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適正者の意味

※2020年5月14日 文の書き直し終了

 俺は、今とても困惑している……なぜだ。

 なぜ、創造神がここに……俺のベッドにいる。


「ふふふ、それは……面白いからさ!」

「いや、そういう問題じゃないだろ。百歩譲って家に居るのは納得するが、ベッドに居るのはおかしいだろ!」

「えー! 別にいいじゃん。神であるボクが、下界のどこに居ようと」


 どこに居ようが別に関係ない……しかし、二人に説明するのがとても面倒なんだ。見ろよ、二人の目を! まるでゴミを見るような目だぞ。


「ダイ……ご主人様、貴方様が知らない内に女性をベッドに連れ込むような人だとは思いませんでした……」

「マスター……いくら欲求不満とはいえ、見ず知らずの女性を部屋に連れ込み、挙げ句の果てに起きたら忘れた、だなんて……」

「ふ、二人とも誤解だ!? 誤解なんだ。見ず知らずなのは確かだが、そうじゃないんだ。信じてくれ!」


 まずいぞ……どんどん誤解が酷くなってる。

 しかも、エミリなんて俺の呼び方が戻ってる。このままじゃ……また、家族を失う……それだけは嫌だ。


「なぁ、創造神。二人にお前の正体を教えてもいいか。このままじゃ、俺の人生が終わっちまう……」

「はははっ! そうだね。これ以上は、また君が自殺しかねない。いいよ。ついでに君の事もね。僕からも他に喋れなくするから!」


 こうして、二人に秘密を打ち明けた。まあ、アストは俺が異世界人って事は知ってるから秘密は多くない。

 ステータスは、いま言う必要はないか。極力、あっちの過去の話しはしたくないんだけどな。


「そうだったのですか……失礼しました。てっきり、ダイキ様は本当に変態だったのかと……」

「まさか、創造神様だったなんて……先程は失礼しました。マスターも誤解をしてしまい申し訳ありませんでした」

「誤解が解けたなら別にいいよ……非があるのは全部こいつだから」

「ダイキ様……神様をこいつだなんて……」

「そう言えばそうだぞー! ボクの事をいつもお前とかこいつとか言ってー」

「じゃあ、これで良いですか。創造神様?」

「あ、ごめん……想像以上にキモかった。なんか耐えられる気がしない……」


 ああ言えば、こう言う。本当に面倒臭い……いっそのこと、神界に行けるスキルか魔法でも作って送り返すか。


「ごめんなさい……それだけは御勘弁を……」

「だったら大人しくしてろよ。これから一緒に住むんだから」

「へ、いいの?」

「俺は別に構わん。部屋は大量に余ってるから。それともなんだ? 外に放り出されて野宿でもしたいか?」

「ごめんなさい……大人しくしています……」


 ていうか、やけに素直だ。

 逆に気持ち悪く感じる。


「そりゃあ、自分よりも強い相手に喧嘩を売らないよ」


 俺がコイツより強い? 何を馬鹿な事を言ってるんだ。


「君は、本当に何にも分かってないなー。いくらステータスが上だろうとも、結局のところはスキルや魔法によってどうとでもなるの。君は、それを既存のスキルや魔法でなければ好きに作れるんだよ?」

「だったらお前も作ればいい話しだろ。創造神って言うくらいだし」

「作れたら苦労はしないよ……始めから説明するね。ボクが、君がこの世界に来た時にプレゼントしたものは、ステータスと称号だけなんだよね。それだけでも凄いのに、スキルや魔法が通常ではあり得ない程の強さなんだよ」

「そんなに凄いなら、神達の誰かにやれば良かったんじゃないのか?」

「言ったでしょ。適正が君しかいないって。あのスキルや魔法は、誰かに与えられるまで能力が分からないようになってたんだよ。神の中でも誰か使えないか試したんだけど、適正者は一人も現れず。そして、悩んでたときに偶然君達が異世界に召喚される事になったから、試しに誰か適正はいないか調べてみたら君が適正だったんだ」


 凄い確率だ……偶然異世界に召喚される事になって偶然スキルや魔法の適正者だったなんて。偶然が重なりすぎてないか。


「それにしても、こっちに来てから運が向いてきたかな」

「言っておくけど。勇者召喚は偶然でも、スキルや魔法は偶然じゃないよ。その力を調べたら分かった事があったんだよ。その力は一人の適正しかいない。つまり、君以外が適正者になることは絶対にあり得ないってね」

「ますます分からないな……こんな良いところが一つもない男が選ばれたなんて」

「少しは自信をもった方が良いよ? 決してブサイクでは無いし。それどころか、見る人によっては結構格好良いんだから」


 駄目だ……昔から従姉妹に虐められてから理解出来ない。

 今でも自分の存在が醜いのではないかと疑っているくらいだし……。


「ボクが惚れるくらいなんだから格好良くないわけないだろう……」


創造神が何か小言を言ったが、上手く聞き取れなかった。


「ん、何か言ったか。ていうか、お前の呼び方でも考えるか。何時までもお前じゃ周りに紹介するとき厄介だ」

「うーん、じゃあリエで良いかな? 創造……クリエーションって言うくらいだし」


 単純だ……アストの名前を考えた俺が言えたことではないが。


「それじゃあ、改めてよろしくな。リエ」

「ヨロシクね! そこの二人もヨロシク!」

「「は、はい!」」

エミリ「あわわ、創造神様がいらっしゃいました」

アスト「落ち着いて黙ってましょう」

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