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閑話・アストの変化

異世界チートものあるあるのチョロインですね!

※2020年5月7日 文の書き直し終了

「『アシスト』」


 スキルである私が、初めて呼ばれたのは、マスターが私を作った直後だった。その時、私の中には神に等しい知識があった。

 次に彼は、私にアドバイスを求めた。その時、なぜか私は自身に温かさを感じた。

 スキルである私に、彼は普通の人と話すように接してくれた。そして、私に感情が生まれた。


 彼は、ある程度スキルや魔法を作り終えると、私に名前をくれた。

 「アシスト」の「シ」を抜いただけの、アストと言う単純な名前だ。それでも、私はとても嬉しかった。

 彼は、私に身体があれば一緒にいられると考えていた。

 その時、私は言ってしまった。



『作れますよ? マスターが魔法作成で錬金術系の魔法を作れば……』


 自分でも声のトーンが変だと分かった。

 やってしまった。呆れられる、図々しい、嫌われたと思った。

 だけど、彼はとても喜んだ……否、喜んでくれた。

 私は、その事をとても嬉しく思った。

 それだけではなく。彼は、私に自分で体を作っていいと言ってくれた。自分の体を持てるだけでなく、自分で体を設定していいと言ってくれたのだ。

 私は、この時彼に感謝してもしきれなかった。

スキルである私を人のように扱い、身体を作ってくれた彼に一生ついていこうと思った。


 私は、新しい体に入った。

 そして、彼に感想を聞いた。彼は顔を真っ赤にして、ぷいっと逸らしてしまった。

 スキルとしてステータスにいた時は、彼の考えが分かっていたのだが、今は分からない。そのせいか、とても不安になった。

 気に入らなかったから怒ったのではないかと。


 私は、彼にステータスを見せた。彼は、私のステータスに驚いているように見えた。その時の彼の顔で分かった。

 彼は怒ってなどいない。ただ、照れていただけだと……無性に恥ずかしくなった。


「まあ、これでずっと一緒に暮らせるな」


 私にそう言ってくれた。凄く恥ずかしかったけど、とても嬉しく思った。

 その時、私は生みの親でもある彼に異性としての好意をほんの少しだけ抱いていた。

 私を作り、本当の人と接するように話してくれたり、自分に体を与えてくれたり、一緒に暮らせると喜んでくれた彼を。

 さすがにチョロいと思われるかもしれない。だけど、その一つ一つにとても感謝していた。


 だから、私は彼の隣にずっと一緒にいられるように願った。

 いつか、私の気持ちをちゃんと伝えられるように。

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