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愚者

明けましておめでとうございます!

さて、ついに新章の開幕です!

ここからが、本番なので今年もよろしくお願いします。

 ダイキが目を覚ますと、そこは広い荒野だった。草木は枯れ、空は薄暗い、おまけに生き物の死骸が転がっている。


「ここは……?」

『ここは、君が調子にのっていた世界とは別の世界だ。ここには、ステータスなんて概念は存在しない。君は元の人間に戻っただけだ』

「姿は見えないが、この声は邪神か。何が目的なんだ?」

『目的なんて一つしかないだろう。君が邪魔だった、ただそれだけだ』

「ふざけるな……そんな理由で」

『ふざけるな、か。そもそも君は、あの世界にとって存在してはいけない筈なんだが。別の世界の人間が好き勝手に騒ぐと、その世界の未来に大きな影響を与える。本来の歴史が崩れていくのだよ』

「本来の歴史? そんなの誰にも分かる訳ないだろうが」

『そう思うのなら、君は所詮そこまでの人間だ。生憎だが、我には未来が読める。いまの歴史は、本来辿る筈の歴史とは全くの別物となっているんだよ。正直に言って面倒だ』


 ダイキは、別の世界に飛ばされ頭が混乱していた。一度は、別の世界に飛ばされることを経験しているが、かなり焦っている。


『帰る方法がないか考えているようだが、無駄だ。君は何も出来ない。無力で、ただの凡人なんだよ。最近は、大きな力を得て調子にのっていたようだが、お遊びもここまでだ。気付いているのか? 君は、あの世界に来て少しなのに、性格がガラッと変わっていることに』

「なに……?」

『力を得て、君は性格が悪くなった。金と一緒だ。大金を手に入れた人間は、心に余裕が出来る。だが、宝くじなんかの場合は、疑心暗鬼になる。君は、なんの努力もしないで強大な力を得た。それを自分の力だと思い込んで、いい気になって、だんだんと敵を見下してきたんじゃないか?』

「そんなこと……」

『思い当たる節が、沢山あったようだね。つまり、君は君を苦しめた人間たちと何も変わらないってことなんだよ。自分よりも下の相手を見下し、自分の力に酔いしれる。なんて愚かなんだろうな』


 ダイキは、今までの自分を振り返った。

 そして、自分自信に失望することとなった。


『実に滑稽だったよ。恨んでいるクラスメイトと同じような人間に変わっていくんだから。おまけにハーレムなんて作って、馬鹿じゃないのか。一人の人間だけを愛することが出来ないなんて、実に愚かな話しじゃないか』

「俺はあいつらを心から……」

『例え、それでもね。君は全員を等しく愛するなんて出来ていなかったさ。それに、少し相手にされなかったからって家でして、甘えるのも大概にしたらどうだい』


 ダイキは、もう何も言うことが出来なかった。邪神の言う通りだったからだ。


『おや? 案外心が崩れるのも早かったようだ。もっと骨のある奴かと心配したが、そんなことなかったね』

「……」

『それじゃあ、我は失礼しよう。もう君には何も出来ないのだから』


 そう言うと、邪神の声は聞こえなくなった。

 ダイキは、茫然とした状態で荒野をさ迷い始めた。

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