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龍王登場!

 式典の話が終わったので、帰ろうと思っていた。しかし、龍王とやらが城に来て、何故か俺を出せと言っているらしい。

 なので、国王と共に謁見の間へと来ていた。


「ほぉ、お前が魔王の一人を打ち倒した者か……」


 そこには金髪で翼と尻尾を生やした人間? が立っていた。

 どこか嫌な視線と話し方だ。


「そうだが、そっちは誰だ」

「よもや、こんな軟弱そうな男にやられるとは。魔王も落ちぶれたな……。だが、魔王を倒したのだから教えてやろうではないか……我は、龍の里の長であり龍の頂点である龍王だ!」


 なんかドヤ顔で言ってるが、強いのだろうか。

 偉そうにしてるからか、全く強そうに見えない。


「実力としては、アストちゃんの半分くらいかな? 言っておくけど、ボクやダイキくんと比べちゃ駄目だからね」

「はははっ! 我よりそこの小娘のほうが強いだと。面白い冗談だな! 良かろう貴様のような小粋な冗談を言う娘は我の側室に迎え入れてやろうではないか!」


 なんかムカついてきた。

 騒がしいし、少し気絶でもさせたほうが良いか。


「おい、お前……さっきから黙って聞いてりゃ……調子に乗ってんじゃねぇぞ」

「む? なんだ貴様は、我は人間の男のような下等生物等に興味はない。今すぐに我の目の前から失せろ」

「ねぇ? いま、ボクのダイキくんになんて言ったのかな。それに、君のような「雑魚」が、ダイキくんやボクにかなうと本気で思ってるの? そろそろ、相手のステータスくらい見といたほうがいいと思うよ。せっかく、鑑定出来るのにさ」


 リエは、本気でイラついてるようだ。今にも、殴り飛ばしそうな勢いで。


「おい、今すぐに鑑定を使って俺たちを見てみろ。早くしないとお前の里が、リエに壊されるぞ……」

「はははっ! 何を申すかと思えば、良かろう我が鑑定で見てや、る…………すいませんでした!」


 鑑定をしたと思ったら、顔を青ざめて土下座し始めた。

 ……今から謝って、リエに許してもらえるのだろうか。


「龍神の称号を御持ちとは露知らず! 先程からの無礼をお許しくださいませ!」

「へー……ボクのダイキくんへの暴言を無礼で済ますんだ? それはボクへの宣戦布告とみてもいいよね……」

「ひいぃぃぃ!? どうかお助けを! 我ら龍の一族、あなた様達の下部になります故!」

「こいつも反省してるみたいだし、別にいいだろ。あと、俺はお前の物になった覚えはないぞ……」


 さすがに可哀想に見えきた……涙で顔がグシャグシャになっている。せっかく、綺麗な顔立ちなのに台無しじゃないか。


「ダイキくんの願いなら仕方ないなー! 彼女もこれに懲りて権力を振りかざそうとしないだろうし」

「そうだろ……って、彼女? え、こいつ女だったのか……」

「マスター、さすがにそれは(先に鑑定しといて良かったです……)」

「ダイキ様、酷すぎますよ(私も男性だと思っていましたけど……)」

「ダイキ様は最低ですわ(鑑定を使うまで殿方だと思ってましたわ……)」

「ボクもさすがにそれはないと思うよー(こんな格好じゃあね……)」


 こいつら、始めは絶対に男だと思ってたろ……特にマリアは聞いても信じてなかっただろ。


「ははは……我が男と間違えられるなど日常茶飯事だ、です。気にしてない……グスッ……」

「あー! 泣かせたー! いけないんだ、女の子を泣かせるなんて! 神は許そうともボクは許さない!」


 いや、お前がその神だろ。どうすればいいんだよ……えぇっと、何か声を掛けるのが正解だよな。


「間違えて悪かったな……それに綺麗な顔が、涙で台無しだぞ。元気だしてくれ」

「あ、ありがとう……」

「堕ちたな……」

「「「ですね……」」」

「何がだ?」


 ていうか、疲れたから本気で帰りたい。

 とりあえず、家でゆっくり疲れをとりたい。


「それもそうだね。それじゃ、式典の時にまた会おう国王くん!」

「じゃあ、失礼しますね」

「うむ、気をつけてな」


 やっと家に帰れる……式典の話をしに来ただけなのに龍王に会うことになるとは思わなかった。あ、そういえば、龍王とか龍の里が何なのか聞くのを忘れていた。

 まあ、後でリエかアストに聞けばいいか。


「お待ちください龍神様! 是非とも貴方様とご一緒させてください!」

「俺は今さら一人二人増えても変わらないし別にいいが……」


 皆はいいのだろうか。さすがに嫌々一緒に暮らしてもらうのは……。


「ボク達も構わないよ? 3人ともいいよね」

「マスターの為でしたら……」

「私も別に……」

「大丈夫ですわ……ただし」

「「「帰ったら、ダイキ様を覗いてお話をしますね(するよ)(からね)」」」

「は、はい……これからよろしくお願いします」

「よろしくな……名前なんていうんだ」


 そういえば名前はなんて言うんだろう。龍王は称号だ、だったら本名は?


「はい、自分はティアマットというので、ティアと呼んでいただければ幸いです」

「分かった、あと里とやらはどうするんだ」

「先ほど、念話スキルを使って説明しました。しかし、龍にとって、龍神様と共にいるのは、何よりも名誉な事です。なので、快く許可が取れました」

「じゃあ、帰るか。式典までは家から出なくて済むな……」


 これ以上の厄介事は御免だ。あと数日は、家でゆっくりしたい……。


「わー! ダイキくんが引きこもりルートまっしぐらだ!」

「うっさい! 俺だって、そろそろ疲れを取りたいんだよ!」


 こうして、心強い仲間も増え? 何事もなく式典当日となるのだが。リエが暴走しなければ、安全に過ごすことが出来る筈だ……。


「酷くないかな!? 今回といい前回といい!?」

「「「だって、龍王のこと脅してたじゃん(ましたね)(ですわね)」」」

「えぇー……」

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