消滅
スキルも魔法も封じられたダイキが、行ったことは。
「殴るか」
「はっ?」
四天王アクウィラスは、まさかの発言に動揺を隠すことが出来なかった。魔法やスキルを使用できる相手に、肉弾戦で挑もうなど常識では考えられないからである。
「貴様、正気か。仮にも魔王軍四天王を相手に素手で戦うだと?」
「俺は、何時だって正気だよ。しかも、最近は俺の見所が少ない気がする。ということで、たまには物理さんに頼ってみようかなと」
「「「アホだろ……」」」
「(というか、スキルや魔法も問題なく使用可能なのですが……これだから、マスターは)」
ダイキの発言に呆れる一同だったが、それがダイキだと分かっているので、もう諦めていた。
「そんじゃ、いきますか。オラッ!」
「そんな攻撃が効くとでも思ったか。……って、グフォア!?」
「お、普通に効くみたいだな。HPも三割くらい削れたみたいだし、さっさと終わらすか」
軽く殴られた四天王は、数十メートル先に倒れ混み、血を吐き出している。そして、勝手にこんな行動を起こしたことを後悔していた。
「(くっ……なんだと。一撃でこれ程のダメージとは、体の損傷も激しい。迷ってはいられない、撤退しなければ。そして、魔王様にこいつのことを報告せねば)」
「まさか、これで終わりとか言わないよな? この程度ならアストでも多分耐えれるレベルだと思うぞ?」
「この化け物が……っかは!」
ダイキは、先ほどより若干力を強く込めた。結果、四天王アクウィラスのHPは残り10もない。
「……」
「意識を失ったのか? 結構、脆かったな」
「さっさと、誰かに迎えに越させる。連絡をすれば、すぐに来るだろうな」
『その必要はない』
「「「ッ!?」」」
何処からか聞こえたその声に、ダイキを含めた全員は、警戒心を高めた。腕には、鳥肌がたっている。
「誰だ……」
『我か? そうだな。我は……貴様らの言う邪神という存在だ』
「なぜ、なぜお前がボクたちに話しかけてきている! 何処だ、どこに!」
その正体を知ったリエは、怒りを込めた声で、叫んでいる。
何時ものリエとは、全くの別人のような雰囲気だ。
『探しても無駄だ。現在の創造神くん。我の居場所は誰にも分からない。魔王たちでも知らぬよ。そうだなぁ……君、ダイキと言ったな?』
「それがどうした……?」
『君は、必ず我の邪魔になるだろう。だから、ここらで、退場してもらおうか? 『カッティング』 それでは、さようなら。彼の孫よ。永遠に』
邪神がそれを言い終えるまでに、ダイキの姿は消滅していた。
この世界から完全に……。
まだまだ、続くよ!
次回、新章開幕。物語は急展開を迎える。




