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<54> リサとのデート

 今日は、リサと日本でのデートをすることになった。お金ならいくらでもあるので、どこにでも行けるのに、選んだのは普通の公園だ。逆に贅沢かも。


「リサ、僕はリサと一緒にいられるならどこでも嬉しいよ。でも、こんな普通の公園でよかったの?」


「うん、ここは特別な公園。何の変哲もないけど、私にとっては特別な公園なの。」


 リサが以前、まだ白神響子だったころ、よく来た公園だったのだそうだ。ここで、彼女はジンと出会い、ジンと遊んだそうだ。


「リサには、ジンの姿が見えるんだよね。どんな姿なの?」


「顔は綺麗な顔をしているわね。でも、服装が茶色っぽいのが多くて、天使をイメージさせるような白い服を着ていたことはないわね。結構いろんな服を着て登場するのだけど、おしゃれ? なんだと思う。いろんな国や時代の服装に自由に変えられるから、登場するごとに違う服を着ているの」


「僕には見えないけど、つまり外見にこだわっているんだね」


「うん。あれは見えたらモテるんじゃないかな。わ……私には太郎がいるし、……そんな目でジンを見たことはないけど」


 リサは可愛いな。と今日も思う。見た目の可愛さだけでなく、心も可愛い。つまり全部可愛い。それにしてもジンって人間であればお洒落なイケメンなんだ。まあ、声が若かったからおっさんのイメージではなかったけど、やはり天使なだけはあるか。不細工な天使もいるかもしれないが。そうだな、それこそ天使らしくないけど、そんな天使もいてもおかしくはない。


「リサ、僕にはジンの姿が見えないけど、ジンの姿が見える人ってリサ以外にもいた?」


「ううん、いなかったらしいわ。遠い昔に出会った人の中では、見えた人もいたらしいけど。確か……カイトっていう人?」


「カイトだって?」


 僕は思わず驚いた。僕の中に入る予定のカイトが実はジンが見えていたなんて。それってもしかして、僕の中にカイトが入ったらジンが見えるってことかな。


「リサは、まだカイトのこと聞いたことなかったよね」


「カイトって名前はジンから何度か聞いたことがあるけど?」


「青木探偵事務所の青木さんの中の中心になっている人が、そのカイトだよ」


「ひうえぁ?……な、……なんだってー!」


 さすがのリサも驚いたようだ。まさか、こんなところで、カイトのことを知るなんて。でも、ジンが紹介したところなのだ。リサの聞いていたカイトがいてもおかしくはない。


 今度、テレビ出演することは説明したが、リサの中に入る予定のキャサリンやカイトのことをリサに説明していなかったんだよね。今から説明しなくちゃ。


「リサ、テレビ出演後のことなんだけど……」


 それから、僕はリサにテレビ出演後のこと、一時的に青木探偵事務所で働き、昔の謎が解けたら体を貸すのをやめること、などを説明したのだった。リサは、謎が解決した後も必要であれば体を貸してもよいと言った。僕も、必要であれば、たまには貸してもいいかなと思う。

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