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ゲームで決めよう

お待たせしました、約一ヶ月ぶりの更新です!

 片付け等を終え、俺達は広間へ移動することにした。

 そこで俺は、ずっと気になってることを聞いてみることにした。というか気にならないほうが少し可笑(おか)しいが。


「お前は本当に魔王なのか? 前に戦った魔王はもう少し魔王っぽい見た目と格好してだぞ」


 本当にこの幼女が魔王なのだろうか。いや、もしかしたら魔王の娘ということも…………まあ、結果は聞けば分かるか。


「ああ、我こそがこの城の魔王であるぞ。そういう貴様は、異世界から召喚されたとか云う勇者の一人だな」


「まあ、そんなとこだが。クラスメイトの奴等と同類に思われるのは少々(しゃく)だな。俺は奴等(あいつら)とだけは同じに見られたくない」


 魔王とだけあって、ある程度の情報は知ってたんだな……てっきり部屋に引きこもって何も知らないと思ってた。


 でも、本当にこの幼女が魔王なのか。だとしたら、威厳とかは皆無だな。

 せめて格好くらいは、魔王らしくすればいいのに動物の柄の可愛いパジャマ? みたいのだし。


「それで貴様は何の用でここまでやって来たのだ?」


 たしか、魔王を殴りに……じゃなくて、引きこもりをどうにかするんだったな。さすがに女性や子供に手を出す程じゃないしな(場合によるが)。


「ざっくり説明すると。お前の仲間が俺達の所に来て、最終的に引きこもりの魔王を何とかするってことになった」


「本当にざっくりしておるの…………だがしかし、断る! 外に出たり仕事するぐらいならゲームをしてるほうが楽しいのだ!」


 いや、仕事よりゲームが楽しいってなに当たり前のこと堂々と言ってるんだよ。というか、ゲームしてないでさっさと仕事しろよ魔王……。

 取り敢えず、どうしたら仕事をするか聞いてみるか。


「我が仕事? 無理な話だな。我にそんな話をするのは新作ゲームを手に入れたのに、プレイしないのと同じくらい無駄なことだぞ」


 うん、やっぱりダメか。となると、ゲーム好きにはやっばり何らかのゲームでどうにかするほうが得策かな。


 剣と魔法の世界に居るんだから勝負するのがいいか、たまにはアスト達も一対一の戦いとかしたほうがいいよな。

 てことは、相手が四天王の三人と魔王で合計四人、俺達はアスト、リエ、エミリ、マリア、ティアの六人か。人数的にもティアと俺は今回は出番なしかな。


 そうなると一旦、みんなにも話さないとだな。俺の一存で決めるのは流石に気が引ける。


「皆、思い付いた案があるんだが……」


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 アスト達に説明すると予想以上に簡単に納得してもらうことに成功した。

