね。やばいのよ。


「あらあらどうしたの?」


 若くて綺麗な女性が近づいて来る。

 あぁお嬢さん、申し訳ない。ちょっと眩しくてね。

 軽く抱き上げられてしまった。そりゃそうか、今の俺は赤ん坊だもんなぁ。


「えぅっ、うぅー!」


 鳴き声がもう一つ上がる。


「あらら、リリィまで。」


 俺が泣くのにつられて隣の子がぐずり始めた。

 うぅ、ごめんよ。だが原因は君にもあるのだよ。


 今日俺は隣の家に預けられているのである。

 現在は生後3・4ヶ月と言ったところだと思う。

 ようやっと目が良く見え始め思考ができるようになってきたところだ。

 まだまだ感情に振られてしまうこともあるが一時期よりだいぶマシになってきた。


 今わかっていることといえば、まず言語が違う。何を言ってるかはわからないが多分こんなことを言ってるんだろうなぁ〜って感じだね。

 時代は定番の中世ヨーロッパって感じだけど端々に見られる魔法文化が生活を豊かなものにしている感じだな。

 まぁ村は辺境って位置付けられているである山間にある小さな村だが活気があっていいところだ。

 多種多様な種族が一緒に和気藹々と暮らしていてのどかな田舎の村なのだろうがファンタジー感が素晴らしい。

 今面倒を見ていただいているお嬢さんはレナさんと言ってエルフで隣の子のお母さんなのだ。

 だって耳が尖ってて美形だからな。うちの親は普通の人間だろう耳も普通だし。


「よしよしっ」


 抱っこされると落ち着くんですよ。うん、この暖かくて柔らかい感触がなんともいえません!

 レナさんは金髪にエメラルドグリーンの瞳、グラマラスな…えっとなんと言うかとりあえず凄い美人な人です。端正なんだけどどこか柔らかな感じで、前世で出会ってたら断られるの前提で告白しちゃうレベルだ。

 夫になった奴が羨ましいぜ。ちなみにまだ夫の方は見たことない。最初は一緒に暮らしているジェドさんだと思ったがどうやらレナさんのお父さんらしい。エルフなんで見た目じゃ父親とはわからなかったぜ。でも俺の親父が必死に自分のことを指差して言っている言葉とレナさんがジェドさんを呼ぶ言葉が一緒だからおそらくそうなんだろう。


 あっ、もう俺は大丈夫なんでリリィちゃんをお願いします!今は下火だけど熱が入るとなかなかね。


「おぎゃーおぎゃー!」


 おっともう手遅れか…


「あぁっ、リリィ。」


 ポジションチェンジして今度はリリィちゃんをあやす。

 大変ですねぇ。申し訳ないがこの体じゃ何もできないのです。

 隣にいた子はリリィちゃんと言って、金髪に真っ赤なお目目の可愛い赤ちゃんです。将来はレナさんのように美人さんになるんだろうなぁ。


 あぁ、そうそう何が眩しいかって話がまだだった。

 何が眩しいってリリィちゃんが眩しいのだよ。正確にはリリィちゃんの周りと言った方がいいのかな。

 前はなんかこうリリィちゃんから圧を感じるイメージだったのだが最近グレードアップして可視化してきやがった。

 おかげで眠れない。辛いです…。


 魔法があるようなファンタジーな世界ですから少し想像がつくのだが、リリィちゃんてなんかすげーんじゃね?

 きっとスキル選択した時魔力感知的なのとったからそのせいでリリィちゃんが眩しく見えるのだと思う。

 だって他に眩しく感じるのはおそらく医者もしくは助産師的職業のジェナさんが少し眩しいくらいだからな。


「うぅ〜、あぅ〜」


 いつの間にかに泣き止んだリリィちゃんが隣からこっちに手を伸ばしていた。

 少し考えている間にレナさんがあやしつけたリリィちゃんを俺の隣に寝かしていたみたいだ。

 リリィちゃんが手を伸ばして来るのでこっちも手を伸ばして手を握ってあげた。

 すると安心したかのように寝てしまった。

 レナさんがニコニコした笑顔でこっちを見ている。

 う〜む、恥ずかしい。

 俺も眩しいのを我慢して寝るとしよう。

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