100話目記念!:空白の一ヶ月『Part2』
__次の日、ダイキはエミリとのデートの為に噴水前に来ていた。
「今日は、エミリとか……エミリの行きたいところに沢山連れとかないとな」
そんなことを考えていると、エミリがやって来たようだ。
エミリの格好は、白縹のロングスカートで、エミリの銀色の髪にとても良く似合っている。肩には小さなバッグを掛けている。
「こ、こんにちはダイキ様……今日はよろしくお願いします」
「こちらこそよろしくな、今日はエミリの行きたい所にとことん付き合うよ」
「そ、それじゃあ……」
エミリに連れられてきたのは、エミリが何時も来ている商店街だった。商店街は、沢山の人で溢れかえっている。
店も八百屋から武器屋や薬屋まで様々な店や出店があった。そして、何よりも人々が皆笑顔で過ごしている。
「ここで良かったのか?」
「はい、何時も来ているので今日だけ来ないというのも何か嫌だったので。それに、ダイキ様にこの光景を見てほしくって」
商店街の光景を見てほしかったというのは何故だろうか。俺に何か関係あるという事ではないだろうから、イベントなどがあるのだろうか。
「ダイキ様に見てほしかったのは、ここの人達です。みんな笑顔で楽しく過ごしてます」
「ああ、本当に皆楽しそうに過ごしているな」
「ええ、これも全てダイキ様のお陰なんですよ。ダイキ様が魔王の一人を倒してくれたお陰です」
俺が魔王を倒したお陰……?
まあ、魔王が倒されてみんな安心しているだろうからな。これまでは、いつ魔王が攻めてくるか分からない恐怖に怯えて過ごしていたのだから。
「ダイキ様は、自分が魔王を倒して得るものなんか何もないって思ってますよね」
「それは……確かにそうだけど」
「そんなことないです。ここの人達は、魔王が倒された安心感よりもダイキ様への感謝の気持ちでいっぱいなんですよ。この笑顔や人々は、ダイキ様が守ったんです」
…………なるほど、自己満足と言ったらそこまでだけど確かにそうだ。俺がこの国を救った意味は、ちゃんと側にあったんだ。
「ありがとうな、エミリ。エミリの為に来た筈なのに、俺の為になってるな」
「いいんですよ、わたしはダイキ様のお側にいられるのならそれで。それに、デートはこれからです!」
「ああ、今日はとことん付き合うよ」
エミリは、本当に優しい子だ。俺のことをこんなに気遣ってくれて……。
その後、俺達は雑貨屋に入った。店内には、小物から生活用品まで色々なものが売ってある。
「ダイキ様、この腕輪とかどうですか! ダイキ様にとても似合いそうです!」
「そうかな……俺としてはこっちのがいいと思うんだけど」
「そんな真っ黒ってだけの腕輪よりもこっちのカラフルな腕輪のほうが絶対に似合うと思います!」
さらっと俺のセンスをディスられたのだが……まあ、楽しそうで何よりだな。
「あっ」
「いえ、何でもないです……」
「そうか……?」
エミリの見ていた先には、少し高い綺麗な髪飾りが売ってあった。なるほどな……。
「それじゃあ、この腕輪と石鹸が無かったので石鹸も買ってきちゃいますね」
「分かった、俺も欲しいものあったから少し見てくるな。終わったら店の前で待っててくれ」
買い終わると、次に昼食を食べることにした。レストランとかで食べるか聞いたが、エミリは出店に売っているホットドッグのようなものに釘付けのようで、それを食べることにした。
「す、すみません……」
「いや、俺も少し気になったからさ。それに、エミリの食べたい物を一緒に食べるほうがデートっぽいだろ」
「は、はい! ありがとうございます」
それからも色々な店や出店を見ていくと、気付けは夕方になっていた。
「ダイキ様、今日は本当にありがとうございました」
「こちらこそありがとうな。楽しかったか?」
「はい、勿論です! あ、それとこれをどうぞ」
そう言うと、エミリは雑貨屋で買った腕輪を俺に渡してきた。
「これを……俺に?」
「はい、ダイキ様へのプレゼントです」
「ありがとうな……本当に。それじゃあ、俺からもプレゼントだ」
プレゼントを貰ったお礼のような形になってしまったが、エミリに小さな紙袋を渡した。
「これは?」
「中を見てみてくれ。俺からのほんの小さなプレゼントだ」
エミリは、紙袋の中を見ると、とても嬉しそうに驚いた。尻尾をブンブンと、凄い勢いで振っている。
「これって……でも、どうして」
「あの時見てたのこれだろ? 凄い欲しそうにしてたろ。今日は俺も楽しませてもらったから、日頃のお礼も兼ねてのプレゼントだ」
「あ、ありがとうございます……!」
袋から取り出すと、エミリは早速頭に髪飾りを着けてみた。エミリの幼さに相俟って、とても良く似合っている。
「今日は本当にありがとうございました!」
「俺の方こそありがとうな、これからも宜しくな、エミリ」
「はい! ダイキ様」
こうして、俺とエミリのデートは幕を閉じた。帰り道は、二人で手を繋ぎ自然と笑顔になりながらアストとリエの待つ家へと帰った。




