盗賊&国王との謁見
※2020年5月20日 文の書き直し終了
「おーい、3人ともお客様だぞ。遊んでないで手伝ってくれー」
「「「は、はーい!(ギャー!)」」」
まだ、やってたんだな。
というか、ギルドはまだしも王様に呼ばれるってなぜだ。ギルドは、口止め出来てた筈だが。
「じゃあ、客間へどうぞ」
「いえ、私はダイキ様に時間があればギルドへ来るように伝えに来ただけですから! なので、失礼します」
「はい、分かりました。気をつけてお帰りください」
受付さんは小走りで出ていった。
あとは……この人か。
「では、奥の方へどうぞ。あと、アスト達はお茶の準備を」
「「「分かりました」」」
なんで、城から偉そうな人が来るんだ。
俺の平和は何処に行ったんだか……。
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「えっと、つまり魔王軍を壊滅させたから褒美の為に城へ来てほしいと?」
「嗚呼、それで合っている」
「ちなみに拒否権は……」
「あると思うのか? 仮にも一国の王が相手だ。断ると言うのならば、それなりの理由がなければ駄目だ」
ですよねー。でも、一回城から追い出された身なのに戻るってのは気が引けるんだよな。しかも、自分から追い出されたっていうのに。
「分かりました。では、いつ頃向かいましょうか」
「今すぐにでも向かうぞ。馬車は用意してある」
マジか……こんな格好だけど良いのだろうか。
もし、失礼とか言われても困るぞ。
「すみません。同行させたい者達がいるのですが良いでしょうか」
「嗚呼、だが馬車に乗れるのはお前と合わせて4人までだ」
「分かりました。では、準備をしてすぐに行きます」
「わたしは先に報告に戻る。質問などは、部下を置いていくからそれに聞くようにしてくれ」
「はい、分かりました」
そう言い、偉そうな人は外へ出ていった。
さてと、アストは連れて行くとして、エミリとリエはどうするか……。
「ボクも行くからね。もし連れて行かなかったら……」
「わたしもご一緒します! もし、ダイキ様に何かあったらと思うと……」
まあ、一人や二人増えても変わらないか。四人までだから、別に問題もない。
「分かった。じゃあ、準備……って言っても特に持っていく物も無いし行くか」
「「「はい!」」」
「いやいや、ちょっとお待ちを! なに自然に私の事を置いていこうとしているのです!? わたくしも行きますわよ!」
「いや、聞いてたろ。四人までだって」
「大丈夫ですわ! 魔道書モードで行けば、問題はありませんわ!」
「あの~、ダイキ様。この女性はいったい?」
そう言えば教えてなかった。
リエは絶対に知ってるとして……二人には説明しないと後が怖い。
「まあね~。これでも神様だし」
「えっと、この金髪縦ロールは……お前の名前はなんだ」
「まだ、教えてませんでしたわね。コホン、わたくしの名は…………マリアと申しますわ!」
ドヤ顔で言ってるけど、絶対にいま考えただろ。
まあ、変なのが二人になったのは変わりないか。
「ちょっと待って! まさか、ボクも変なの扱いなの!?」
いや、当たり前だろ。
リエが変なのじゃなかったら、変な人の大半は普通になるぞ。
「あと、このマリアは鎖に縛られてた魔導書だ。なんか知らんが、人間と同じ姿になれるらしい」
「そうでしたか。わたしは、ダイキ様の奴隷のエミリと申します。今後ともよろしくお願いします」
「私はアストと言います。マスターの……マスター、何でしょうか?」
そこで俺に振るか。
えっと、アストは俺の……。
「大切な仲間であり家族だ」
「あ、ありがとうございます。マスター……」
なんで、女子ってこういう事を言うと顔を赤くするんだ。
若干、予想は出来るが……ありえないか。
「ダイキくんは、鈍感だね~。それじゃあ、モテないぞ!」
「そんな事はとっくの昔から知ってるよ」
そうだよ……俺なんかを好きになってくれる奴がいる訳がないだろ。
それは、元の世界もこっちの世界も変わらないだろ。
「ごめんね! 大丈夫だよ! ダイキくんを好きになってくれる娘だっているよ! ボクとか……」
「慰めありがとうな……。マリア、こいつはリエって言うんだ。鑑定すれば何者か分かるだろう」
「皆さん、これからよろしくですわ!」
「じゃあ、行くか……」
「「「はい(うん)(ですわ)!」」」
ヤバい、さっきのが凄い胸にダメージを与えてる。
