ダンジョン
なんか作者でも新婚旅行なのか怪しくなってきました……
「ん……朝か……」
えっとたしか昨日はあのあと布団に入ったら直ぐに眠りについたみたいだな……それで何故こうなる?
「ダイキく~ん……そっちは違う神様だよ~……」
「マスター……私はこっちでっすよ~……んふふ」
「それは塩じゃなくて砂糖ですよ……もう、ドジなんですから……」
「ダイキ様~……もう食べられませんわ……」
「ダイキ殿の横にはワタシが座るのだ~……えへへ」
五人揃って涎垂らして寝言を言ってるとか美少女の無駄遣いだろ……しかも、腕とか脚を掴まれてて動けないんだが……
「おーい朝だぞ~! みんな起きてくれー、俺が動けないから」
「「「んん……は~い……」」」
ふう……やっと自由になれたな……さてと、それぞれの部屋で着替えさせたら集合だな。
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「じゃあ、森林散策にいくぞ~! みんな準備は良いね?」
「「「おー!」」」
あのあと朝食をとったらリエに長袖長ズボンに着替えるように言われたので着替えた結果がこれだ……
「一言で言おう……俺は虫が大嫌いだ……」
「行く前からそんなこと言わないの~! じゃあ、出発進行! 奥には凄いものがあるよ~!」
「「「おー!」」」
果たしてこれを新婚旅行と呼んでいいのか……まあ、本人達が楽しければ良いか……
――ボンッ! ボンッ! ボンッ!
「あの~ダイキくん? 先頭を歩いてくれてるのは嬉しいけどさボク達の半径50cm以内に入る虫に火がついて燃え尽きるのは何故かな?」
「そんなのスキルを作ったからに決まってるじゃないか……」
【虫避け】
対象の半径50cm以内に侵入した虫等は燃え尽き死体も残らない……。任意により発動の切り替え可能。
我ながら素晴らしいスキルだな、ただ消えるだけでは俺の怒りは消えない……そう、あの時の魔王のように……
「うわ……本当に作ったよこの人!? しかも虫避けじゃないし!」
「でも、私達にも近づけないようになっていますし別に良いのではないでしょうか?」
そうそう、アストの言う通りだ。虫なんて役にたつもの以外は滅されるべきだ……Gはリエのお仕置きに貢献しているので特別枠だな、近づいてきたら問答無用だが……
「そろそろ着くみたいだね?」
「いったい何が目的なんだよ……インドア派には相当キツイぞ……ステータスのお陰で疲れないが」
ステータスが高くなかったら最悪の場合は倒れてたぞ……もともと運動は得意じゃないし……
着いたが、この洞窟とか言わないよな……
「ようこそ~! この島の特別なダンジョンへ!」
「「「はい!?」」」
ダンジョン? そんな物がなんでこの島にあるんだ? 屋敷にあった図書室の本での説明ではダンジョンとは遥か昔から世界にあり、その中には多くの魔物がいる。
ダンジョン内の魔物達は基本的に中からは出てこないが数が増えると突然出てくることがある。
ダンジョン外の魔物は、ダンジョンから出てきた魔物が繁殖した者が大半を占めているらしい。
「このダンジョンはボクがこの島を管理するより前からあったんだ。しかも、魔物の強さは他のダンジョンとは遥かに上だから人間に頼むことも出来ないから普段は天使達にボス以外の3割くらいを駆除させてるんだけどね」
「なんでボス以外なんだ? ボスを倒したらダンジョン内に魔物は出現しなくなるんだろ?」
ダンジョンの奥にはボスが居るらしく、ボスが倒されればダンジョン内には魔物が出現しなくなるらしい。しかも、ボスを倒すと報酬にダンジョンの隠された部屋の中にある金銀財宝を全て戴けるらしい。
「それがだね……そのボスとは面識がありましてね……」
「誰なんだそれは? 面識があって更に手を出さないとなるとリエにとってかなり重要な人物なんだろ?」
敵ならリエが自ら倒してる筈だしな、そこまで危険な奴ならリエが放置する筈がない。
「それはですね……あの……その……」
「なにを勿体ぶってるんだ? 言いにくいならさっさと言って楽になった方がいいぞ?」
「それもそうだね……よし、覚悟は決めた!」
いつになく気合いが入ってるな……逆に不安になってくるぞ……
「それは……」
「「「それは?」」」
「ボクのパパとママです……」
「「「え? パパとママ!?」」」
リエの父親と母親!? どういうことだよそれ!? 神様の親がダンジョンのボスとか!?
「ボクに権利を全部渡したあとに二人で隠居生活するとか言って……」
「まじか……よし、挨拶しに行こうな」
「それはダメ~! お願いだから二人には会わないで!」
なんだそれ、連れてきといて会わないでとか意味わからないぞ? そんなにヤバい奴なのか……
「えっと……「おお! 我が娘ではないか!」……」
ダンジョンの中から髭を生やしたおっさんと綺麗な女の人が出てきた……まさか……




