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一方その頃

今回は、ダイキが魔王軍と戦っていた時のアスト達です

※2020年5月13日 文の書き直し終了

 ダイキが魔王軍と戦っていた頃、アスト達は。

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「ダイキ様。大丈夫でしょうか……」

「マスターなら必ず帰ってきますよ。エミリさんも心配する必要はありません」


 マスターが魔王軍に向かった後、私とエミリさんは、マスターが無事に帰ってくることを屋敷で願っていました。


「でも、アスト様……手が震えていますよ」

「なっ! こ、これは……ええと……」

「無理しないでください。わたしだって心配で堪らないんですから……」

「そ、そうですね……」


 不覚でした。この私が、マスターを心配しすぎて手が震えているなんて。でも、マスターは私の大切な人なんですから。必ず帰ってこないと怒りますからね……。


「そ、そういえば、アスト様とダイキ様はどのようにして出会ったのですか?」

「私とマスターですか……すみません。それは、マスターの口からでないと」

「そうですよね! すみません!」

「いえ、謝らなくても……でも、強いて言えば恩人ですかね」


 間違った事は言ってない筈です。私が、動くことが出来ているのは、マスターが私の身体を作ってくれたお陰ですから。


「アスト様、どうしたのですか……? 急にニヤケたりして」

「し、失礼しました! マスターとの出会いを思い出したら、つい……」


 本当に驚きましたよ。喋って間もないのに、身体を作ってくれたのですから……その代わり、マスターの考えてることは分からなくなってしまいましたが。

 それと、マスターの心を覗いて見ましたがとても酷い状態でした。おそらく、城から出たのとも関係があるのでしょう。


「アスト様は凄いですね。ダイキ様の事をとても信頼していて。それに比べて、わたしは未だにダイキ様の事を信用しきれていないです……」

「そうですか……でも、それで良いのですよ。生き物は何かを疑わないと生きていけないんです。手が震えているって事は、私だってマスターが無事に帰ってくるか疑っているって事ですから」


 実際にそうです。マスターが魔王に勝てる事は分かっているのに、不意をつかれて殺されてしまうのではないかと思っていますから。


「悩んでても仕方がありませんね! ダイキ様が帰ってくる事を神様に祈っていましょう!」

「ははは……そうですね……」


 マスターもいちおう神の称号を持っているのですよね。それに、神に祈るって事は、あの神に祈るってことですか。私はイマイチ信用できないのですが。

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 ダイキがギルドを出たあと、俺は色々な作業に終われていた。


「ダイキが帰ってくるまでに準備を終わらせとけ! いいなお前ら!」

「「「へい! ライオさん!」」」

「でも、いいんですか? 無事に帰ってくるかも分からないのに打ち上げの準備なんかして。もしもの時の準備をしなくても……」

「良いんだよ、受付ちゃん。あいつは絶対に帰ってくる」


 これは絶対だ。何故なら、俺はあの後ステータスを見せてもらったからな。


『な、なんだこれ!? レベルやHPとかだけでもこれって!』

『すみません。称号とスキル、魔法については見せれないですが……これで大丈夫っていう証明になりましたよね』

『納得した……だが、どうやってこんな強さになった?』

『それは……企業秘密です。まあ、そのうち教えますよ。俺が英雄にでもなれば』

『はははっ! 英雄か! お前にピッタリだな!』

『いやいや……それじゃ』


 あの時、あいつが英雄になると確信出来た。

 始めてだ、あんな奴は…………帰ってこいよ絶対に。

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 儂は前代未聞の危機に陥っていた。

 これも全て異界から呼び寄せた勇者達が魔王軍に敗れたからだ。


「陛下! 勇者が敗れたいま、この国も終わりです!」

「今すぐに逃げなければ私達の命はありません!」

「馬鹿者! そんなことをすれば民の命はないぞ! 民が居てこその国なのだ!」


 そんな事をすれば多くの者の命が失われる。それだけは避けなければ。先代の王との約束なのだ……。


「陛下、ただいま下の者から報告を受けました! ある冒険者が一人で魔王軍に向かったと!」

「なんだと! そんな事をすれば……」

「それと、ギルドマスターと話しをして、陛下に自分の存在を秘密にするようにと前々から言っていたそうです」


 儂に自分の存在を知らせぬだと? それでは、敵を倒したとしても何の得も無いでなないか……。


「それと、その冒険者ですが。資料をお持ちしました。ご覧ください……」

「どれ、見せてみよ…………Sランクじゃと」


 ここ数年、Sランクになった冒険者などおらぬ筈だ。しかも若い……あり得ぬ。


「こ、国王陛下! わたしの話をお聞きください!」

「そなたは、騎士団で唯一生き残ったロインではないか!」


 儂に話がある? 心当たりは何もないぞ……もしや、この冒険者についてか。


「分かった……申してみよ」

「はっ! その冒険者は先日の勇者召喚で追い出された者だと思われます!」

「その話は誠か?」

「はい! その名前と特徴は、あの方で間違えありません!」


 どういう事じゃ、ただの男にここまでの事が……もしや。


「勇者召喚した際、隠蔽を使ったと言うのか! でも、なぜじゃ……」

「分かりません。ですが、資料を見る限りあの方に賭けてみるしかか……」

「分かった。もし、この男が無事に戻ったら城へ呼ぶのだ!」

「「ハッ!」」


 ダイキとやら。頼む……この国を……民を救ってくれ。

アスト「うずうず」

エミリ「うずうず」

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