せっかくの異世界でもこんな俺じゃあな……。まあ、こんな可愛い子たちといられるだけでも贅沢だよな……。
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俺たちは、馬車に揺られて道を進んでいた。
「で、それでマスターがですね」
「ええー! ほんとー!?」
「やっぱり、ダイキ様は凄いですね!」
女子4人? が盛り上がってる所に居るって、ある意味地獄だ。自分一人仲魔外れにされている気分になる。
「前方に盗賊がいます!」
御者さんが、叫んだ。
マジか、ここで盗賊の登場とは。
「分かりました。俺が戦うので、御者さんは馬車と馬を守ってください」
「わ、分かりました!」
「マスター。私も戦いますか?」
「いや、一人で戦わせてくれ」
「はい、いってらっしゃいませ」
馬車から降り、盗賊達の前に出た。
15人くらいいるが問題はないだろう。
「おい! 金目の物と女を置いてけ!」
「おい、兄貴! あそこの緑髪の女綺麗だぜ! あとで可愛がってやろうや! ギャハハ!」
「いま、なんつった? 殺されたくなかったらこの場から消えろ……」
いま、アストに対して邪な考えをしてたよな。
絶対に殺す……ついでに返答によっては何人かは殺す。
「そこの女を、ギャー!」
「おい! コロサレゾウ大丈夫か!?」
問答無用で両腕を切り落とした。
さてと、再生も出来るし可愛がってやるか……。
「グァー! やめてくれ! オレの足がー!」
「た、助けてくれ! 魔が差しただけなんだ! ギャー! 手がぁー!」
「勘弁してください! ワァァー!」
5人殺してしまったが、盗賊が相手だし問題はない筈だ。
さてと、一つ言っておくか……。
「金目の物を全て置いて立ち去れ……」
「「「ひいぃー! すいやせんでしたー!」」」
盗賊達は金目の物を置くと、急いで森に向かって逃げて行った。
あれ、威圧スキルが発動してる。まあ、別にいいか。
「これじゃあ、どっちが悪者かわかったもんじゃないね……」
「「「そうですね……」」」
四人はどうしたのだろうか。
呆れたような、疲れたような顔をして……。
「じゃあ、さっさと城へ行くか」
「「「はーい!」」」
こうして、初めての盗賊との戦いは幕を閉じた。
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あのあとも何度か盗賊に会ったが、同じような感じで片付けた。
そう、同じように……アスト達の会話も同じように続いたから仕方ないんだ。
「陛下、ダイキという男を連れて参りました」
「うむ、入れ」
俺達は、謁見の間に来ていた。
ここに来るのも約1ヶ月ぶりか……他の勇者達は死んだから、この世界に同郷の人は誰もいないんだな。少し寂しいかもしれない……。
「そなたが、魔王軍を一人で壊滅させたダイキか。うむ、確かにあの時の男だな」
「はい、ご無沙汰しております」
「あ、あの時はすまなかったの……儂も魔王軍に対して焦っておってな……」
王様は、あからさまに動揺している。まあ、恨みとかも無いので別に気にしなくて大丈夫なんだが……今のところは。
「で、そなたに褒美を与えようと思っておる。欲しい物を言ってみよ」
「ありませんよ。今の俺は平穏に暮らしたいだけなので」
「誠か? 何かないのか? 金や権力が欲しいなどは」
「家も手にいれました。金もあります。正直に言って、いま欲しい物はありません」
事実だ。それに、ギルドの報酬もまだ受け取ってないから金は本当に困っていない。
「そうか……では、これは儂からの気持ちじゃ。そなたを男爵に命ずる!」
「男爵ですか?」
なんだそれは、芋のことか。
俺は男爵よりもメークインのほうが好きだ。
「お待ちください陛下! いくらなんでも、このような男に爵位を与えるなど!」
「わたしも反対です! このような何処にでもいそうな男を男爵に命ずるなど!」
「そうです陛下! 何処にでもいそうな平凡な男など!」
なんだ、こいつらは俺に喧嘩を売ってるのか。
てか、芋の話しじゃなかった……少し残念だ。エミリに料理してもらおうかと少し思ったんだが。
「こんな男だと……愚か者どもが! この男は魔王軍を倒し我々の国を救ったのだぞ! それくらいの事をしなければ民に示しがつかん! いくら普通で何の特徴も持っていなそうな平凡な男だからとはいえ、異論は認めん!」
おい、国王。お前が一番酷いの気付いているのか?