 何でも「そろそろ自分達の戦闘シーンがあっても良いのでは?」という俺にはよく分からない理由だった。


 あとは、魔王にこの案を了承させるだけだが簡単だろう。

 四天王の三人から先に得た情報によると、あの魔王は負けず嫌いらしい。


「なんだ、相談は終わったのか……ふわぁぁ」


 あ、魔王が目の前に居ること忘れてた。でもまあ、盗み聞きをしていた様子もないし大丈夫だな。


「ああ、待たせて悪かったな。で、魔王に提案があるんだが……ゲームでどうするか決めるのはどうだ?」


「ふむ、ゲームでだと? 貴様の言っているのはどんなゲームなのだ?」


 お、ゲームと聞いて食いついたな。少なくとも興味を示しているのは確かのようだ。

 となると、あとはルールを説明して了承すれば大丈夫として。駄目だった時は奥の手を使うか……。


「ルールは簡単だ。魔王であるお前と四天王の三人の計四人と、俺とティアを抜いた四人がそれぞれ一体一で戦うっていうシンプルなものだ。

 俺達が勝てばお前は引きこもるのを辞めて仕事をしろ。

 もし、お前が勝ったら……俺が何でも一つ言うことを聞いてやる」


 つまりはタイマン勝負ってやつだ。それに、俺が出ないというハンデで、魔王達も勝機があると思うだろうしな。

 もし負けたとしても俺に何かあるだけでアスト達には何の害もないしな。相談した時は怒られたけど……。


「なるほど……だが、それを受けている暇があったら我は周回をするほうが楽しいから断る」


 やはり断るか……だけどまあ、奥の手は残してある。ちょっと不安だけども……。


「ほほう、つまりは俺達から 逃げる ということか。わざわざ俺が出ないと言っているのにお前は俺の仲間達が怖いという訳か」


「「「(うわぁ、凄い安っぽい挑発……)」」」


 これで受けなかったら諦めよう。奥の手というか最終手段だしな。

 でも、負けず嫌いの魔王なら勿論……。


「フ…ハハハッ! 我が逃げるだと? そんなことある訳ないだろう! 受けてやろうとも! 時間は今より一時間後に城の目の前でだ!」


 うん、ちょろいな。

 まさかここまで簡単だとは。もう少し手こずるかと思ってたぞ。


「ああ、それまでに互いに準備をするということで」


 ということで、俺達は作戦やら準備をするために一度城の外に出ることにした。


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 さてと、城の外に出たのはいいが。作戦とかはどうするかな。

 俺とティアが出ないとはいえ、アストやリエが居るし苦戦することはないと思うが……。


「あ、それなんだけど……ボクさ」


 ん? リエが弱気になるなんて珍しいな。何かあったのだろうか、よっぽどの事がない限り大丈夫だと思うが。


「実はね、理由は分からないけど。他の神達と違ってボクは下界(げかい)に降りると弱体化しちゃうんだ」


「「「……え」」」


 まさかの事実に思わずハモッてしまった。でも、いくら弱体化してるとはいえ前に王城で斬りかかられた時に落ちた雷でもどうにか出来るのでは。


「あの雷も人にはそれなりのダメージが与えられるけど、魔物や魔族となるとほとんどダメージは無いかな」


 嘘だろ……魔王がリエが神だと知らないと思ったから、ティアをメンバーから外したんだけど失敗だったか。今さらリエとティアを交代させるのも不可能だろうし、どうするか。


「魔法やスキルはどうなんだ、普通に使えるのか?」


「魔法とスキルは多分だけどLV5くらいかな。本当はLV10くらいだけど、こっちも弱体化しててね」


 弱体化したステータスでLV5相当の魔法か、勝てるかと聞かれれば厳しいな。スキルも身体を強化するスキルを使えばどうにか……ならないか。武器や装備で何処までカバー出来るだろう。

 何かないだろうか、奥の手的な切り札は。例えば神だけが使える強力なスキルとか魔法は……。


「あ、それなら僕だけしか使えない特別なスキルがあるよ。『限定神化(げんていしんか)』って言って、1分間だけ元のステータスに戻せるのが。それでも魔法やスキルはそのままだけどね」


「……そんなのがあるなら先に言えよ。焦って損したじゃないか」


 そうとなれば話は別だ。ステータスを戻せるなら恐らくだが大丈夫だろう。でも、そんなの使って本当に大丈夫なのか……?


「んー……ちょっとだげ代償があるけども一時的なのだから大丈夫だよ」


 本人が大丈夫と言ってるし大丈夫だろうが、いざとなったら棄権させればいいし。でも、これでリエも問題なしと。

 アストは心配しなくても大丈夫だと分かるし、マリアは魔法とか凄いから大丈夫だし、エミリは……ステータス的に大丈夫だな。


「さてと、それじゃあ次は戦う順番だが。どうしたい?」


「んー……私からでいいでしょうか? たまには私もマスターに良いとこ見せたいです」


 俺が戦う訳じゃないし問題ないが、みんなはどうだろうか。特にリエは、目立ちそうだし一番手がいいとか言うのでは?


「いや、ボクは二番か三番かな。勝てるかも分からないし、印象に残りやすい一番手と最後は遠慮しておこうかな」


「わ、わたしは出来れば三番目ぐらいがいいです。理由はリエ様と同じで……」


「となるとワタシが最後ですわね。いいですわよ、大取りとして美しく勝ってみせようではありませんか」


 順番も決まったし、後は各自で作戦とか準備だな。それまで俺は暇だし、軽く昼寝でもしてるか。

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