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何がなんだかわからなすび
彼は思った。起きるのはめんどくさいと。
彼は動いた。目覚まし時計をとめるため。朝の平和を守るため。
彼はなにも思えなかった。
彼は動かなかった。そして、力尽きた。スヌーズ機能は邪魔だった。
ある春の日、彼の視界は真っ暗だった。
彼が、目覚めて5秒、まずしたこと。夢を忘れた。
次にしたこと。二度寝。
7寝8起き目、彼の高度は35センチ下がっていた。
目を覚ました理由。鼻の頭の激痛。
悶絶しながら、散らかった部屋のドアへ手を伸ばす。
服装を整え、そとを出歩けるようにすると、玄関のドアを開けた。
彼の目の前に目覚まし時計が立っていた。
目覚まし時計の着ぐるみが。
彼はドアを閉めた。
そして求めた。目覚まし時計のスヌーズ機能を。
しかし、愛しの目覚まし時計は、この状況に対する効力を持っていなかった。
そして、玄関のドアに向きながら独り言。
「セ○ム してますか?」