「それに、この男は実力は確かのようだ……儂の鑑定スキルでも見る事は出来ぬ……」
「なんと! 陛下の鑑定を使ってもですか!?」
「儂の鑑定スキルのレベルは8じゃ。それをもってしても隠蔽されて、本当のステータスは見えぬ……」
あ、忘れてた。
どうするかな。ステータスはまだしも称号とかを見られるのはな……引かれそうだから。
「なんだと貴様! 陛下に対して隠蔽を使っているだと! 今すぐに切り捨ててやる!」
「待つのじゃ! この者に聞こう。そなたがステータスを見せぬのには理由があるのか」
「まぁ、ちょっとした……」
「認められると思うか! 陛下に対してもその態度! 今すぐ切り捨ててやる!」
ていうか、お前はいったい誰だ。どんだけ俺のこと切りたいんだよ……。
もう面倒だからとっとと帰りたい……。
「黙って聞いていれば……ボクのダイキくんに対して好き勝手に言っているようだね……」
後ろを向くと、リエが如何にも怒っています、っという風に立っていた。リエが怒るなんて珍しい……。
「なんだ貴様は! 邪魔をすると言うのならば、貴様を先に切り捨ててやる!」
そうして、剣を持った男はリエに斬りかかっていったのだが。
「覚悟しろ! …………ギャー!」
頭に雷が落ち、男は倒れてしまった。
にしても、この男切り捨てるの好きだな……。
「こ、これは! そなたは何者だ!」
「鑑定した方が早いと思うよ? 恩も忘れてボクのお気に入りに好き勝手言ってるんだからね……」
リエを鑑定した王様はどんどん顔色が悪くなっていった。
まさか、知り合いだったのだろうか。
「失礼しました! 貴女様だとは露知らず!」
「陛下! 頭を上げてください! おい貴様! 陛下へ対してなんたる無礼! 奴を今すぐに取り押さえろ!」
「馬鹿者! 皆もすぐに謝罪するのだ!」
「で、ですが!」
「この御方をどなたと仰せられる! 我らが崇める創造神様だぞ! 貴様達はこの国を滅ぼしたいのか!?」
王様がそう叫ぶと、全員が揃って土下座した。
一部、頭に光が反射して眩しいが、気にしてはいけないだろう。
「「「すみませんでした!」」」
「ボクはいいから、さっさとダイキくんに謝ってくれないかな? あ、ダイキくん。称号だけは隠さなくていいからね? 契約で、喋ろうとしたら口が1日開かなくなるようにしといたから……」
「まあ、分かった」
これは言うこと聞かないとヤバそうな雰囲気だ。
「解いたんで、王様達は土下座をやめてください……」
「分かりました……では、見させてもらいまする。ぬわぁ!? 失礼しました!」
見たら見たで、また王様は土下座をした。
なんと云うか、俺だけ流されてないか……アスト達に至っては空気だ。
「陛下!? どうなさったのですか!?」
「この方は、魔神、剣神、龍神の三つの神の称号を持ち、勇者の上位称号である英雄の持ち主であるぞ!」
「「「……すみませんでした!」」」
今度は、全員が土下座した。
エミリは圧倒されて怯えている。そういえば、エミリにはステータスとかは言ったが、称号は言ってなかった。
「いいから土下座をやめてください……あと、どさくさに紛れてリエは笑ってんな」
「クククッ……いや、ごめんね! さすがに土下座までするとは思わなくて!」
また、厄介なことになりそうな予感がする。
リエ「アハハッ! 土下座して頭ピカーって! アッハハハ!」




