放浪と救済
一人の男が、荒野をさ迷っていた。
周囲には枯れ木や、生き物の死骸しかない。水や食料は何もなく、喉は渇き、空腹で気持ち悪くなっている。
「あ……は…がへ…」
もう声もまともに出せない。
もうここへ来て、何日経ったのかも分からない。
終わりのない荒野を延々と歩き続けていた。
「(なんで、こんなとこいんだろ……そもそも、なんで、あんな目立つようなことばっかりしてたんだろ。目立つの大嫌いだったのに。変に調子乗ってたのかな、やっぱり。お腹空いたな……喉も渇いたし……いつまで歩き続ければいいんだろ……)」
彼はもう限界だった。
小さな石に躓いた彼は、そのまま倒れてしまった。
「(ここまでかな……思えば、最近いいことが多すぎたんだよ。それでも、最後に皆とゆっくり話したかったな……ここま、でか……)」
彼は、意識を失い、そのまま目を瞑った。
周りには、枯れ木、死骸があり、唯一変化があったとすれば。
「むっ。誰だ、こいつは? 死骸か、いや、気を失っているだけか」
古びたボロボロのマントを着た誰かが、そばに立っているということだけである。
「人間とは珍しい。見捨ててもいいが、そうだな。最近、一人言が多くなっていたことだし、持ち帰って、話し相手にでもなってもらうか」
そのまま、ボロボロのマントを着た者は、彼を軽々と担ぎ、どこかへ立ち去っていった。
彼の運命はどうなるのか。




